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やりがいを感じられる職場づくりで 元請けの仕事を着実に増やす
株式会社平野組
所在地 | 姫路市広畑区蒲田5-1715 |
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事業内容 | 総合建設業 |
従業員数 | 53人 |
冊子掲載 | 平成25年度 第5回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集 |
公開日 | 2013年11月19日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
道路補修・保全・維持管理を事業の柱とする平野組。仕事の特性上、休日や夜間の仕事も多く不規則な作業を強いられます。教育・研修の充実に加え、経営陣と社員とのコミュニケーションの機会を頻繁に設けることで、やりがいを感じられる職場づくりに努めています。取引先の信頼を集め、かつての下請けとしての受注だけでなく元請けの仕事を着実に増やしつつあります。

作業従事者を直接雇用
建設業界では、外部の協力業者に依頼して従事者を確保するケースが多々あります。仕事量の変化に対応でき、人件費も抑えられるからです。同社社長の平野勝也さんは10年前にそのやり方を改め、作業従事者を全て正社員として雇用することにしました。「道路維持・補修事業により特化していくに当たり、いつでも人材を用意できるようにし、作業従事者の質を上げていくために、直接雇用の形をとろうと考えたのです」と話します。
だが、従来の事務部門と新たに設けた現場管理・作業部門とは仕事の中身だけでなく勤務形態なども大きく異なるため、当初は社員同士の融和に苦労したといいます。
現場管理・作業部門は天候が不順な日には作業がなくなるため、その時間を車両の整備に充てるなどして仕事の山谷をなくすようにしました。毎月25日の給料日には53人の社員全員を本社に集め、給料を手渡しとすることで、社員同士が顔を合わせる機会をつくっています。その場では、平野さんが会社の状況や動向などを説明するとともに永年勤続などの表彰も行っています。

社員の誕生日にはお祝い金
全社が一体になった経営の取り組みは、先代の時代からの伝統です。例えば、社員の誕生日にはお祝い金に手紙を添えて渡しています。
ボランティア活動にも積極的です。毎月1回、夢前川の清掃活動をしているほか、地域の祭りのサポートも欠かしません。地域と協定を結び、集中豪雨時には土のうなどを提供しています。そうした場には多くの社員が参加し、社員同士がコミュニケーションを深める機会にもなっています。
また、教育・研修にも注力しています。入社時には必ず経営陣が一人ひとりに対し、経営方針を説明し、そのために服装や身だしなみ、言動も含め対外的にも恥ずかしくない態度をとってほしいということを説明。早いうちから現場監督の仕事を任せるなどして責任感を養っていきます。指導の際にはどうしても言葉がきつくなりがちですが、緩衝材の役割を引き受けるのが専務の西尾敏江さん。「皆が気持ちよく働けるようにするには声を掛けることが大切。それがやりがい、責任感を持って仕事をすることにつながっていると思います」と話します。

女性の専務がロールモデルに
尾さんは、子育てが落ち着いてからの就職先として近所にあった同社を選びました。現場作業からのたたき上げで、総務・経理畑を歩み、勤続37年になります。女性としての柔らかさ、しなやかさを持ち合わせ、現場作業従事者から厚い信頼を得ています。その手腕を見込まれ専務に抜てきされたのは5年前のこと。「その日を頑張れば達成感を感じる仕事が好きで、会社が好きです」と顔をほころばせます。
西尾さんが生き生きと働く姿は女性社員のロールモデルになり、やる気を引き出しています。かつては、結婚や出産の際には退職するのが慣例になっていましたが、「これからは、働き続けられるよう、出産、育児休業の制度の利用も促していきたいです」と平野さんは話します。
社員に実施したアンケートでは、会社で働いていることの満足度において業界の平均値を大きく上回る結果が得られました。「いったん入社した人の定着率は高いです」。そうしたモチベーションの高さは仕事の質の向上にもつながっており、元請けの仕事が着実に増えつつあるといいます。
「私の仕事は全て人が直接関わる仕事。これからも社員を育て、高いレベルの仕事に対応できるようにしていきたい」と、会社の明日を見詰めます。

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