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株式会社松田ポンプ製作所 部門間の風通しを良くし労使協調で働きやすさを追求

株式会社松田ポンプ製作所

所在地 宝塚市野上2-6-14
事業内容 製造業
従業員数 52人
冊子掲載 平成26年度 WLBな会社ガイド-兵庫版
公開日 2015年3月11日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

松田ポンプ製作所の最大の特徴は労使協調が貫かれているところです。経営者側はどのようにすれば社員がよりモチベーションを高く持って働けるかを考え、勤務時間や残業対策にいち早く取り組み、組合側と話し合いを重ねながら最適なやり方を追求してきました。そうしたやり取りの積み重ねがおのずとワーク・ライフ・バランスにつながっています。

多能工化のための勉強会や技術の共有化を推進しています。

労使協議会を月1回開催

1916年に日本初の高硅素耐酸鉄ポンプの製作を始めて今年で創業99年。特に厳しい環境下で使われるポンプを得意とし、製品は全てオーダーメードで、素材の開発、鋳造から組み立てまでを一貫して行っています。

同社の風土について、「基本的に経営者側と労働者側に隠し事はない」と総務部長の東田貴敏さん。そう話す通り、毎月開かれている労使協議会では会社の毎月の決算情報が組合側に全て開示されます。一時金の算定基準についても半年ごとの売り上げに連動するルールが労使双方であらかじめ決められており、賃金についての議論も交渉のテーブルに乗ることはまずないと言います。労働組合の執行委員長を務める一宮新吾さんは「お互いに信頼を持っているので、春闘の交渉でもテーマ探しが大変なほど」と苦笑します。

労働時間や休暇についても会社がいち早く働きやすい仕組みを整えてきた歴史があるそうです。「労組者側からさらに希望があれば議論のテーブルに乗せてより良い中身を目指していきます。かなり古い話ですが、かつては工場内で喫煙する社員が多く、勤務時間は禁煙とすることにしました。その代わりの条件として労働時間を短縮した経緯があり、以来1日の労働時間は7時間半です」と、東田さんは話します。

毎月開かれる労使協議会。決算情報は組合側に全て開示されます。

「早く帰りたい」が当たり前に

かつては長時間労働が常態化していた時期もありましたが、現在では1カ月の平均残業時間は5時間程度にとどまっています。各職場間で労働時間を平準化するため、月1回の労使協議会で全社員の残業時間が開示され、職場にも張り出すことで定時退社を促しています。松田ポンプ製作所の最大の特徴は労使協調が貫かれているところです。経営者側はどのようにすれば社員がよりモチベーションを高く持って働けるかを考え、勤務時間や残業対策にいち早く取り組み、組合側と話し合いを重ねながら最適なやり方を追求してきました。そうしたやり取りの積み重ねがおのずとワーク・ライフ・バランスにつながっています。緊密な労使関係が、安全で効率的な職場環境に生かされています。

「私のいる組立部門でも、誰か1人が残って仕事をするというようなことはありません。3、4人ですれば早く終えられるので『皆でやって早く帰ろう』という雰囲気が浸透しています。残業が続くと結局疲れが残るし、安全にも影響します。社員は皆早く帰りたいというのが本音」と一宮さん。

有給休暇は1年の間に計画的に取るよう徹底されており、それぞれの取得状況についても労使協議会で毎月のように報告され、部門長から早めの取得を促されます。ほとんどの社員が8割方消化できており、その年に取得し切れなかった分については、最大で35日までためられるようになっており、介護、病気などの用途に使うことができます。「組合がためられる日数を増やしてほしいと要望を出したところ、会社側から用途を増やしていくとの提示がありました。ボランティアなどにも使うことができればと期待しています」と話します。

効率化のため工程を標準化

より効率的に働けるようにするための仕組みも整っています。製造には「マツダスタンダード」と呼ばれる規格があり、鋳造部門はどのようなことをするのか、汎用旋盤でどのように機械加工をするのかといった標準化された工程が写真付きで誰もが理解しやすいように工夫されています。

また、同じ会社にいても他の部門がどのような仕事をしているのかはなかなか分からないもの。そのため年3回以上開かれているのが各部門間で情報を共有するための勉強会で、これにより、繁忙時には協力し合って互いの仕事をサポートする体制ができています。「部署を超えて仕事の内容を把握できていれば、いざというときにサポートでき多能工化にもつながります。また、開発部門が今どんなことをしているのかを知るための実験結果報告会も行っています。どうして今、開発部門が残業しているのかといったことの理解を促し、不公平感の解消になります」と、東田さんは取り組みの効果を語ります。

開発部門の成果を知る実験結果報告会も行われます。

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