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教育研修体制の充実で誇りを育み ストレスのない職場環境づくり

医療法人財団姫路聖マリア会 姫路聖マリア病院

所在地 姫路市仁豊野650
事業内容 病院
従業員数 691人(男性140人、女性551人)
冊子掲載 平成24年度 第4回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2012年11月21日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

姫路聖マリア病院は、年間3,000件を超える手術に、約1,000件のお産、救急件数も5,000件近くに上る中播磨地域北部の中核的な急性期病院です。一人ひとりが誇りを持って働けるようにと、看護師にかける教育研修コストは全国でも随一。さらに、ストレスなく勤務できる環境づくりを目指して、2012(平成24)年春から病児保育もスタートしました。

WLBとスキルアップのための研修制度を積極的に活用。優れた看護師が定着しています。

誇りを育むことが定着につながる

日本看護協会の調査によると2011(平成23)年における常勤看護師の離職率は11.0%にも上っています。各病院ともあの手この手で看護師の離職防止に努めていますが、姫路聖マリア病院は5年ほど前から「看護師のスキルを高めることで誇りが生まれ、定着が進む」との信念で教育研修体制の充実に取り組んできました。

看護部長の山中誉子さんが赴任した時に感じたのは、「ドクターがヒエラルキーのトップにいて他の医療職は下という意識が根付いてしまっている」ということでした。「一方でそれに甘んじて勉強をしていないところもありました。まずは誇りを持ってもらいたいと思い、教育研修の充実に力を入れました」と話します。

職位ごとに必要なスキルを記したキャリアラダーを基に、新人看護師が教育指導者と一緒になって学習計画を考え、研修を受けられるようにしました。毎年目標を設定し、面接で進捗状況を検証して、個人の達成課題を明確にして、次の計画をするというサイクルができました。

面接を「評価面接」でなくあえて「育成面接」と呼ぶのも「一人ひとりが能力を獲得し、そして獲得させるという思いの下、病院の質が向上すれば患者さんに貢献できると信じていたからです」と山中さんは説明します。

看護師は260人から360人に

こうした取り組みが評価を受け、2007(平成19)年度に厚生労働省から全国で21病院のみが認定された新人看護職員研修・指導者研修モデル事業の認定を受けました。1人当たりの教育研修費は全国の病院の中でもトップクラスとなりました。

1人当たりの教育研修費は全国トップクラス。優秀な看護師が多いと院外評価も高まっています。

現在は、新人看護師に1人1台ずつタブレット型パソコンを配布し、自宅でも看護手順や研修用の動画が閲覧できるようにしています。また、看護職は誰でも自宅のパソコンを通じて研修が受けられるようになっています。

外部からの評価がそれぞれの看護師にとってのモチベーションにつながりました。周産期医療、救急医療、終末期医療という3つの重点テーマを強く打ち出したこともあり、今や研修生などの人材も全国から姫路聖マリア病院を目指してやって来るようになりました。5年前に260人だった看護師は現在360人にまで増えています。 

新人看護師に1人1台ずつタブレット端末を配布。どこにいてもレベルの高い勉強が可能になりました。

「大切にされている」と感じられるように

やりがいをサポートするためにはストレスなく勤務できる環境づくりも欠かせません。

同病院では、育児中の職員のために早くから院内保育を手掛けてきましたが、今春からは病児保育もスタートしました。「小児病棟のベッドが空いていれば、そこで働いている看護師のスキルが上がりません。それなら職員の子どもをいつでも小児病棟に預かれるようにすれば一石二鳥になると考えました」

あらかじめ病児保育を希望する職員は子どもの情報をIDカードに登録しておきます。院内保育所で熱が出た場合、保育士は親に連絡だけをして、子どもを直接小児病棟に連れていき、IDカードに登録されているカルテ情報を基に診察を済ませて、そのまま預かることができるようにしています。このため、職員である親は仕事中に呼び出されることはありません。

その日の朝になって急に子どもが熱を出しても休まずに職場で診てもらうことができるので、急に他の看護師に代替勤務を依頼することもなく、看護師同士仕事の負担を掛けることもなくなりました。

「まずは病院にとっての内部顧客である職員を満足させてあげないと、患者さんともしっかり向き合うことはできません。自分たちが大切にされていると感じて働いてもらえるような仕組み、制度へとこれからも見直しを図っていきたい」と話しています。

病児保育がスタート。子どもが体調を崩しても、職員が安心して仕事に集中できるようになりました。

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