ひょうご仕事と生活センター長挨拶
センター開設15周年にあたって
~「人的資本経営」のすすめ~
2024(令和6)年度がスタートしました。新年挨拶でも触れたように、本年6月には「センター開設15周年」を迎えます。同時に、センターが帰属する公益財団法人兵庫県勤労福祉協会は「設立60周年」という記念すべき節目を迎えることとなります。
この節目を決して通過点として捉えるのではなく、これから先の将来をも見据えた「再スタート年」として、さらなる飛躍・前進を期さねばなりません。私どもセンターは、こうした今年度の位置づけを踏まえ、スタッフ一丸となって大いに盛り上げてまいります。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
さて、昨今の企業を取り巻く諸情勢は激動期と言っても過言ではありません。デフレ経済の終焉とインフレの始まり、人口減少に伴う人手不足(採用難)の深刻化とともに、コロナ禍を契機としたデジタル化推進、企業経営においては「有形資産の活用」から「知的財産・無形資産の活用」への転換、人財活用では「ゼネラリスト」から「スペシャリスト(専門人材)」重視など、まさに「終わり」と「始まり」を告げる大きな変革期にあります。
最近注目度が高まっている「人的資本経営」は、まさにその象徴でしょう。しかし、現象面ばかりに目を向けて本質を見失ってはなりません。つまり、「人的資本経営」はあくまでも手段であって、目的は「中長期的な企業価値の向上につなげる」ことにあるということです。
私どもセンターにおいても、数年前から「企業へのWLB推進支援を強化し、50年、100年続く『健康長寿企業』を増やそう」とのスローガンを掲げていますが、軌を一にする潮流とも言えるでしょう。
他方で、100年企業(創業100年以上)の国際比較を見てみると、全企業数の約5割を日本が占めており、2位の米国を大きく引き離すダントツ1位です。この100年企業に共通する特徴は、長期的視点での経営、創業の精神の継承、あくなき変革――等が挙げられ、日本企業の誇れる点と言えるのではないでしょうか。
私たちは今、歴史的な変革期の真只中にいます。私どもセンターは、開設時からのビジョン『私たちはWLBを通じて、もっと幸せになれる社会への扉を開きます』との原点を改めて確認するとともに、「人的資本経営」などの新潮流も意識して、将来を見据えた節目の年度において積極果敢な取り組みを継続してまいります。
そのうえで、宣言登録企業約3700社、認定企業510社、表彰企業167社の皆様はもとより、新規宣言登録企業の一層の拡大やレベルアップへ継続的なチャレンジを続けられる県内企業に寄り添った実践支援に注力してまいります。
県内企業・団体の皆様の積極的なセンター活用をお待ち申し上げています!
2024年4月
ひょうご仕事と生活センター長
辻 芳治