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属人化解消で業務効率向上 余力が新しい挑戦を生む

神戸化成株式会社

所在地 神戸市灘区新在家南町4-4-15
事業内容 食品用天然色素の製造・販売
従業員数 48人(男性37人、女性11人)
冊子掲載 令和4年度WLBな会社ガイド
公開日 2023年1月31日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

食品用天然色素の製造・販売を行う同社は、事業の繁忙期に生じていた残業の不均衡を解消するためにスキルマップやITツールを導入。生産性が上がったことによりできた余力を新規開拓や提案につなげ、業績が格段に向上しています。

さまざまな取組の結果、有給休暇取得率向上や残業時間減少で利益も上昇、1人当たりの生産性が向上しました。

スキルレベルをそろえ属人化解消

 近年順調に売り上げを伸ばしている同社。しかし、繁忙期には特定の人の作業量が増加し、残業の不均衡が生じていました。それを解消するためには、属人化している仕事を誰もができるよう標準化することが欠かせないと判断し、まず導入したのがスキルマップです。
 スキルマップの作成に当たっては社員一人一人の業務を洗い出し、細分化。各業務について「指導を受けながらできる」「概ね一人でできる」「単独でできる」「指導できる」の4段階に分け、個人のスキルを見える化しました。さらに、各人のレベルアップを図るため、計画的に教育の時間を設けることにしました。「全員の仕事のレベルがそろうことで、できる人に仕事が偏らなくなりました。そして、教え、教えられる中で共に学ぶことが増え、社員同士のコミュニケーションも緊密になりました」と常務取締役の村川武司さんは話します。
 並行して取り組んだのがITツールの導入です。一つは、スケジュールや業務管理などの情報共有やコミュニケーションを図れるソフトウエア、グループウエアの活用。社員それぞれのスケジュールや在席状況などが明示されるので、電話がかかってきた時の館内放送での呼び出しや、情報共有のための回覧板が不要になりました。また、勤怠管理システムを使うことで残業時間や有給休暇の取得状況がオンラインで確認できるようになり、自
己管理や指導に役立っています。

ITツールの導入により、社員それぞれのスケジュールや在席状況の把握が容易になりました。

個性を把握しギャップを埋める

 同社では毎年1回、全社員合同で経営計画書を作成し、発表する機会を設けており、その進捗状況を確認、検証するため3カ月ごとに全体研修を行っています。その機会を捉えて実施しているのが、社員それぞれの個性を知る研修です。ツールを使い、分析型、構造型、社交型、ひらめき型のうちどれが強いか、個性を把握します。そして、コミュニケーションの際には自分と相手の個性に合わせて伝え方を変える必要があることを理解します。
 「相手に伝わる説明ができるようになるとコミュニケーションギャップが解消されます。お互いの個性を認め合えるのです」と村川常務取締役。併せて感情をコントロールするアンガーマネジメント研修も実施。職場のコミュニケーションが円滑になったそうです。

スキルマップで個人のスキルを見える化。

余力が生まれ利益も向上

 仕事の属人化の解消が進み、急な欠員が生じても支障なく対応できるようになり、休みも取りやすい雰囲気になりました。2019年に6日だった1人当たりの有給休暇取得日数が、21年には10日に増えました。また、業務の標準化により作業効率が向上。個人の作業からチームでの作業へと変化を遂げた結果、助け合う文化が生まれ、19年には全社員で年間1,300時間あった残業時間は21年には1,000時間にまで削減されました。
 そして、これらの取組は業績の向上にもつながっています。2017年から20年までの4年間は12〜13億円を行き来していた売り上げは21年には16億円に、22年には20億円を超え、利益も21年比で75%増加する見込みです。この結果について村川常務取締役は「これまでは取引先を開拓したり、取引先に新規の提案をしたりする気持ちの余裕が社員にありませんでした。リフレッシュし、時間の余裕もできたことで新たなことに挑戦しようという意欲が出てきたのではないでしょうか」と分析しています。
 順調に事業が成長していることを受け、2023年は4人の新卒社員を採用予定。24年には第3工場を建設する計画も進めています。「仕事は人生を豊かにするための手段の一つ」と村川常務取締役。これからも社員の個性を伸ばし、生活が活力あるものになるようワーク・ライフ・バランスの改善を進めていきます。

3カ月ごとに開催される全体研修。個人の特性を理 解する研修やアンガーマネジメント研修などを通じて、コミュニケーションのギャップを埋めていきます。

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