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大幅増床をきっかけに 職員がより働きやすい環境を整備

医療法人社団正峰会 大山記念病院(旧:大山病院)

所在地 西脇市黒田庄町田高313
事業内容 医療業
従業員数 375人
冊子掲載 平成25年度 第5回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2013年11月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

2年前に110床から199床へと増床した大山病院。人口減少が急速に進む地域に立地する環境にあって、増床に伴い新たに40人の看護師を採用することは大きなハードルとなって立ちはだかりました。2010年度に、全職員が働きやすく、能力を発揮できる環境整備を目指した行動計画を策定。病院一丸となった取り組みが始まっています。

医療専門職がより患者に向き合えるよう煩雑な作業を事務職員がサポートする体制を整えました。

保育園や家族寮を整える

同病院は1993年の設立。地域の中核となる急性期病院としての機能を果たしてきましたが、2年前に回復期もカバーする病院として増床しました。人材の確保に向けてまず取り組んだのが、若い世代や子育て中の医療従事者にも目を向けてもらうための施策です。

2013年6月、病院から徒歩2分の場所に、職員だけでなく地域住民の子どもも受け入れる保育園を開設しました。夜勤や休日出勤の職員も利用できるよう24時間365日いつでも受け入れ可能とし、3階建ての建物は最大で120人の園児を預かることができます。広い園庭には畑や田んぼがあり、自然豊かな環境で園児たちは伸び伸びと遊んでいます。すぐ近くに小学校があり、6年生までの学童保育も行っています。2歳の息子を通わせている総務課の藤本久美子さんは「病院から近い場所にあるので安心して預けられます」と話します。

院内保育園では、豊かな自然環境を生かした伸び伸び育てるプログラムが充実しています。

さらに、病院から徒歩圏内に家族寮、看護師向けの独身寮のほか、コメディカル向けの独身寮も新たに設置しました。こうした環境整備を、リニューアルしたホームページなどで広くアピールしたり、九州や四国、北陸の看護系学校を訪問したりして、目標の40人を確保。2014年度には遠く鹿児島県も含め5人の新卒看護学生を初めて受け入れます。「教育研修の内容についても充実を図り、全国から人材を集められるようにしたい」と看護部長の山本陽子さんは意気込みます。

病院から徒歩圏内にある家族寮。ほかに独身寮も整備しています。

パート看護師も働きやすく

同院がある西脇市黒田庄町は人口減少が進んでおり、正看護師の確保が容易ではないため、これまでパート看護師を積極的に受け入れてきました。毎日の引き継ぎ業務や夜勤の確保などに苦労を伴いますが、15分刻みのシフト表を作成して勤務できる時間に入れるようにしているほか、引き継ぎの内容を分かりやすく伝えるためのワークシートをそろえたり、夜勤専門の看護師を雇用したりと、業務が円滑になるように工夫しています。

また、家庭の都合などで勤務時間を変更せざるを得ない人に対しては、正看護師からパートへの移行、またその逆もできるよう柔軟に対応。人事処遇も「正看護師とパートを分け隔てすることはありません」と山本さん。パート勤務となっている看護師で係長職に就いている人も活躍しています。

シームレスなチーム医療の構築

医療専門職の業務の負担を軽くし、患者に向き合える時間をつくるための取り組みも進めています。医療専門職にしかできない仕事とそうでない仕事を整理し直し、後者については事務職員が病棟に入り、サポートできるようにしました。医事課、医療連携室、診療情報管理室などに所属する事務職員が、入退院手続きの書類を作成したり、診療報酬に関する事務作業を行ったり、家族への対応を行ったりしています。

「職種間の壁を取り除くことになり、互いに支え合う風土が醸成されました。今後、在宅も含め地域全体を見て医療、介護を行う地域包括ケアが進んでいくことになり、全ての職種がチームになって医療、介護に取り組むことが求められます。職種のローテーション化を進め、いつでも誰でもサポートに入れるよう多機能化を進めていきたい」。地域医療の明日を見据えて変革に取り組みます。

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