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富士通周辺機株式会社 実態の調査・分析を踏まえ 階層ごとにダイバーシティを推進

富士通周辺機株式会社

所在地 加東市佐保35
事業内容 製造業
従業員数 899人
冊子掲載 平成26年度 WLBな会社ガイド-兵庫版
公開日 2015年3月11日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

長年ダイバーシティの推進に取り組んできたが、それがお題目だけになっていないか―。そのような問題意識の下に今、富士通周辺機が取り組んでいるのが階層別に意識変革、行動変革を促す研修の実施です。意識、行動が根付くように手法を年々進化させつつあり、今後は取り組みをボトムアップ型に変えて、ダイバーシティのさらなる浸透を狙います。

リーダーシップやチームワークを学ぶ女性リーダーの皆さん。

富士通グループの情報機器分野における関西の製造拠点として、スマートフォンや携帯電話、 タブレットパソコン、 パソコンのディスプレーなどの製造から修理、リサイクルまでを一貫して行う同社。富士通グループの共通理念として「個人の成長・やりがいの向上」を掲げ、「社員一人一人が互いを認め、自分ならではの付加価値を発揮し、組織に貢献する」とその具体的な行動指針を説きます。

同社では2005年以降、親会社である富士通の方針に沿ってダイバーシティの理解促進と推進に努めてきました。「ダイバーシティを推進する中で、取り組みだけで終わっていないか、実態はどうなのかというギャップが指摘されるようになりました。そこで、働く社員の本音はどうなのかを調べるため、社員アンケートを実施するところからあらためて始めてみることにしました」と事業支援統括部担当部長の大植光展さん。2011年にアンケートを行った結果、昇格年齢、業務で男女差があり、女性の半数以上が「男性優遇」との意識を持っている一方、男性の過半数が「平等」と思っている実態が明らかになり、ギャップが浮かび上がりました。

アンケートを基にギャップが生じている階層ごとの要因として、社長・役員ではそもそも「ダイバーシティの理解が薄い」、幹部社員・リーダーでは「いつ退職するか分からないし、子育て中だから責任のある業務を任せられない」、また女性社員の中にも「変化を好まず、現状を良しとしている。ロールモデルがいない」と考える人が多いことが分かりました。この分析結果から、社長・役員、幹部社員・リーダーについては意識改革が、女性社員については行動改革が必要との結論に達しました。

社長をトップに推進委員会

そこで、社長を委員長に、各部門の幹部社員と社員で構成するダイバーシティ推進委員会を設置。役員、幹部社員、女性リーダーといった階層ごとに意識改革、行動改革を促す研修を実施しています。 

中でも年2回開いている女性リーダー研修には20人が参加し、リーダーシップやチームワークなどのテーマで学んでいます。2013年からは、「学びをその場限りにせず、実際に行動につなげていくため」に一人一人がキャリアや仕事に対する具体的な目標を定め、実行に移すためのアクションプランシートを作成。それに基づいて上司と面談し、数カ月ごとに進捗を確認しています。

上司が女性リーダー社員のキャリア・仕事に対しての期待や、なぜリーダーにしたかという理由を話すことで、あらためて自覚と行動を促すきっかけとなっています。「普段のコミュニケーションでできればいいが、なかなか難しい。文字にすることでよく考えるきっかけができるし、本音も出てきます。上司にとっても成長の機会になります」と、大植さんはその意義を強調します。

女性幹部の誕生を目指して

また、全社員による研修では部署や性別を超えて、ろうあ者の社員も参加して、それぞれの境遇、考えを理解するとともに一体感を醸成し、働きがいにつなげていきます。「これまでは経営層、事業部、統括部からのトップダウンで進めてきました。これからは、身近な職場単位で意見を吸い上げ、課題を抽出して、社員たちが自ら挙げた課題を話し合ってもらうことで、より意識の底上げを図っていきたい。また、女性社員の研修には女性だけが集まるのではなく男性社員にも入ってもらい、お互いの考え方を知り、議論する場もつくっていこうと考えています」 今後の課題は、社員の意識、行動のさらなる変革。そして、「できるだけ早い時期に、女性の幹部社員、職長の登用を実現すること」を目標に掲げています。

年1回行われる社独自の全社員研修。役員との交流の場にもなっています。
女性社員のキャリアデザインのための研修。
キャリア形成や仕事も目標を明確にするアクションプランシート。

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