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分業と職種別研修で職員の専門性を高める

株式会社エルザクライス(エルザ動物病院グループ)

所在地 姫路市下手野1-110-1
事業内容 動物病院運営
従業員数 132人(男性36人、女性96人)
冊子掲載 令和2年度WLBな会社ガイド
公開日 2021年2月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

エルザ動物病院グループは兵庫県内に6病院を抱え、獣医師35人、動物看護職48人をはじめとする130人超のチームに成長しています。スタッフのエンゲージメント(職場への愛着心、思い入れ)を向上させるため、一人一人がやりがいを持って能力を発揮でき、かつ働きやすい環境の実現に努めています。

しっかりとした分業体制を打ち出し、各職種の専門性を高めることで、多忙な獣医師や動物看護職をサポートしています。  

職種ごとに分業を目指す

 エルザ動物病院として1979年に開業し、診療件数が41年連続して増加中の日本最大級の動物病院グループは、2019年7月、各部署からメンバーを集めてワーク・ライフ・バランス(WLB)プロジェクトチームを発足しました。
 取締役経営管理本部長の長谷宜勇さんは「チームを発足させるに当たって、働きやすさはもちろん、各自が能力を発揮できる、働きがいのある環境を整えたかった」と狙いを説きます。
 まず打ち出したのが、獣医師が診療に集中できる、しっかりとした分業体制です。診療補助や病院運営に当たる動物看護職、調剤事務や検査に当たるメディカルサポート職、接遇や病院事務に当たるフロント職、全体のバックアップと経営管理に当たる企画事務職。「それぞれが責任を持って業務に当たり、専門性を高めて成長することが過剰労働になりがちな獣医師のサポートにもつながります」と経営管理本部の吉田敬さん。職種ごとに毎日業務リーダーを替えるのも、責任あるポジションを担うことで成長してほしいとの願いからです。
 また、専門性をいっそう高めるため、各専門のスペシャリストを招いてセミナーを開いたり、希望者は外部セミナーに参加したりしています。外部セミナーへの参加にかかる費用は全額補助し、交通機関や宿泊施設の手配も経営管理本部が行い、参加しやすい仕組みになっています。
 2020年7月からは業界に精通したキャリアコンサルタントを招いて、全スタッフを対象に面談を実施。吉田さんは「各スタッフが自身のキャリア形成について考え、目標を持ってスキルを磨き、業務に取り組んでもらいたい」と言います。

全スタッフ対象に、キャリアコンサルタント(手前)が面談を実施しています。

朝礼で業務改善策を発表

 働き方改革に向けては、「労働環境改善ロードマップ」を作成しています。例えば、2021年9月末には「有給休暇6日取得」「祝日代替休暇10日取得」「連続有給休暇3日」など、達成すべき項目とその目標時期が部署ごとに記されます。達成人数など状況も追記されるので、スタッフは自分たちの働き方が確認できます。WLBプロジェクトチームを発展させた「エンゲージメント向上会議」では、ロードマップ全体を見渡して改善策を考えます。
 さらにスタッフの自主性を育むため、県内6病院をつないで毎日行う朝礼で、各自がリーダーシップ発揮事例を発表。一人一人の提案によって業務が改善された結果、残業削減にもつながりました。
 提案されたアイデアは多彩です。例えば、手術を行うスタッフの手術用グローブのサイズの一覧表を作成し、サイズ確認の手間を省く。更新の多いラベルシールや付箋メモは、マーカーで書き換え可能なシートにする等。アイデアは社内の「業務品質向上委員会」に諮られ、優秀者は表彰されます。この積み重ねが時間を生み出し、何よりも院内の一体感が醸成されてきました。
 さらに、シフトパターンを見直したり、21時以降の残業理由を洗い出して改善策を検討したりと、スタッフの意見も反映させながら働きやすい職場づくりに尽力。さまざまな取組が功を奏し、フロント職などを中心に、2019年の1人当たりの月平均残業時間は対16年比で50%の削減となりました。

県内6病院をオンラインでつないで毎日朝礼。

ありがとうを伝える「サンクスカード」

 ユニークな取組に、スタッフが交わし合う「サンクスカード」があります。動物の治療やケアはできて当たり前。忙しくてなかなか褒め合う機会もない職員同士が「あの時はありがとう」と交わすカードです。ささやかですが心温まるやり取りは、仲間意識も醸成しています。
 「スタッフが心身ともに健康で、能力を最大限発揮できる環境にしたい」と長谷本部長。働きやすく、働きがいのある職場づくりを一層進めながら、認定医の育成や国家資格となる動物看護師の育成にも力を注いでいきます。

各職種ごとに業務リーダーを選出。業務の改善策を集約し改善に反映させています。

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