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働きがいを実感できるボトムアップ型組織に転換

ハートスフードクリエーツ株式会社

所在地 神戸市東灘区御影石町4‐15‐15
事業内容 給食、外食、スイーツの製造、販売
従業員数 108人(男性10人、女性98人)
冊子掲載 令和3年度WLBな会社ガイド
公開日 2022年1月31日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

事業の急拡大に人材教育が追い付かず、多くの退職者を出したのが5年前のこと。その経験をきっかけに現場の悩みを共有できる体制づくりを行うとともに、ボトムアップ型の組織へと改めました。現在では離職率も低下し、従業員が自発的にアイデアを出す組織に変化を遂げています。

「今日の給食おいしい?」と園児に話し掛ける給食事業の従業員たち(神戸市長田区、名倉みふね幼稚園)

急成長で生じたひずみ解消へ

 主力は幼稚園、保育園向けを中心とした給食事業で、それぞれの施設に栄養士、調理師を派遣してメニューの考案や調理を行っています。保護者の園選びでは給食の有無が重要な条件となりつつあり、加えて同社の食材へのこだわりなどが評価されて、2016年には受託施設が1カ所から5カ所へ、従業員も3人から60人へと一気に増えました。
 そのため、採用した従業員に対する教育が追い付かず、一人一人へのケアもおろそかに。従業員からは不満が噴出し、多くのスタッフが職場を離れていきました。「気が付いたら私だけが先頭を走っていて、後ろに誰も付いて来ていませんでした」と西脇章社長は当時を振り返ります。このままではいけないと、ボトムアップ型の組織となるための取り
組みを始めました。

園児の前でブリの解体ショーを披露。

従業員を信じ組織の在り方を見直す

 そこで、西脇社長が全ての施設を管理するやり方をやめ、各施設の責任者の上にキャプテンを置くとともに、3、4施設を束ねるエリアマネージャーを配置。各施設の責任者が問題を抱え込まないよう、密にコミュニケーションが取れる体制を整えました。新しく入ったスタッフに対しても世代の近い先輩スタッフを付け、不安や悩みを相談できるようにしています。
 従業員同士が気軽に話し合える土壌をつくるため、レクリエーションの機会も増やしました。コロナ禍前のバスを使った慰安旅行では、数人の幹事役が車内のゲーム内容を決めて盛り上げ、年末には大感謝祭と銘打って、パート従業員の子どもも招いての食事会を開いていました。
 また、本部に管理部門を新たに設け、各施設でばらばらに行われていた管理業務を本部に集約。消耗品の発注も本部で一括して行う方法に改めました。各施設に派遣されている従業員はこまごまとした作業に追われることが少なくなり、余裕を持って仕事ができるようになりました。こうした取組の結果、離職率は20%から15%に改善されました。

野外で活動する社内サークルを立ち上げ、交流を深めています。

従業員のやりたいことを尊重

 また、従業員がやりがいを持って働けるよう、「自分がしてみたいことを実現できる組織づくり」にも着手しています。例えば、毎年行っている個人面談などの場で出てきたアイデアについて、企画から実施までを各々に委ねています。
 食育事業部エリアマネージャーの松川奏夏さんのアイデアで始まったのが食育の活動です。「食材選びの際のこだわりを子どもたちに伝えたいと思いました」と発案の理由を語ります。給食で魚のメニューが出る日から選んで実施しているブリの解体ショーもその一つ。「命をいただいているんだということを考えるきっかけにもしています」。また、ゆでた大豆をつぶすところからみそ造りに挑戦してもらい、手間と時間を掛けて食品が出来上がることも伝えています。
 同社では、淡路島にある自社農場で栽培した無農薬野菜などを食材に使っています。福岡支店エリアマネージャーの齊藤慶子さんは、そうした食材を家庭でも食べたいという保護者の声を聞いたことからネットショップの開設を思い付きました。「保護者の方たちには仕事でゆっくり買い物をする余裕がありません。その一方で、多くの人が安心して食べられる食材を求めておられます」。毎月第3土曜日には、本社前のスペースで食材を直接販売するマルシェも開催し、好評を得ています。
 西脇社長は「従業員の満足度を上げていく取組に終わりはないと思っています。減点主義ではなく加点主義で一人一人の良い所を伸ばしていけるように、そして行動したいという背中を押してあげられるようにしたい」と話し、さらにやりがいを感じられる強固な組織に育てていこうとしています。

毎月第3土曜日に開催される「はぁとす。マルシェ」も好評です。

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