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働き方改め多様性も重視20年後の世界企業目指す

伊福精密株式会社

所在地 神戸市西区伊川谷町潤和字西ノ口750‐6
事業内容 金属部品の精密加工
従業員数 50人(男性35人、女性15人)
冊子掲載 令和元年度WLBな会社ガイド
公開日 2020年2月27日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

中小の製造業は有給休暇が取りづらく、残業が多いのが実態です。伊福精密ではそうした現状を改めようと、まず20年後の会社のあるべき姿を掲げ、「製造業のイメージを脱却し、男性主体ではなく男女が共に輝ける企業」を目指すことに。シフト制導入などにより働きやすい環境を実現しつつあります。

女性の数は5年前の1人から、現在は製造現場を中心に社員5人、パート従業員10人に増えています。

社外の協力も得て夜勤をなくす

 金属部品の精密加工を手掛ける伊福精密。5年ほど前までは隔週の週休2日制で、長時間労働も常態化していました。「ワーク・ライフ・バランスという言葉さえ知らないほど取組が遅れていました」と総務部の伊福照恵さんは振り返ります。
 社員の満足度向上のためにまず取り組んだのが、勤務体制の見直しです。それまで日勤(8時半~17時)と夜勤(20時~4時半)の2交代制だった勤務体制を、夜勤をなくし、1勤(7時~16時、水・日曜休)、2勤(8時半~17時半、木・日曜休)、3勤(11時~20時、土・日曜休)を3週間ごとに回していくシフト制に改め、完全週休2日制を実現しました。
 ある取引先とは材料の支給と完成品の引き渡しを夜間に有人で行っていましたが、事情を説明すると「そういう取組ならぜひ進めてください」と快諾を得られ、無人化が実現しました。以来、材料や完成品のやり取りは、無人で行っています。

本社工場はオレンジと黒のスタイリッシュな外観。

多能工化を進め女性を採用

 時間差シフト制は、「のんびりできる平日の休みが新たにでき、体が楽になった」と社員からも好評です。一方で、休日を設けた水曜と木曜はどうしても社員が手薄になってしまいます。そこで推し進めているのが多能工化。現在は、マシニングセンター、NC旋盤、CADといった工作や設計の機械の種類ごとにチーム分けがされていますが、誰もが全ての機械を扱えるようにするため、製造現場の全社員向けに社内講習を実施しています。誰かが欠けても他のメンバーが補えることが目標です。
 併せて、女性従業員の採用にも力を入れてきました。「これまでは、製造現場は男性職場という思い込みがあったのですが、考えてみれば当社で扱うのは手のひらに載るサイズの製品ばかり。ものづくりに興味さえあれば男女の区別なく働ける現場だと気付きました」と伊福さんは話します。
 5年前には事務職1人だけだった女性の数は、現在製造現場を中心に社員5人、パート従業員10人にまで増えました。現場では、短時間の勤務でも可能な業務をパート従業員に委ねています。その結果、生産効率が上がり、残業時間の減少にもつながっています。

夏祭りには家族も参加。本社工場の敷地内で行います。

多様性を尊重し世界企業へ

 2016年に向こう20年間の長期計画を策定し、「国内・国外・3Dを事業の3本柱とし、世界で戦える組織」を目標に掲げました。その一環として2年前に完成した本社工場は、オレンジと黒のスタイリッシュな外観で、内部には多くの工作機械が整然と並んでいます。室内の温度は年間を通して22度に保たれ、製品の精度を確保しています。
 同工場の環境整備は、おのずと職場環境の改善にもつながっています。完成と同時に始まったクリーンアップ活動では、社員が自主的に花壇の整備や社内美化に取り組んでいます。
 また、以前から実施してきた家族を呼んでの新年会、夏祭りも本社工場の敷地内で行うようになりました。「子どもたちに、この会社で働きたいと思ってもらえれば」と伊福さんは思いを込めます。
 同社では外国人も多数働いています。ベトナム人、中国人に加え、オーストラリア人、ブラジル人。来年にはベルギー人も加わる予定です。「労働に対する考え方一つ取っても、外国人は日本人と違って柔軟です。何より仕事への向き合い方が素晴らしく、日本人社員たちの刺激になっています」と伊福さん。多様性を取り入れながら、世界企業へと躍進しようとしています。

活躍する外国人社員。

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