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全員の業務を平準化し効率をアップ 「子ども参観日」で深まる家族の絆

株式会社デンソーテン(旧:富士通テン株式会社)

所在地 神戸市兵庫区御所通1-2-28
事業内容 電気機械器具製造業
従業員数 4,144人(男性 3,168人、女性 976人)      ※2010年3月末現在【連結12,776人】
冊子掲載 平成22年度 第2回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2011年11月17日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

育児休業を2回利用した長谷川永さん(左から2人目)。体験談は社内報で発信されました。

親子の絆を深める「子ども参観日」

夏休みのある日、特製の名刺を手にした子どもたちが続々と職場に登場します。同社の「子ども参観日」です。働くことの大切さや、親が働いている会社への理解を深めてもらおうと始まった試みで、今ではすっかり人気イベントとして定着しました。海外とのテレビ会議に参加したり、製造現場では組み立てを体験したり、日ごろの父親や母親の仕事を疑似体験できる機会に子どもたちは大喜びだといいます。

「中には『家では片付けなさいと言っているのに、お父さんの机は散らかっていた』と厳しい感想もありますが、『お父さん、お母さんの会社での姿は、かっこいい』との感想が大半です」とダイバーシティ推進室の美藤志織さん。「定時退社日に開催するので、家族そろって帰路に就きます。会社での親の姿を見ることで、家族の絆も深まるようです」と話します。

親の"働きぶり"を見るための「子ども参観日」。親子の心の交流が深まります。

効率アップで徹底的に残業減らす

大切な家族と過ごす時間を増やすためには、どんな方法があるのだろうか、と同社では、生活と仕事とのバランスを取るための方法を模索してきました。その中から、効率的に業務を行うことで残業を減らしていく仕組みが生まれてきました。

2007(平成19)年に導入したのが「仕事の見える化ボード」。職場ごとに大きなボードを用意し、各社員の業務を付箋紙で貼り付けます。全員の仕事の量と質を、一目瞭然にすることで、一人一人の負担割合を把握することができます。その上で、一定の人に仕事が偏らないように作業の平準化を図ってきました。結果、全体の作業効率が上がり、連続して休暇を取得することが可能になるなどの効果が見られるようになったそうです。

また、形骸化しがちな水曜日の定時退社についても、幹部社員による見回りを実施しました。どうしても残業をしなければならない社員は事前に申請書を提出し、引き換えに緑色のストラップを受け取ります。緑色のストラップを付けていない人は、対象者でないとすぐに分かる仕組みです。また、水曜日に残業をした人は、同一週に振替日を設けて定時退社をしなければなりません。徹底した運用で、5年前には1日平均1,200人が残業していたのが、昨年は40人まで減少しました。

「仕事の見える化ボード」。業務を付箋紙に書き込み視覚化することで偏りをなくします。

女性からの声 男性にも浸透へ

女性が能力を発揮できる職場を目指す取り組みも充実しています。2006(平成18)年に作成した「育児支援ガイドブック」には、妊娠、出産、育児にまつわる情報が満載です。制度だけでなく、給付金の申請など、これさえあれば全てが分かる優れものです。ベースになっているのは、全女性社員による意見交換会で寄せられた声です。「どんな両立支援があるのか知らない」「情報がバラバラなので、どこで聞けばいいのか分からない」といった意見を集約して、一冊にまとめました。さらに、幹部社員に向けて、対象となる女性に対する適切な配慮を具体的に呼び掛ける項目も盛り込みました。現在は、ウェブ版が登場しています。

ダイバーシティ推進室では、男性社員にも仕事と生活の両立について考えてもらうため、定期的に啓発のニュースレター「Good Company for everyone」を発行しています。両立支援制度の解説や、男性の育児休業取得者の体験談などの特集を届けることで、情報の浸透と意識改革を狙っています。「今後は、多様な視点からの意見を効果的に経営に反映させるためにも女性の幹部社員を増やすことも視野に入れて、キャリアの意識調査なども行っていきます」と美藤さん。全ての社員が仕事と生活を充実させられるように、さらなる試みが続きます。

家族と過ごす時間を増やすための取り組みが、仕事の効率アップにもつながります。

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