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ワーク・ライフ・バランス キーパーソン養成講座 第1弾開催

キーパーソン養成講座終了センター主催事業 投稿日2012.12.1

第1回講座 WLBの実現推進は、経営戦略として取り組み、進めていくことが大切

講師:中山正人氏(当センター外部相談員)

「仕事を愉しめない人生は寂しい、仕事だけの人生も寂しい」というご自身の体験談に始まり、WLBの必要性について、経営のグローバル化→スピードと知恵の勝負→業務の効率化と多様な情報に触れる必要性、少子高齢化→労働人口の減少・労働力維持・確保の必要性という2つの視点から話されました。また、WLBとは「仕事も生活も充実した日々を過ごすこと」と分かりやすく解説されました。その後、「WLBの実現推進活動は従業員の生きがいや働きがいの観点だけでなく、企業の経営戦略として明確に位置づけ、取り組む必要があります」と続けられました。
グループワークでは、グループごとにWLBの実現推進への取り組みに対して自組織が直面している悩みを出し合い、出てきた課題を分類し、"ロジックツリー"を用いて分析する手法も学びました。「考え方・スキル・制度」に関するお悩みが多く、その他は、お客さまに関することなど外的要因によるお悩み分析もされていました。アンケートでも「課題整理のために教えていただいたロジックツリーが非常に参考になった」とのお言葉を得ました。

 

第2回講座 WLBの関連制度と風土作り

第1部 WLB関連制度~育児・介護休業制度

講師:大津恵美子氏(当センター外部相談員)

「自分が知っていることを誰もが知っているとは限らない」
育児・介護休業法や関連制度の説明は、事前にお送りした「育児・介護休業規定チェックリスト」に沿って進められ、その場で質問が与えられ、話し合うというグループ実習もあり、皆さん、積極的に話し合われました。制度運用の説明では、こうした制度は人事・労務担当者が知っているだけでなく、全従業員が知っていることが大切と話され、周知徹底のための有効資料として、講師自らが作成、活用されていた制度一覧表などを紹介されました。さらに、「自分にはまだ無関係で必要ないと思っていることが、いつ自分に、あるいは部下や周りの人に必要になるか分かりません。
制度がいくら充実していても、十分に認知、活用されていなければ無意味です」と言われ、最後に、使える制度があることと、その制度を使える組織風土があることが、従業員がハッピーに働き続けられる組織をつくると締めくくられました。アンケートでは「知識や理解度の再確認ができた」「最近、育休取得者が増え、手続き等でトラブルもあり参考になった」などのご意見がありました。

第2部 制度と人財を活かす組織風土づくり

講師:森野和子氏(当センター外部相談員)
~知る、つくる、考える、活かす~
前回のグループワークの振り返りと、WLBの再確認から始まった第2部。制度はつくったけれど活用されにくい背景にある意識(性別役割分担意識)に気づくこと、推進するキーパーソン自身の"マインド"を確認するとともに、"自分ごと"としてとらえることの重要性についての説明がありました。また、自社の取り組み状況を把握した上で、さらに推進するためのヒントが紹介されました。

 

グループワークでは、「どんな職場にしたいか」「そのために自分ができること」について話し合いました。「コミュニケーションやチームワークが良い」「個性が活かせる」などが理想の職場像として挙がり、そのために「ここで学んだことを職場で発表し、経営陣にWLBの必要性を理解してもらう」「業務分担の仕組みを変える」「WLB推進の仲間をつくる」「思い切って休む!帰る!」など、「自分ができること」が積極的に出ました。最後には、各自が『明日から○○します!』と行動宣言をし、それぞれの実践を誓いました。
アンケートでは「"やれでやる"ではなく、"やるでやる"!すべての物事を推し進めるのは意志によるものだということを再認識した」「WLBについて、今後、自分が進むべき第一歩が見えた」などのご意見がありました。

フォローアップセミナー より良い組織づくりに向け進捗状況の共有を

「キーパーソン、その存在が会社を救う!」というテーマの下、昨年7月から11月にかけて毎月1回、全5回の連続講座として開催された「キーパーソン養成講座」のフォローアップセミナーが2月6日に開催され、9企業から11人が参加しました。

ここで言う「キーパーソン」とは、経営戦略の一環として、自社または自組織内でワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現推進を進めていくために、自らがリーダー的な役割を担う方のことです。当初29企業・団体から31人が参加して開講しましたが、全課程修了は15企業・団体の17人でした。全課程修了者には昨年11月21日、当センター3周年記念フェスタの際に行われた修了式に臨んでいただき、知事から修了証書が授与されました。各回の講座内容については、本誌冬号(前号)と秋号(前々号)に連続でご紹介しています。

今年度の各回の内容概略

第1回 7月 WLBの基礎知識、現状分析の手法
第2回 8月 WLB関連制度の理解と風土作り
第3回 9月 タイムマネジメントとリーダーシップ
第4回 10月 現状打破のためのスキル
第5回 11月 今後のアクションプランの個別発表

 

この講座を受講したからといって、一朝一夕に自社または自組織のWLBの実現推進が進むというものでは決してありません。講座への参加はスタートです。今回の受講を一つの契機に、キーパーソンとして継続的に活動を推進し、変革を起こしていくことがキーパーソンの役目です。それは長くて終わりのない旅かもしれません。最終回に参加された方々が示してくださった熱意をいつまでも保っていただけるように、約3カ月経過後の状況を共有し合える機会となったフォローアップセミナーについてここでご紹介します。

 

開講に当たり、北条センター長から「ご参加いただいた皆さまに感謝します、ここで生まれたネットワークを活かし、各社の状況や事例など情報交換をさせていただきながら、兵庫県を『ええ会社』だらけにしたい、そのためには当センターは協力を惜しまないので、今後も可能な限りご利用ください」との熱いメッセージが伝えられました。

 

最初のグループワークでは、最終回に発表されたアクションプランの進捗状況をグループ内で共有していただ きました。その次に、うまくできたこととその要因、そして最後に、まだあまりうまくできていないこととその要因、また、その解決策を、自分たちができること、あるいはセンターに協力してほしいことという観点で話し合っていただきました。各グループの発表後には、他のグループの方や当センターの内部相談員からも質問や意見が出され、活発な意見交換の場となりました。その後は、茶話会形式で和やかな雰囲気で続けられました。

 

最後に、当センターの岩本相談員が「成功事例の共有も良いのですが、それよりも失敗事例をできるだけ共有 し、お互いに学び合いながら、より良い組織作りに向けて変革のための活動を推進し続けていただきたい、そのためなら、当センターはいつでも喜んでお手伝いさせていただきます」と締めくくりました。

参加者アンケートより

  • 全体として「意識」が重要だと気付きました。
  • 修了後、他の修了生の方々がどんな努力をし、どんなことで悩んでいるのかを聞くことができて良かった。同じ兵庫県下で自分と同様に悪戦苦闘しながらも前向きにWLBに取り組んでいる仲間がいることがとても心強い。(同様の意見複数)
  • 各企業の取り組み状況などを聞け、自分自身のモチベーションアップにつながった。
  • 皆さんの話を聞いて、自信が付けられたので良かった。
  • 参加者が少なくてちょっと残念だった。