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従業員の気持ちに応え働き続けたい会社へ

フルヤ工業株式会社

所在地 篠山市大沢新110
事業内容 プラスチック製品の開発および製造
従業員数 147人(男性69人、女性78人)
冊子掲載 平成30年度版WLBな会社ガイド
公開日 2019年2月7日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

今年で創業101年。ボタン製造から始まりプラスチック製品の開発および製造へと事業を広げた今も、地域の人からは「フルヤさん」と親しみを込めて呼ばれています。さらなる事業の成長に向け課題となっているのが人材の確保です。改善提案の積み重ねなどにより、働き続けたいと思える環境の整備に力を入れています。

事業所内保育施設「サボテンハウス」。現在15人の子どもが通っています。

いかに働き続けてもらうかがテーマ

 147人の従業員の居住地は約7割が篠山市内で、残りは丹波市、三田市などから通勤しています。毎年の創立記念日には、創業当時に創業者が自宅に従業員を集め開催した「すき焼きパーティー」の流れをくみ、丹波篠山産の清酒と牛肉を配るのが恒例となっています。2017年は、創業100周年を記念してタイへの社員旅行を実施。会社が全額負担するなど、従業員を大切にする気風が根付いています。
 軟らかい樹脂の成形加工を主力に、硬い樹脂などと組み合わせる一体成形を得意とする同社。2019年には本社工場敷地内に精密金型を造る新工場が完成する予定で、業績は拡大基調にあります。
 ただ、地方に拠点を置く企業の例に漏れず、人材の確保には苦労してきました。このため2003年からはベトナム人実習生を継続して採用しており、現在は全従業員の2割強を占める30人にまで増えています。
 「新しい人材に加わってもらうことはもちろんですが、今いる従業員にいかに働き続けてもらうかが重要なテーマになっています」と取締役管理本部長の井谷敏嗣さんは話します。
 そのための取組の一つが職場環境改善提案です。従業員は毎年2回の自己申告書提出時に、併せて改善提案を出します。トイレの換気扇や電子レンジの設置など、出された要望や改善案はできるだけ早く実行してきました。
 そして2017年は創業100年の節目ということもあり、降矢寿民社長肝いりのプロジェクトとして社員食堂のリニューアルに踏み切りました。モダンな空間に大人数・少人数用のテーブル席やカウンター席などが配置されています。ランチは1食200円でカロリーなどにも配慮した3種類のメニューから選ぶことができます。毎日約80人が利用しており、従業員のコミュニケーションを促す場にもなっています。

リニューアルされたカフェテリア風の社員食堂。利用率がアップしました。

女性従業員の活躍を支援

 2015年には、女性従業員の仕事と育児の両立を図る狙いで事業所内保育施設「サボテンハウス」を開設。現在10人が利用しています。従業員の半数以上を占める女性の定着につながっているほか、小さな子どもを持つ女性を8人採用することができました。
 また、新入社員の採用が難しいため、約50人いるパートタイマーからの正社員登用を考え意識調査を実施したところ、2人が正社員になりたいと手を挙げました。そのうちの1人は「子どもが小さく、生活を安定させるためにも社員になって頑張りたいです。検査で不良を検出するのには限界があり、検査の前工程から管理をしていきたい」と思いをつづっており、仕事に対する向上心もうかがえました。1人が2017年5月に、もう1人も2018年3月に正社員となりました。

パートタイマーから希望で正社員に登用された検査部門の2人の女性。意識調査の結果が生かされています。

女性管理職の育成が今後の課題

 残業の削減や有給休暇の取得促進にも取り組んでいます。2017年4月からは毎週月曜日をノー残業デーとしたほか、同年8月からは、向こう1カ月の有給休暇を2日分あらかじめ申請した上で取得する計画有休を取り入れています。
 2018年8月には総務部内に「WLB推進室・介護相談窓口」を設置。社員の健康管理にも力を注いでおり、毎朝ラジオ体操を実施。健診の受診率は100%を継続しています。
 今後の課題について、井谷さんは女性管理職の育成を真っ先に挙げます。以前に2人の女性社員を主任に登用したそうですが、諸事情でいずれも退職してしまったとのこと。「今後は課長、部長を目指せる人を育てていきたい」と話し、よりやりがいを持って働ける環境整備にこれからも取り組んでいきます。

毎年行われる全従業員を対象とした社員旅行。納涼祭、かにツアーなども開催しています。

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