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子ども主体の保育で働きやすさと働きがいを

一般社団法人フルーリル

所在地 西宮市甲子園二番町9‐7
事業内容 保育園の運営
従業員数 36人(男性0人、女性36人)
冊子掲載 令和4年度WLBな会社ガイド
公開日 2023年1月31日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

4つの保育園を運営する同法人。代表理事の福田緑さんが大切にしているのが、職員が気持ちよく、楽しく働くこと。それが子どもや保護者にも伝わり好循環が生まれるとの考えの下、働きやすさと働きがいの両面から働き方改革を実践し、常に進化を続けています。

育児休業中の職員と子ども。子育て世代のサポートが手厚いので、復帰まで安心して育児に専念できます。

楽しく気持ちよく働ける環境を

 福田代表理事は自身の長男を保育園に預ける際、さまざまな制約や不便を感じたそうです。「自分が預けたいと思う保育園、自分がこんなふうに働きたいと思う保育園を自らの手でつくりたいと思いました」と、保育園事業を始めた思いについて語ります。子どもを虐待から守る活動にも携わり、多くの事例を見てきただけに、親のストレスを軽減する必要も強く感じていました。「まず職員が楽しく、気持ちよく働くことができれば、心に余裕を持って子どもたちと接することができる。それが子どもたちにも伝わって、ひいては親にもストレスがかからない。この循環をつくることが当園の使命だと思っています」
 そのための取組の一つが、働きやすさの実現です。職員はライフスタイルに応じ、週30時間勤務する時短社員と、週40時間勤務する正社員の2タイプから働き方を選択。週の勤務時間数を満たせば、勤務スタイルは自由に決められます。例えば、子どもの参観日に出たいときは、その時間だけ中抜けできます。時短社員の中にはメリハリをつけて働きたいと週3日、1日10時間働いている人もいます。また、土曜と日曜を連休にしたいという意見を取り入れ、新たに土曜のみ出勤するパートタイム職員を採用しました。誕生日に休めるバースデー休暇については「私が休みたいので制度化しました」と福田代表理事。皆が「こうしたい」と思うことを実現しています。

職員は週30時間勤務する時短社員と、週40時間勤務する正社員の2タイプから働き方を選択。その範囲内なら自由に勤務スタイルを決められます。

子ども主体の保育で負担も楽に

 働きがいを実現する取組として実践しているのが、保育士主導による保育内容の精査・見直しです。これまでは保育士が考えたさまざまなプログラムを実施していたため、ツールや装飾作りに多くの時間を取られていました。そこで、子ども主体の遊びをできるだけ取り入れることに。園内の装飾も、例えば子どもが集めてきた葉っぱをそのまま飾るときもあります。
 決められた時間にリズム体操を一斉に始めるという押し付けのやり方も改めました。「積み木をしたい子もいれば、おままごとを続けたい子もいます。それを無理やりやめさせて違う遊びを強いると、子どもも良い気はしません。話しかけ方も含め、大人と同じ一つの人格と認めて接するように心がけています」と福田代表理事。子どもたちのペースを尊重する保育を行うことで保育士の気持ちが落ち着き、ゆったりとした心構えで保育に臨むことができています。
 そうした園の基本的な考え方をまとめたパンフレットを独自に作成し、新しく入ってきた職員には丁寧に研修を行っています。

誕生日に休めるバースデー休暇も好評。

カナダとの交流事業も視野に

 大半の保育園では保育士の採用に苦労しているようですが、同法人では現職員の話を聞いて、一緒に働きたいという人が絶えないとのこと。「たくさんの希望者の中から人間性を重視し、当園の考え方に沿った人を採用しています」。そのうちに希望する保育士の数がどんどん増えてきたため、2017年以降、次々と園を開設。現在は4園にまで増えました。
 同法人は今、新たなステージに踏み出そうとしています。2022年の夏、福田代表理事はカナダの保育園を視察し、互いの文化や保育の考え方を学ぶことで高め合うことができると確信。両園の交流事業を進めるべく、構想を温めています。職員にその構想を伝えると、多くの職員が参加したいと手を挙げたそうです。「子どもたちが豊かに生きられる未来をつくるために、これからも職員たちと共に貪欲に新しいことに取り組んでいきたい」
と、その視野は海外へと広がっています。

カナダとの交流事業を視野に。カナダでの研修に手を挙げているスタッフもいます。

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