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「ショートタイム社員制度」の導入でパートタイマーの正社員化を後押し

モロゾフ株式会社

所在地 神戸市東灘区向洋町西5-3
事業内容 洋菓子の製造・販売、喫茶・レストラン
従業員数 836人(男性 443人、女性 393人)※2010年2月現在
冊子掲載 平成21年度 第1回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2010年3月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

モロゾフ株式会社は2007(平成19)年10月から、パートタイマーを正社員に登用する「ショートタイム(短時間勤務)社員制度」を設けました。パートタイマー、正社員の区別なく能力に見合った処遇を実現して、モチベーションを高めてもらうのが狙い。一方で、フルタイム社員も生活の事情に合わせて働けるよう同制度の利用が可能で、ワーク・ライフ・バランスの実現に寄与しています。

「ショートタイム社員制度」を利用し、パートタイマーからフルタイム社員になった新居香代子さん(右)

制度は社員と同等

同社では、正社員を上回る数のパートタイマーが店舗や製造現場で働いており、早くからパートタイマーを正社員と変わらない貴重な戦力として位置付けてきました。1976(昭和51)年に育児休業制度を導入して以降、88(同63)年にスタートした看護介護休職制度など、仕事と生活とを両立するための諸制度や各種福利厚生制度について、パートタイマーも同様に利用できるようにしてきたのもその表れです。

その後、阪神・淡路大震災や長引く不況の影響で社員採用を抑えたこともあり、パートタイマーの活躍の場がますます広がっていくことに。「パートタイマーも社員と同じ仕事をしており、能力を見ても変わらない。個人的な事情でパートタイマーとして働かざるを得ない人もいる。それなのに処遇面で格差がついたままでは、やる気を失わせてしまうと感じた」と、人事総務グループ担当の尾史朗常務は話します。

パートタイマーのモチベーションを向上させるため2002(平成14)年に、それまでの勤務年数加算による昇給の仕組みを改め、能力によって上位資格に昇格し、処遇もアップする「エキスパート制度」を導入。5年間で約180人が昇格しました。効果はてきめんで、これまで以上に実力を発揮するパートタイマーが増える一方、「社員になる道筋を付けてほしい」という声も聞かれるようになっていったといいます。

フルタイム社員への移行も可能に

そのような思いに応え、2007(平成19)年に導入したのが「ショートタイム社員制度」です。勤続3年以上で試験、面接に合格したパートタイマーが移行できます。フルタイム社員の5割に当たる960時間以上勤務する必要はありますが、身分は正社員で、賃金は時間に応じて増減。さらに希望すればフルタイム社員にも移行できます。

初年度は、特例措置としてパートタイマーの上位資格者のうち希望者は誰でもショートタイム社員に移行できるようにしたことで169人が、次年度以降は5人、11人が転換しました。人事総務グループの白石清美担当課長は「パートタイマーから移行した社員が職場に2人いるが、社員に替わってから働きぶりに変化が見られる。いい影響があるのだなと感じている」と話します。その後、ショートタイム社員からフルタイム社員の道を選んだ人は、現在134人に上っています。

女性社員があらゆる職場で活躍しています。

フルタイム社員からの移行組も

制度導入に当たっては、フルタイム社員からショートタイム社員への移行も図れるようにしました。多様な勤務形態を実現させるのが狙いで、理由は問いません。再度フルタイム社員に戻ることも可能です。「従来は、何らかの事情でフルタイムで働けなくなってしまった場合、辞めるしか選択肢がなかった」だけに社員にとってのメリットは大きいといえます。2008(平成20)年4月、フルタイム社員3人が育児、介護などを理由にショートタイム社員へ転換。このうち2人は、1年後にフルタイム社員に戻りました。

当面はパートから社員への登用が増えるため人件費も増加します。「短期的にはその通りだが、能力に見合った働きをしてもらうことができれば十分カバーできる」と尾常務は見込んでいます。

製造される洋菓子。
育児のため「ショートタイム社員制度」を利用したフルタイム社員の若林直美さん。

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