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時間を大切にする活動で従業員の満足度向上を

明昌機工株式会社

所在地 丹波市氷上町沼148
事業内容 精密機械・機器の製造・販売
従業員数 51人(男性44人、女性7人)
冊子掲載 令和2年度WLBな会社ガイド
公開日 2021年2月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

放射光、レーザー、ナノテクノロジー関連機器―。明昌機工が研究機関やメーカーのR&D(新技術開発)分野に送り出すのは、科学技術の粋を集めた精密機械です。ワーク・ライフ・バランスの取組は「時間を大切にする」活動に特化し、無駄な時間の削減や製品の採算性指標など成果の見える化を図っています。

独自開発した「時間外・有休管理システム」。タブレットからもアクセス、入力できます。

仕事の無駄時間を減らし報奨金を

「仕事においても生活においても時間を大切にすることは重要です。本年度の重点課題の一つがメリハリの効いた働き方で、従業員の満足度向上につながると考えています」と取締役管理部長の芦田基さんは話します。
 時間を大切にする取組の一つ目が「ムダ時間削減活動」です。社内規定として運用し、年度初めに、業務チームごとに仕事の無駄時間について削減時間目標を宣言します。そして年度末に、達成した削減量の妥当性を運営委員が査定し認められると、総削減時間×500円の年単位報奨金が支払われる仕組みとなっています。
 昨年度、大きな成果を上げたのが製造部3チームでした。例えば、工具類を使う順に並べる、設計者と製造者が製造機械の癖について情報共有する、リピート品(同じ受注品)の加工方法の手順を一様に見直すなどを行い、作業のスピードアップを図りました。さらに、工場の入り口掲示板に「改善新着事例」として掲示することでモチベーションが高まり、アイデアが次々と生まれたといいます。その結果、年間384時間の無駄時間を削減したと認められ、約19万円が報奨金として支給されました。

工場入り口に掲示している「改善新着事例」。情報を共有することで作業効率が上がりました。

働き方改革法に準拠しシステム開発

 二つ目が独自開発した「時間外・有休管理システム」です。3年前から開発を進め、2020年に本格運用を開始しました。従業員全員が会社支給のタブレットやパソコンからアクセスできます。ポイントは、働き方改革関連法(2019年4月から順次施行)に準拠していることです。
 「今月と今年度の残業・有給休暇の取得状況をタイムリーに知りたい」従業員、「部下の労働状態を定量的に知りたい」上司、「全社員の状況を一目で知りたい」管理部門。システムは、三者の使い勝手がいいようにつくられています。その特徴は、個人ページに、個人の今月・今年度の残業時間累計、有給休暇取得日数、毎月の残業時間がOKならブルー、NGならレッドで表示されることです。管理部門のページにも、従業員の残業時間情報が注意はイエロー、厳禁はレッドで表示されます。
 芦田部長は「働きやすさの実現に向け、会社として、働き方改革関連法とそれに改良を加えた明昌ルールは何が何でも順守するとの思いでシステムを投入しました」と語ります。

加工処理時間などの生産データをバーコードで管理することで、付加価値や採算性を分析することができます。

5Sにつながる毎朝一斉清掃の取組

 三つ目が「就業開始15分間の一斉清掃」。従業員全員で、部屋も廊下もトイレも清掃します。「毎朝15分間を大切に、心新たに一日のスタートを切るための習慣にしています」と芦田部長。職場の環境維持に必要な5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)にもつながっているといいます。
 他にも、時間を大切にする取組として、全製品を採算性の指標で吟味する「製品採算性指標」を導入しています。売上金額から原材料費、購入部品費、外注加工費の合計を引き算し、全部門の総処理時間で割ると、単位時間当たりの加工高、すなわち単位時間当たりの付加価値になります。この数値が低い製品の原因を全関係部門で分析し、改善を図っています。
 高度なテクノロジーで最先端機器・研究開発用機器を開発するオンリーワン企業。芦田部長は「技術集約型の企業を存続させるには、たゆまないチャレンジ精神と従業員一人一人の力こそが源泉。従業員満足度を一層向上させるため、ワーク・ライフ・バランスな企業へ取組を強化していきます」と話します。

「ムダ時間削減活動」では、達成した削減時間に合わせて表彰され報奨金が支払われます。(写真は2020年度創立記念日の記念撮影)

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