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生活を大切にすることがいい仕事につながる

株式会社アイ・キューブ

所在地 芦屋市打出小槌町8-15-2F
事業内容 マーケティングリサーチ
従業員数 11人
冊子掲載 仕事と生活のバランス vol.41
公開日 2019年2月25日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

企業の依頼を受けて市場のニーズを調べ、商品開発の提案を行う、芦屋市の株式会社アイ・キューブ。ヒット商品を生み出すにはユーザーとなる主婦の視点が欠かせないことから、女性社員が生活を大切にしながら力を発揮できる職場づくりを進めています。

クライアント向けに最新のトレンドを紹介する情報誌の打ち合わせ風景

生活者の視点でニーズを発掘

 社を立ち上げた代表取締役の広野郁子さんは、かつて大手情報出版会社に勤めていました。出産を機に専業主婦になったものの「やっぱり社会とつながりたい」と大手メーカーに再就職。さまざまな商品の開発に携わる中、「企業は優れた技術を持っているのに、生活の現場が見えていないため生かせていない」と感じ、生活者としての視点を持つ主婦に着目。働きたくても働く場所がない子育て中の女性たちに職を提供できればとの思いも込めて2001年、起業します。「企業人と主婦、両方の経験があるからこそ見えてくることがあります。隠れた消費者のニーズを発掘し、企業に届けようと考えました」と広野さんは振り返ります。
 当初は、多様なモニターの声を集められるネットワークを持つ5人の主婦に、調査業務を委託する形でスタート。現在は、11人の社員が約250人の女性モニターからウェブアンケートやグループインタビューを通じて聞き出したリアルな声を基に、商品開発のヒントを見つけ、企業に提案しています。時には、商品のデザインも含めて請け負うこともあり、掃除機や炊飯器など、さまざまな商品の誕生に携わってきました。
 「情報も人も、量よりも質が大切」と考える広野さん。社員一人一人の成長のため、セミナーや研修などにも積極的に参加するよう促しています。「私自身もお金より経験の方が大切だったと感じているので、社員にもできるだけ多様な経験をしてもらえたら」と語ります。
社長秘書兼広報担当の石嶋晶子さんも広報の仕事は未
経験でしたが、会議で「広報の仕事をやってみたい」と発言
したことで学ぶ機会が与えられたといいます。「個人の思い
を尊重してすぐに実現してくださり、ありがたかったです」と
笑顔で話す石嶋さん。昨年から毎月2回発行している社内
報では、社長はもちろん全社員の仕事に対する思いやプラ
イベートを紹介、チームワークを高めるツールとして役立っています。

多様な働き方と休暇で私生活も充実

子育て中の社員が多い同社では、フレックスタイム制や短時間勤務、在宅勤務など多様な勤務体系があります。しかし、これらの制度を運用する中で、課題も見えてきました。例えば、朝から直行で出社が遅い企画職と子どものお迎えで早く退社する内勤スタッフが同じプロジェクトを進める場合、引き継ぎがスムーズにいかず、内勤者が勤務時間内に仕事を終えられなかったことも。「顧客管理ツールを使って情報を共有したり、しっかりとコミュニケーションを取ったりすることで、皆が無理なく働けるようにしなくては」と改善を進めています。
 一方、休暇制度も充実しています。子どもの学校行事に参加する際には半年に1回「スクールイベント休暇」が取得できるほか、美術展の鑑賞や流行スポットの下見など仕事に役立つことであれば年2回まで、1回につき5,000円の補助金の支給とともに「自分磨き休暇」を取ることができます。さらに、5年ごとに5日間、5万円の補助金とともに支給される「55(ゴーゴー)休暇」、誕生日の「バースデー休暇」など多彩なラインアップ。「暮らしの中に隠された生活者の望みを見つけ出し、形にして伝えることが仕事なので、プライベートと切り離して考えることはできません。休暇をうまく活用して見聞を広めることで、仕事の質を上げ、業績につなげられたら」。企業人と生活者、双方の視点を大切に、さらなるヒット商
品を目指して挑戦は続きます。

代表取締役社長の広野さん( 右)と社長秘書兼広報担当の石嶋さん

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