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子育て支援で安心して働ける環境に 地域に開かれた社内保育所を開設

ケイオー開発株式会社 フローラルイン姫路

所在地 姫路市東延末3-56
事業内容 ホテル業
従業員数 65人(男性27人、女性38人)
冊子掲載 平成23年度 第3回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2011年11月16日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

鹿児島県を拠点に九州や関西でビジネスホテルを展開するケイオー開発株式会社が、姫路市内の既存のホテルをリノベーションして、2006(平成18)年1月に開業したのがフローラルイン姫路です。地元採用した多くの女性従業員が安心して働けるよう、子育て支援制度を充実させています。今春にはホテル内に保育所を開設。地元住民も利用でき、地域社会にも大きく貢献しています。

朝の散歩を終え、ホテルのフロントを通りすぎる「こもれび保育園」の園児たち。

人材重視で正社員を多く採用

同ホテルのフロント従業員は、9割以上が地元採用の正社員。一般的なビジネスホテルが経費圧縮のために正社員を半分以下に抑えているのとは、まったく逆の構成です。これは、レストランや宴会場などが充実しており、サービスの質を高めるために人材を重視しているからです。

従業員のうち、女性が半分以上の38人。フロント係など女性の働く場がたくさんあるためですが、結婚や出産を機に辞めてしまうことが多いのが悩みでした。仕事に慣れた従業員の退社は会社にとっても大きな損失です。

このため、女性が働きやすく、出産後も長く働ける環境づくりに力を入れることにしました。

残業免除や看護休暇、授乳休憩も

最初に取り組んだのが、全従業員を対象にしたアンケートと、面談調査です。具体的にどのような制度を望んでいるか、現場の生の声を集めました。それをもとに、さまざまな子育て支援制度の導入や充実を進めたのです。

まず、子育て中の従業員の残業を免除。さらに、3歳までは勤務時間を1時間短縮できる育児短時間制度も導入しました。子どもが病気にかかって看護が必要な時には、通常の有給休暇とは別枠となる看護休暇制度も取り入れています。中でもユニークなのは、勤務中に授乳するため、30分間の休憩を2回とれる育児時間制度です。

こうした子育て支援の充実により従業員の定着率は向上。ホテルの利用率も上がっているといいます。営業企画部長の上脇立さんは「地元の皆さんに利用してもらうためにも、社員が誇りを持って働ける職場にしたいですね」と話します。

フロント従業員の9割以上が地元採用の正社員です。

ホテル内に「こもれび保育園」を開設

さらに今年4月には、事業所内保育所も開設しました。ホテル2階の一部を改装して「こもれび保育園」と名付けました。

保育士は7人で、0歳児からの約30人を預かることができます。従業員の子どもだけでなく、周辺住民の利用も受け入れています。保育時間は午前7時から午後8時まで。一時預かりも可能で、日曜でも予約があれば受け入れます。

現在の月極利用は13人。そのほとんどが地域住民の子どもたちです。長男を預けながら、育児時短勤務をしている同ホテルの吉永恵梨子さんは「いつでも子どもの顔を見ることができるので、安心して働けます。育児休業中も、復帰に不安がなかったのがよかったです」と笑いました。

保育園に子どもを預けて働く吉永恵梨子さんは、「いつでも様子を見られるので安心です」。

ホテルと保育園の併設という全国的にもユニークな施設ですが、ホテルに人の出入りが少ない日中に子どもたちを預かるため、営業上のトラブルはありません。むしろ、施設を有効利用しているといえます。保育所を通してホテルと地域社会とのつながりができ、レストランや宴会場を利用する人も増えているそうです。

同ホテルはさらに、県の「まちの子育てひろば」事業にも登録。お母さん向けの講習会や子どもたちが楽しめるイベントなどの開催にも力を入れています。具体的には、マタニティーヨガ教室、絵本の読み聞かせ方講習会、乳幼児連れのママも気軽に参加できる親子コンサートなどです。

上脇さんは「従業員の満足感は、仕事へのエネルギーに結び付いています。保育所を介して、これまでつながりの少なかった地域社会とも交流させていただけるようになりました」と、取り組みの効果を実感しています。

音楽や楽器に触れる「バギーコンサート」など、親子を対象にしたイベントを開催。

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