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院長自らリーダーシップを発揮 個別対応で職員の思いに応える

医療法人明倫会 宮地病院

所在地 神戸市東灘区本山中町4-1-8
事業内容 医療業
従業員数 221人(男性48人、女性173人)※2010年9月現在
冊子掲載 平成22年度 第2回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2010年11月17日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

宮地病院は、阪神・淡路大震災で病院が全壊する被害に見舞われました。1997(平成9)年春に再建し、全面的に診療を再開後は、感謝の気持ちを込めて地域のコミュニティーづくりや職員の働きやすい環境づくりに尽力してきました。各種制度は定められているものの、宮地千尋院長自らリーダーシップを発揮し、職員との面談を基に個々の事情に配慮した運用をしています。

看護助手の東久代さん(左から2人目)は、定年後希望して継続勤務に。期限は特になく、本人の意思に任せられています。

地域住民に開放するイベントも

開かれた地域の中核病院を目指す同院では毎年、地域との交流行事「みやじフェスタ」を開いています。お笑いイベントのほか健康チェックなどのプログラムもあり、地域の人が心待ちにするイベントに育っています。

きっかけは1995(平成7)年1月に発生した阪神・淡路大震災。病院が全壊し、職員は全員解雇を余儀なくされました。存続の危機に立たされましたが、「多くの地域住民の皆さんからの『ぜひ再建してほしい』との声に後押しされ、再開を決意しました」と宮地院長は当時を振り返ります。

97(同9)年4月に新病院で全面的に診療が再開され、他院で働いていた職員たちも戻ってきました。「地域の人に恩返しをするとともに、より働きやすい職場をつくらなければとの思いを強くしました」

ニーズに応えて認可外保育所を開設

特に近年は、医師や看護師の不足などライセンスを持った職種の人材確保に苦労していることから、矢継ぎ早に諸制度の充実を図ってきました。子どもが3歳になるまでの育児休業制度や、小学校を卒業するまでの短時間勤務制度などもその一例です。「法律上で、職場復帰半年後から申請・消化できる有給休暇についても、前倒しで取れるよう配慮しています」

2006(平成18)年12月には、病院隣接地に職員も利用できる認可外保育所「キッズクラブもとやま」を開設しました。震災後、東灘区には特に若いファミリー世帯の流入が増え、近隣の保育施設への入所が難しくなってきたことから、地域への貢献のために認可外保育施設として開設。併せて職員の保育ニーズにも応えられるようにしました。また、子どもの看護休暇については年間10日まで認め、休んでも給与の20%を保障することで、気兼ねなく制度が利用できるよう配慮しています。

院内保育所で元気に飛び跳ねる子どもたち。英語を取り入れたプログラムも。

一人一人と面談し思いをくみ取る

制度にとらわれず、柔軟な運用を心掛けているのも同院の特徴です。一人一人の思いをくみ上げるため、宮地院長自ら毎年全職員と面談しています。「職員それぞれに生活の事情があります。しゃくし定規に対応するのではなく、それぞれの気持ちをしっかり理解して思いに応えられるようにしてあげることが大切です」

また、再雇用制度や、職場復帰支援のための教育プログラムを策定し、「一人一人が性別に関わりなく活躍でき、多様な能力を十分に発揮できるようにするため、働きやすい環境整備を図っています」と宮地院長は話します。

例えば、定年後の再雇用制度については、退職年齢の上限を設けていません。現在も70歳代の医師が現場で活躍しています。グループでは、介護施設の運営も手掛けており、「高齢になれば、病院よりも体の負担が少ない介護施設へ異動できるようにしています」。また、短時間勤務制度の利用についても、子どもの受験時期を控えた男性医師が、「しばらく子どものそばにいて励ませる環境をつくりたい」と取得した例もあるそうです。

福利厚生サービスでは外部企業と提携し、月額315円の会費で、ベビーシッターや趣味、学習など広範囲で割引制度が利用できるいわゆるカフェテリア方式で、勤務以外の時間が豊かになるよう後押しもしています。そこには、「人を大切にする組織風土を守っていきたい」という宮地院長の明確な意思があります。

職員の家族を病院に招く「職場参観」で、働く父母らの頑張りを体験。
福利厚生の一環として誕生した野球部。職場の絆がより強固に。

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