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従業員が互いの意思を尊重し合い 男性従業員も育児休業取得

株式会社フェリシモ

所在地 神戸市中央区浪花町59
事業内容 ダイレクトマーケティング業
従業員数 連結従業員数1,055人、社員数371人(男性157人、女性214人)
冊子掲載 平成23年度 第3回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2011年11月16日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

さまざまな社会貢献活動に取り組んでいることでも知られる通信販売の大手、フェリシモは30年以上前から1カ月休暇の制度を設けています。家族のため、趣味のため、と時間の使い道は自由。休暇を取る従業員も、それを受け入れる部署も、取得が当たり前という風土が根付いています。改正育児休業制度導入後には対象者である男性従業員がいち早く取得しました。

「パパママ育児休暇制度」を利用した商品企画 ・ 媒体制作担当の山根さん。約1カ月のフルタイム育児で発想力が高まったそうです。

育休取得で価値観が変わる

2010(平成22)年6月30日に施行された改正育児休業法。男性従業員の育児休業取得を促そうと、配偶者が専業主婦や育児休業中でも取得できるようにしたほか、出生後8週間以内に育児休業を取得した場合、2回目の育児休業が取得できるなどの内容が盛り込まれました。

法改正に対応しフェリシモが導入した「パパママ育児休暇制度」を早速利用したのが商品企画・媒体制作担当の山根雄作さん。妻への育児負担を気にかけ、制度を知ってすぐに申請しました。8月末から1カ月の育児休業期間中、ご飯やミルクの準備から洗濯、掃除をはじめとする家事まで率先して行い「おっぱいをあげる以外は全て母親の代わりを自分もできる」と感じたそうです。

山根さんは自他共に認める仕事人間でした。育児休業を取得するまでは、「家に帰る時間が遅くなっても仕事だから仕方がない」と思い込んでいたそうです。しかし、育児休業を経験して「自分の生き方が仕事に偏りすぎていることに気づいた」と言います。復帰後は、繁忙期でない限りできるだけ9時から18時勤務を通しています。それを続けられるのも、「家に帰ってご飯を作って気持ちを切り替えてから仕事に臨んだ方がストレスがなくなり、結果的に仕事の効率が上がることが分かった」からだそうです。「おのずと仕事のスピードも倍速、4倍速で、集中して向かえるようになりました」。山根さんのそんな姿を見て、同僚の男性従業員からは、「自分も子どもができたら育児休業を取ります」と声を掛けられるそうです。

1カ月休暇が業務効率化にも

同社が30年以上前から導入している1カ月休暇制度も、社風にいい影響を与えているようです。1カ月休暇制度は、同社が毎月各界からゲストを呼んで話をしてもらう勉強会「神戸学校」(土曜日午後に開催)に参加した場合、午前中の勤務時間を積み立てることができ、21日(126時間)分たまれば、有給休暇等と組み合わせて最大1カ月の休暇が取れる制度です。取得者には報奨金も出ます。

早ければ3年で取得でき、これまでの利用者は矢崎和彦社長を含め延べ100人に達しています。休暇の使い道はさまざま。広報係長の市川美幸さんは、もともと画廊経営への興味が強く、好きな画家の絵を借りて画廊で個展を運営したとのこと。休暇取得者は、休みに入る前に仕事の引き継ぎシートに自分の担当業務を書き込み、休暇中にそれぞれの業務をサポートしてもらう従業員の印鑑をもらいます。「休暇を取り終えて仕事がたまっているかなと思ったら、そのまま引き受けてくれたり、この仕事はこうすればもっと効率が上がるよねとアドバイスをもらったり、仕事が楽になりました」と市川さん。こうした雰囲気は、お互いがお互いの意思を尊重する「ともにしあわせになるしあわせ」という中核価値が従業員に浸透しているからだといいます。今年3月11日に発生した東日本大震災の影響で生じた夏場の電力供給逼迫に向けた取り組みでは、従業員にノー残業の徹底を呼び掛ける中で、映画好きな従業員が多いことを踏まえ、近隣の映画館と提携して割引料金で映画を見られるようにしました。福利厚生を組み合わせた残業時間削減の試みは、従業員にも好評のようです。

子どもたちが親の仕事ぶりを見学する子ども参観日。
休暇などを社会貢献活動に充てる従業員もいます(被災地にて)。
文章化・明確化することで仕事の引き継ぎをスムーズに。長期休暇も安心してとれます。

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