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希望や提案に必ず回答社員の働きがいを後押し

日東物流株式会社

所在地 神戸市中央区港島4-6
事業内容 一般港湾運送事業、港湾荷役事業、通関業など
従業員数 327人(男性265人、女性62人)
冊子掲載 令和元年度WLBな会社ガイド
公開日 2020年2月27日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

世界中から入港してくる船荷の受け渡し、通関、運送業務などを管理する日東物流。元日を除く1年364日、朝8時半から翌日3時半まで荷役作業が行われる港湾運送業界の慣習の中、より働きやすい環境にするために残業時間の削減、有給休暇の取得促進などに取り組んできました。

夜通し荷役作業が行われる港湾の現場。職場環境の改善を図った結果、最近の離職率は毎年2.5%以下に収まっています。

社員の意見は年間200~300件

 残業時間の削減、有給休暇の取得促進を図るため、業界他社に先駆けて、さまざまな施策を実施してきた同社。2008年には、誰が休んでもそれを補えるように多能工化の取組をスタートしました。それまで、社員は一つの事業部内で3年ごとに異動、上司が欲しい人材を選べるようにしていた方法を改め、10年で3部署をめどに、倉庫、管理、ターミナル、中国ビジネスなどの事業部をまたいで異動するジョブローテーションをルール化しました。
 これに併せて導入したのが自己申告制度です。社員本人が異動時の希望職場や勤務地を伝えられるようにし、自由回答欄に会社への提案や希望も書き込めるようにしました。内容は直属の上司が目を通せない仕組みにすることで、本人の率直な思いを伝えられるように工夫しています。
 年1回社員の思いを受け止める機会として始まった同制度。2017年以降は、同制度を通じて挙がってきた社員の意見一つ一つに、社長、人事担当責任者ら4人の誰かが回答を考え、4人で内容を確認し合った上で本人に返します。社長自らが回答することも多いそうです。当初は年間数十件だった意見の数は、今では200~300件にまで増えたといいます。
 また、東日本大震災発生時に省エネのアイデアを募ったのを契機に、1年を通していつでも自由にアイデアが出せる緊急提案制度も用意しています。

挙がってきた社員の意見は、社長や人事担当責任者が回答を考え必ずフィードバック。

転勤なしでも管理職の道を開く

 自己申告制度や緊急提案制度で出される意見やアイデアは、業務に関わることだけでなく、働き方の見直しやモチベーションの向上につながるものも多く、その中からいくつかが実施されました。その一つが、「ワーキングウーマン研修」です。ある女性社員から「キャリアの形成や子育てなどについて率直に思いや情報を共有し合える場が欲しい」という声を受け、2017年から行われています。
 また、転居を伴う転勤があり幹部への道が開かれる「総合職」と、それ以外の「担当職(一般職)」という従来の職種区分に加えて、2019年春から、転勤はないが幹部職への道が開かれる「地域総合職」が新たに設けられました。これも社員からの意見を受けて新設されたものです。希望の職種区分は、新入社員のほか在職中の社員も出すことができ、すでに4人が地域総合職に就いています。
 さらに、「自分が働いている姿を子どもに見てもらいたい」との意見をもとに、「ファミリーデー」を実施。小学4~6年生の子どもを持つ社員の家族を本社に招待し、職場での働きぶりを見てもらうほか、港湾で使われている乗り物の試乗体験も人気を呼んでいます。社員からは「家で子どもと仕事のことについて会話する機会が増えた」と喜びの声が挙がっています。

ファミリーデーに参加した子どもたち。

多彩な行事で社員同士が交流

 こうした意見が出やすいのは、社員同士のコミュニケーションが活発な風土があるからだといえます。2019年で41回目を迎える神戸港カッターレースには、社員で構成するチームが第1回から毎年参加。当日は多くの社員、役員が会場に駆け付け、応援で盛り上がります。また、毎年秋に神戸市内のホテル宴会場を借り切って開く「日東フェスタ」も多くの社員と家族でにぎわっています。
 取組の成果は数字面でもしっかりと表れています。最近5 年間の離職率は2 . 5%以下をキープしており、15年間で出産した女性社員の復帰率は100%。採用面でも志望者の増加につながっています。

恒例の日東フェスタでは家族も一緒に楽しみます。

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