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播州調味料株式会社-作業の効率化と勤務管理で残業の少ない職場に

播州調味料株式会社

所在地 姫路市野里948
事業内容 アミノ酸調味料等の製造、販売
従業員数 94人
冊子掲載 情報誌 vol.30
公開日 2016年10月5日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

姫路市野里に社を構える調味料原料メーカー、播州調味料株式会社。作業手順書の作成などにより業務の効率を上げ、残業のほとんどない、ワーク・ライフ・バランス抜群の職場づくりを進めています。

同社は今年で創業50周年を迎え、現在社史を制作している。

作業手順書を作成し効率アップ

同社は1966年、トウモロコシや大豆など植物タンパクを原料とするアミノ酸液の製造販売会社として創業。アミノ酸液の分野では業界第2位、市場の約20%のシェアを誇る老舗企業です。

従業員数は94人、うち66人が正社員として働いています(2016年8月現在)。この20年間の離職者は3人と、働きやすい環境がうかがえる同社。その要因の一つが、残業時間が1人当たり月平均7時間という無理なく働くことができる職場環境にあります。

同社は現在、三和澱粉工業株式会社と豊田通商株式会社の傘下にあり、2011年に就任した中川善弘社長の下、トヨタが生産現場で原価低減のため導入している「TPS活動(Toyota Production System)」を取り入れ、業務の効率化を推進しています。

「かつては毎日当たり前のように残業し、月平均で50時間を超える人もいましたが、トヨタの生産方式に沿って業務を見直し、無理、むら、無駄をなくしたことで残業時間を大幅に短縮できました」と中川社長。

具体的な方策としては、生産における約300の工程でそれぞれ作業の手順を記した「作業要領書」を作成し、作業一つ一つの動作について、どれくらいの時間でどのように行うかなどを標準化しました。これらの根底に求められる作業安全・食品衛生に対する意識啓発や、営業・生産計画の精度アップも作業効率の向上につながっています。

代表取締役社長の中川さん。

残業の発生要因を分析し対策を

また、WLBの観点から、従業員の勤務時間についても細かく管理しています。
残業をする場合、従業員はその都度何のために残業するかを記入した「残業申請書」を各部門のリーダーに提出し、不要過多な残業が発生しないようにしています。リーダーはそれらを月末にまとめて月次報告を上げ、前年同月・前月と比較・分析して対策を検討、翌月の残業時間の計画を立てるという流れです。経営陣は必要に応じて助言、時には人員の補充を検討します。

さらに、担当する業務によってはフレックスタイム制度を採用。必要な時間帯に合わせた出勤形態を取ることで、無駄な時間が発生しないよう工夫しています。 

中川社長は「タイムカードだけをチェックするのが管理ではありません。なぜ残業が発生するのかをきちんと分析してその対策を講じる。作業手順書もそうですが、何事も全て具体的な数値目標を掲げて取り組むことが大切です」と話します。

今年からは一部の部署を除き、社を挙げて有給休暇も計画的に取得するように。余暇が増えた分、福利厚生にも力を入れ、社内のスポーツサークルの活動を支援するなど、従業員が仕事以外の時間を満喫できるようサポートしています。従業員の健康づくりにも熱心で、県が推進する「健康づくりチャレンジ企業」に登録し、健康に関するセミナーの開催や、熱中症予防のための機器の設置、スポーツ飲料の無料提供など、健康に対する意識向上を推奨しています。

「中小企業は給与面など大企業にかなわない部分があります。その分、働きやすい職場環境をつくり、いきいきと働いてもらえるようにと考えています」と中川社長。「TPS方式による業務の効率化と細やかな勤務体制の管理により、これからも全社員がゆとりある働き方を続けられるようまい進します」と力強く語りました。

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