• 文字
  • 中
  • 大

HOME > 事例紹介 > 株式会社姫路シティFM21

事例紹介一覧へ戻る

多様な人材でバランスを取り非常時にも備えた体制を

株式会社姫路シティFM21

所在地 姫路市本町68 イーグレひめじB2F
事業内容 放送業
従業員数 23人
冊子掲載 仕事と生活のバランスvol.38
公開日 2018年7月9日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

姫路城下のスタジオから日々多彩な情報を発信する株式会社姫路シティFM21「FMゲンキ」。地域に根差したコミュニティFMラジオ局として災害などの非常時に備えるとともに、あらゆる人材が活躍できる職場づくりを進めています。

番組の打ち合わせ風景。新聞を見ながら、タイムリーな話題を探す

非常時にも対応できる人員体制を

同社は姫路・西播磨地域の住民のための放送局として2001年、姫路市や地元企業などの出資により開局しました。当初はフルタイム勤務者が3人おり、各番組とも一人ずつ担当していましたが、退職者が出たことから深刻な人員不足に。「放送という特殊な業務のため、人材の確保には苦労しました」と放送局長の鯉塚晃好さんは話します。
フルタイムの少人数体制では、急に誰かが欠けた場合にカバーするのが難しいことを痛感し、2010年ごろからパートタイム従業員を多く採用することにより、1つの番組を複数人で担当する体制に切り替えました。
「災害時や警報発表時などの非常時には緊急放送をしなくてはならないので、常にそれに対応できるような人員体制を考えています」と鯉塚さん。
パート従業員の採用により、週に1回、数時間程度の勤務も可能となり、小さな子どもがいる女性でも働けるようになりました。2011年に入社した杉山ひろこさんもその一人です。初年度は週1回の勤務でしたが、子どもの成長に合わせて徐々に勤務時間を増やしていきました。
「子育て中のスタッフが他にも何人かいるので、子どもが体調を崩したときにはピンチヒッターをお願いするなど、互いに助け合ってきました」と振り返る杉山さん。夏休みなど学校の長期休暇中は、子連れ出勤も可能で、「子どもが小さい頃は、よく会社に連れて来て、番組の収録中は他のスタッフに子どもを見てもらうなどしていました」と笑顔で話します。
このほか、出社できない事情がある場合は、一時的に在宅勤務に切り替えることもできます。「育休直後で仕事と育児の両立が大変な時期に、自宅で音源の編集作業をしてもらうケースがありました。出産や育児が理由で離職しなくて済むよう、柔軟に対応しています」と鯉塚さん。
また、子育て世代が徐々に子どもに手がかからなくなるケースを想定して昨年4月、勤務時間がフルタイムより1〜2時間短い「短時間正社員制度」を導入。現在、杉山さんをはじめ3人の女性が利用しています。

情報共有や非常時のための連絡ツールを整備

一人ひとり勤務時間が異なる同社では、ウェブを利用したグループウェア「サイボウズ」やメーリングリストを活用し、情報共有に力を注いでいます。各番組とも毎回放送終了後に、担当者がウェブ上の連絡シートに、放送内容やその日に発生したトラブルなどを入力。重要な事柄については、自動的に全番組のスタッフに配信され、トラブルの再発防止や業務の円滑化につなげています。
「週1回しか出社しないスタッフでも必要な情報は常に把握できるようになりました。災害など非常時の連絡ツールとしても役立っています」と鯉塚さん。
これからの課題として同社が挙げるのが、介護対策。短時間正社員制度は、子育て世代だけではなく、介護が必要な世代のための制度でもあるそうです。「親の介護でフルタイムで働けなくなっても、短時間正社員として続けてもらい、逆に子育てが一段落した世代にフルタイムや短時間正社員に移行してもらうなど、社全体のバランスを取っていけたらと考えています」
一人ひとりのライフステージに応じた、柔軟な働き方を支援するとともに、地域住民に必要な大切な情報を発信するラジオ局として、あらゆる事態に対応できる体制づくりを進めます。

放送局長の鯉塚さん(左)と現在は短時間正社員として働く杉山さん

事例を検索する

下記の項目をチェックして「検索する」ボタンをクリックしてください。