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3つの「ハッピー」改革で従業員の声を反映

株式会社MORESCO

所在地 神戸市中央区港島南町5-5-3
事業内容 特殊潤滑油、素材、ホットメルト接着剤などの開発・製造・販売
従業員数 377人(男性306人、女性71人)
冊子掲載 令和2年度WLBな会社ガイド
公開日 2021年2月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

MORESCOはニッチな分野において国内外に高いシェアを誇る化学品メーカー。風通しのいい社風は、自他ともに認めるところで、神戸市のポートアイランドにある本社には自由闊達な雰囲気が漂っています。3つの「ハッピー」を実現する取組も、従業員一人一人の声から生まれました。

従業員の声を受け、総務部では3つの「ハッピー」を実現する改革に取り組みました。

従業員の声から課題発見

 同社が手掛ける製品は、自動車部品の製造工程で使用されるダイカスト用離型剤、化粧品や医薬品の原材料に用いられる流動パラフィンなど、私たちの暮らしに密接に関わっており、そのいずれもが国内トップシェアを誇ります。風通しのいい社風が自慢で、従業員の声を経営に生かしてきました。
 そんな従業員の声から、いくつかの課題が浮き彫りになりました。2015年の従業員意識調査では「働きがいのある会社である」という評価が76.4%を占める一方、「有給休暇を取りやすくしてほしい」「部門間・業務間の縦割り意識の解消が必要」「子育てに優しい職場にしてほしい」などの声が上がったのです。
 また、2019年の会議についての調査では、「会議に不満を感じている」という声が80%にも上りました。個別意見は「時間が長い」「意見が出ない」「結論が出ない」「目的が不明確」など。広報室の室長、金澤智美さんも、2014年に中途入社してすぐは「会議で時間を取られることが多く、本当に必要なのかなと感じたこともあります」と打ち明けます。「でも、この会社には従業員一人一人の意見を聞くという、MORESCOらしさともいえる風土がありました」

会議の時間短縮を図る「ハッピーミーティング」。1年間で約189時間短縮できました。

有給休暇と会議の課題に着手

 従業員の声を働き方改革につなげようと、ひょうご仕事と生活センターに相談しました。対策の一つである会議についての講演会では、資料の事前準備の徹底、資料の共有の徹底、目的の共有、進行の見直し、出席者の見直しなど、数多くの課題を突き付けられたといいます。
 取り組んだのは、3つの「ハッピー」を実現する改革。まず、法的義務の安全対策会議などを除き8月の会議をなくす「ハッピー・オーガスト」と、会議の時間短縮を図る「ハッピーミーティング」です。月に1度の事務部門会議では事前に資料に目を通し、会議中は質問するか意見を述べるだけにすることを決定し会議時間が50分短縮されました。削減された時間は年間で9時間超。出席者21人分に換算すると、1年で約189時間の労働時間が削減できたことになります。改革後のアンケートでは「会議の効率化が図られ、効果があった」との回答が90%に上りました。 
 2017年から実施の「ハッピー・オーガスト」は有給休暇の取得を促進しました。総務部の部長を務める本田幹夫さんは「会議がなくなったことで8月は月の半分くらい休んでもらう体制ができました」と言います。夏季休暇に有給休暇を加え、連続休暇を取得した従業員は半数に上り、有給休暇の取得率は16年度の42%から19年度は66.3%に上昇しました。
 また、8月は会議資料作成の時間を他の業務に充てることができたほか、その会議は本当に必要かどうか、会議の在り方を見直すきっかけになったとも。

「ハッピー・オーガスト」に休暇を取り、ゴルフを楽しみました。

飲み会で新しいアイデアが生まれる

 3つ目の改革「ハッピーアワー」は部門間の交流を図り、縦割り意識をなくすための方策で、主に飲み会に年4回、1人につき3,000円を支給しています。2016年から導入され、利用率は80%近くに上るそうです。ランチ代などに充てることも可能です。「当社の赤田民生会長がいつも言うのが『遊び心』。社外で話をしてこそ、いいアイデアが生まれます。もともとみんな飲むのが好きなんですけどね」と、総務部の働き方改革担当課長、行司昌史さんは笑顔を見せます。
 今後は従業員意識調査にあった「子育てに優しい職場にしてほしい」という要望に対応する構えとか。全女性従業員への聞き取り結果を踏まえて、よりよい答えを出していきます。

女性ミーティングを行い意見を出し合います。

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