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株式会社栄水化学 情報共有とジョブローテーションで助け合える職場づくり

株式会社栄水化学

所在地 尼崎市築地2-6-25
事業内容 その他サービス業
従業員数 122人
冊子掲載 平成26年度 WLBな会社ガイド-兵庫版
公開日 2015年3月11日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

栄水化学が大切にしてきたのは「人と人のつながりを大切にする会社づくり」です。その思いが徐々に従業員に伝播し、「働きたいと思う人が働きやすいと思える」ための仕組み、制度が整っていきました。日々の報告書や面談を通じてのトップと従業員とのコミュニケーションづくりは、そのまま顧客との信頼関係構築にもつながっています。

人と人のつながりを大切にする会社づくりのため、仲間同士のコミュニケーションを大切にしています。

子どもの長期入院で知った心遣い

3代目の松本久晃社長が外資系企業を経て父親が営む同社に入社したのは20年前のことです。当時の事業はビル清掃業のみで、新たにハウスクリーニング事業を立ち上げた際に採用したのが現統括部長の長村和美さんでした。「まだワーク・ライフ・バランスなどという言葉がないころ。小さい子どもを抱えており、仕事をしたいと思ってもどうしても会社に迷惑をかけてしまうという後ろめたい気持ちがありました」と長村さん。不安は的中しました。入社半年後に、1歳の子どもが長期入院を余儀なくされたのです。

辞めることも考えた長村さんに、松本社長はすぐに休職を勧めました。「子どもがいればそういうこともある。縁あって入ってもらった以上、長く働いてほしいと思いました」と松本社長は理由を語ります。「入院に付き添っている時、社長に『心配せんでいい』と言われすごく気持ちが楽になりました。逆の立場になったら自分もそうしようと思いました」

この時の経験から、長村さんは、それぞれの家庭の事情などに配慮してシフトを組むなど、「働きたいと思う人が働きやすいようにということを第一に考えて調整するようにしています」と話します。

3年間で全職場を体験

「育児や介護などで環境が変わっても、公平で気兼ねなく働き続けられるような職場環境をつくりたい」。そこで徹底したのが情報共有とジョブローテーションです。新卒従業員は入社すると、まずは半年間清掃、クリーニングの現場を経験し、その後は現場にも入りつつ総務、経理、人事、営業などの部門を短期間で異動しながら3年間でひと通りの仕事を覚えていきます。

「HAPPY改善シート」。連絡や注意事項をふせんに書き、全社でサポートで きる環境にしています。

栄水化学が大切にしてきたのは「人と人のつながりを大切にする会社づくり」です。その思いが徐々に従業員に伝播し、「働きたいと思う人が働きやすいと思える」ための仕組み、制度が整っていきました。日々の報告書や面談を通じてのトップと従業員とのコミュニケーションづくりは、そのまま顧客との信頼関係構築にもつながっています。人と人のつながりを大切にする会社づくりのため、仲間同士のコミュニケーションを大切にしています。

「一つの業務に縛られず幅広く経験することは、その人にとっての成長が得られるだけでなく、『困ったときはお互いさま』の風土にもつながっています。また、それぞれの部署で日々共有を図り、特定の人しか分からないような仕事をなくしたことで、急な用事で休まなくてはならなくなった場合も安心して休めるようになりました」

全従業員が1年に1度取得を義務付けられている9日連続休暇も、こうした積み重ねによって可能になったことです。休みの調整は各部門に任されています。「長期間休もうと思えば互いの仕事を把握しておかないと円滑には回りません。あえてそういう機会を設けることで、いつ誰が休んだとしても、みなでサポートし合える土壌が醸成されているのです」

制度を整えるだけでなく、トップが率先して従業員の声に耳を傾ける機会をつくっているのも同社の特徴です。年に2回、松本社長、長村さんと従業員とで三者面談を実施し、家庭状況などをしっかり把握すると同時に、会社に届いた顧客から担当者への感謝の声もこうした機会にしっかりと伝えています。また、日々の仕事については従業員一人一人からメールで送られてくる日報に松本社長が全て目を通して確認。携帯電話などを使わない中高年の従業員にはノートを渡し、"交換日記"のようにその日にあった出来事や翌日にすべきことなどを書き込んでもらっているそうです。

顧客との信頼関係構築も

普段からの密なコミュニケーションは、顧客との信頼関係の構築にも生かされています。同社で常に心掛けているのは、顧客から寄せられたクレームはどんな小さなことでも現場で共有すること。「クレームは放っておくと大きくなってしまいます。例えば掃除中にちょっとした備品を傷つけてしまったというようなことでも、私たちは叱らないようにしています。そして私たちに責任があるということを伝える。だからこそ、『こんなこと伝えなくても』と思えるようなことまで普段から共有して、対策を打ち、改善を図ることができるのです」と松本社長は説明します。経営者と従業員、従業員同士、そして従業員と顧客、それぞれのつながりを大切に、ますます働きやすい会社へと進化を続けています。

従業員の子どもが職場訪問。働きやすい会社づくりの一つです。
社内報「エコピカ新聞」。顧客からのクレーム情報も改善のために共有してい ます。

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