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楽しい職場を目指し意識改革 部門間で助け合う気持ちが生まれる

トーカロ株式会社

所在地 神戸市東灘区深江北町4-13-4
事業内容 金属表面処理業
従業員数 744人(男性622人、女性122人)
冊子掲載 平成24年度 第4回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2012年11月21日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

溶射を中心とした各種表面改質の総合メーカー、トーカロは全国に7つの生産拠点を展開しています。中でも神戸工場は、他工場では手掛けない特殊な表面処理加工を担っているため人材交流もあまり多くなく、工場全体の雰囲気がともすれば沈滞気味だったそうです。檜山耕作さんは2009(平成21)年4月に神戸工場長として赴任して以降、楽しく"顔が晴れる"ように働ける職場を目指し、社員の意識改革を促しています。

「顔晴(がんば)れるプロジェクト」で、生産効率と製品の品質の向上が図られています。

上司と若手にコミュニケーションギャップ

檜山さんが神戸工場に赴任してまず感じたのは「従業員に活気が感じられなかった」ことでした。「景気低迷により受注が減少し、仕事の確保が喫緊のテーマとなっている今、どんどん意見を出し合っていいものを作っていく必要があります。それなのに、上司から言われたことを分かってもいないのに分かっていると言っていたことがとても気になりました。叱られるのが嫌で適当に返事をしているんですね。まず工場に勤める社員がお互いに話しやすい風土へと変えていかなければと思いました」と当時の様子を振り返ります。

そこで、ひょうご仕事と生活センターのサポートを受けて従業員意識調査を実施してみたところ、上司側は「コミュニケーションが取れている」と思い込んでいるのに対し、若手社員の側は「コミュニケーションが不足している」と強く感じており、双方の意識のギャップが浮き彫りになりました。さらに、部下は上司から自分の仕事ぶりを認めてもらえないと感じていることも明らかになりました。

工場長自ら全社員と面談

今年3月、まず班長以上の層を対象に「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の受け方」の研修を、その上で一般社員には「ホウレンソウの仕方」の研修を行いました。

また、檜山さん自ら50人の全社員に対して面談を行い、それぞれの社員が日頃考えていることに耳を傾けました。さらに、これまで工場から出たことのなかった若手社員を顧客のもとに連れ出し、顧客からの要望に対して説明させる機会をつくりました。常に社員に対して説いたのは「担当する工程のことだけでなくどうすれば高品質な商品ができるかを考えてものづくりをし、行動に移すこと。そしていつもお客さんのことを意識すること」と、檜山さんは言います。

変化は徐々に表れました。ある若手社員が工場内のホワイトボードに工程の流れが分かる表を張り出したのもその一つです。周囲の社員たちの間にも、次工程を踏まえた時間管理、仕上げの意識が浸透し始めました。

工程の時間管理、流れを共有することで、業績アップへの寄与を意識できます。

人事交流で多能工化も視野に

次のステップとして、今年6月、工場で行っている2つの異なる表面処理加工処理部門の部門リーダーである主任を入れ替えることとしました。若手社員に比べ、意識が変わりにくい階層である班長以上の層に変化を生み出すことこそ工場全体を活気づけるためには有効と考えたからです。

「今まで別の部署のことは他人事でしたが、別の部署の業務に携わることで、仕事の忙しさが分かるようになると考えました。コミュニケーションの円滑化にもなり、技能の幅も広げることができると思います」

二人の主任は共に工場全体のことが見渡せるようになり、部門間で助け合いの気持ちが芽生えました。11月からは実務担当者についても部門間で入れ替える人事も実施しました。同時に、両部門に精通した多能工化も進めようとしています。

「社員の気持ちに余裕が生まれ自分のアイデアで高品質の製品ができるようになり、短納期対応が進んでいけば社外ではお客さんが喜んでくれます。また社内では生産効率も上がり、利益の向上にもつながって事業面の寄与にもつながります」と檜山さん。

一連の取り組みは「顔晴(がんば)れるプロジェクト」と名付けられています。

上司・部下の意思疎通のギャップを埋める仕掛けの構築が大切。
毎日行われる指さし確認。労働安全はもとより、助け合いの気持ちも醸成。

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