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困り事に耳を傾け幸せに働ける会社へ

小泉製麻株式会社

所在地 神戸市灘区新在家南町1‐2‐1
事業内容 業務用液体容器、各種繊維資材の製造・販売
従業員数 148人(男性98人、女性50人)
冊子掲載 令和元年度WLBな会社ガイド
公開日 2020年2月27日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

小泉製麻では、社員の思いが会社に届く組織風土、働き方の質を高める業務改善、社員の暮らしを助ける社内制度の3つのアプローチで、「社員が幸せに働ける会社」を目指しています。そして一人一人の困り事にもしっかりと耳を傾け、社員の意思を尊重した働き方を実現しています。

「業務改善プロジェクト」を立ち上げ、事務部門の業務効率化を妨げる要因を洗い出しました。

社長が社員の近況を一番把握

 「かけがえのない企業をめざして」を経営理念に掲げる同社。「社員が幸せに働けないようでは、会社は成長しない」との考えから、売り手良し、買い手良し、世間良しの〝三方良し〟に、自分良しを加えた〝四方良し〟こそが欠かせないとして、社員の幸せ向上のための取組を進めています。
 その柱となるのが、社員の思いが会社に届く組織風土、働き方の質を高める業務改善、社員の暮らしを助ける社内制度の3つのアプローチです。
 まず、社員の思いを吸い上げるため、5年前に就任した小泉康史社長自らが積極的に社員とのコミュニケーションを図ってきました。社長室は設けず、事務所の広いフロアの一角に社長の席はあります。
 また就任以来、毎年4~5回、4人ほどの社員を集めて「社長座談会」を続けています。出席する社員には、あらかじめ社長に聞きたいことをヒアリング。普段気になっていることについて、じっくりと社長の口から聞くだけでなく、悩み事などを相談する場にもなっています。社内では「他の誰よりも社員の近況を把握する社長」と言われているそうです。
 さらに、自己申告制度を設け、社員の声を拾っています。こうした取組の結果、社員が率直な思いを上司や会社にぶつけることができる雰囲気が醸成されています。

小泉社長は積極的に社員とのコミュニケーションを図っています。

17時以降は留守番電話対応で

 社員から挙がってきた声は、会社として真摯に受け止め、解決に向けて取り組んできました。
 2017年には、事務部門の業務効率化を妨げる要因を洗い出す「業務改善プロジェクト」を立ち上げました。これにより、さまざまな課題が明らかに。例えば、女性社員で構成される営業アシスタントチームでは、「夕方以降に掛かってくる電話への対応のために定時退社できないことがある」という悩みを抱えていることが分かりました。
 そこで、対外的な営業時間を17時までに短縮。それ以降の時間帯は留守番電話対応とし、緊急時には営業担当が直接対応するようにしました。この取組はあらかじめ取引先にも周知し、協力を求めました。現在は、17時以降は打ち合わせや各自の業務に集中でき、仕事をためることなく帰れるようになっています。

女性社員の研修。女性の目線で業務改善の方策を考えます。

社員に合わせルールを見直し

 育児休業や遠隔勤務など、一人一人の事情に合わせて社内の規程やルールを見直しています。
 ある女性社員から「養育里親として2歳になる里子を迎え入れたい」という話がありました。その中で、養育里親になるには数日から数カ月の慣らし養育を複数回にわたって行う必要があり、仕事を休まなければならないことが分かりました。育児・介護休業法では「養子縁組した里親に委託される子」は育休の適用範囲としており、今回は養子縁組は結んでいないケースでしたが、社内規定に新たに「(養子縁組を前提にしない)養育里親に委託される子」を加え、制度を利用できるようにしました。
 一方、開発部門の男性社員から「子どもを育てる環境を大切にしたいので、北海道に移住したい」との希望が出されました。同社は「どんな形であれ、これからもぜひ働き続けてほしい」という意思を伝え、本人と会社双方にとって納得のいく働き方を話し合いました。その結果、契約内容を見直すことに。現在は神戸本社、東京支店を定期的に訪問して部下を指揮するとともに、北海道エリアを担当してもらっています。
 「問題を解決するための方法を一つ一つ考え、実行に移していくことで、もっともっと良い会社になると思います」と、総務・人材開発室人材開発チームの辻本貴之さん。目指す〝四方良し〟に向けて、着実に変わりつつあります。

現在育休中の営業社員。復帰後は時短勤務も可能です。

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