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疲弊しない現場を目指し患者と向き合う医療を実現

医療法人社団向原クリニック

所在地 神戸市西区大津和1‐7‐8
事業内容 在宅医療
従業員数 20人(男性7人、女性13人)
冊子掲載 平成30年度版WLBな会社ガイド
公開日 2019年2月13日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

専門家が連携して患者や要介護者を地域で治療・介護し、みとる地域包括医療の時代を迎え、在宅医療へのニーズが高まっています。24時間365日の対応が求められる中、向原クリニックでは、専門職が業務に専念できる体制を整え、働く人にも、患者にも理想的な在宅医療の実現に努めています。

(左から)秘書、医師、運転手、看護師の4人のチームで患者宅を訪問します。

「三方よし」を理念に掲げる

 院長の向原進一さんは、かつて勤務医として働いていた時に在宅医療の必要性を痛感。在宅医療クリニックで経験を積んだ後、2010年に神戸市西区では初の在宅医療専門クリニックを開業しました。
 看護師1人と事務職2人の計4人でスタート。開院後間もなくは、1人で車を運転して患者宅を訪問することもありました。「医師や看護師がそれぞれの業務に専念できる体制を整えること、人を増やしてお互いが休みを取りながら働けるようにすることをずっと考えていました」と振り返ります。
 というのも、向原さんはこれまで医療機関の現場を経験する中で、「トップが、患者さんのためにと唱えても、結局現場が疲弊してスタッフが辞めてしまう。その結果、医療が行き届かなくなり、患者さんに迷惑が掛かる」というケースを目の当たりにしてきました。そこで、開院する際には、「患者よし、医療者よし、地域よしの『三方よし』」を理念に掲げようと思っていたそうです。
 約1年後、運転手と秘書を採用し、看護師も増員。同クリニックの場合、看護師はケアマネジャーやヘルパー、ソーシャルワーカーなど他の専門職と連携するための連絡調整も担います。秘書は診療の際、医師の横でカルテに入力する作業を担当します。こうした専門職を複数人体制にすることで、おのおのの負担やリスクを軽減し、同時に休みを取っても業務が回っていく体制を築いていきました。

秘書にカルテの入力を担当してもらうことで医師は患者と向き合う時間が増えます。

残業を管理しきめ細かく対応

 2年前、患者数が120人に達したところで2人目の医師を採用。この2年間で患者数は一気に180人にまで増加し、常勤職員の数は6人から11人に増えました。
 患者数の増加とともに作業負担が増えたため、全職員の毎月の残業時間を表にして管理することに。20時間超、30時間超、40時間超に分け、異なる色を使って表示。全員の残業の状況を容易に把握できるようにしました。「同じ職種の全ての人の残業が増えてきたら、その職種の人員を増員し、その中でも特定の個人の残業時間が増えているようであれば業務分担の見直しを図ります」
 残業時間は月20時間を目標に置いているとのこと。「診療から戻った後に行わなければいけない業務も多いので、残業ゼロを目標にしてしまうと無理が生じるのです」と向原さん。
 きめ細かい対応の結果、残業が減り、一方で年次有給休暇は87%と高い取得率を達成。法令で定められた休暇以外に、自由に取得できる年2日のフレックス休暇についても100%の取得率となっています。

事務の津江聖子さんは2度の出産・育児休業から復職して生き生きと働いています。

初期からの在籍者が活躍し復職者も

 以前は各職種から代表者が集まって定例会議を開いていましたが、全職員で思いと情報を共有するため全員参加型に変えました。「それぞれ自分がクリニックの運営に関わっているんだという意識が強くなり、モチベーションも高まっています」と事務長の奥田敏博さん。
 定例会議は職員からのさまざまな要望をくみ取る機会にもなっています。職員間で意見が分かれる要望については、本音が出せるよう無記名投票とし、特定の人の意見が通りやすいということがないよう配慮しています。
 現在、同クリニックには、在籍7年が1人、6年が2人と初期から働き続けている職員がいます。また、5 年前に出産・育児を機に退職した職員から復職希望があり、受け入れました。「今後も職員が生き生きと働ける体制をさらに整えていきたい」と向原さんは話しています。

全職員が集まっての定例会議で情報を共有します。

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