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年間最大12日の「お星さま休暇」や育児支援金 地域貢献活動も熱心に

三ツ星ベルト株式会社

所在地 神戸市長田区浜添通4-1-21
事業内容 自動車、産業機器用伝動ベルトなどの製造・販売
従業員数 1,046人(男性962人、女性84人)※2009年12月現在
冊子掲載 平成21年度 第1回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2010年3月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

子どもの病気や親族介護、学校行事参加などに使える「お星さま休暇」。親しみやすい名前を付けた三ツ星ベルト株式会社の有給休暇制度は、「使いやすい」と従業員に好評です。また、全国各地の拠点では従業員による地域貢献活動に力を注いでいます。同社が力を入れる子育て支援制度の整備や、地域活動の原動力となっているのは、阪神・淡路大震災の経験でした。

地域住民との交流行事を積極的に開催しています。

一人親家庭への支援金も

「お星さま休暇」は2006(平成18)年11月にスタートしました。小学生以下の子どもを育てる共働き世帯や母子・父子家庭、障がいのある満20歳までの子どもがいる共働き世帯、介護が必要な親族がいる従業員が利用でき、年間6~12日の休暇を取ることができます。親族は何親等までという規制はありません。育児・介護休業や年次有給休暇とは別枠の制度です。

育児支援金を支給する「お星さま制度」は、「お星さま休暇」に先立ち同年4月に始まりました。子ども1人当たり月3,000円の育児支援金を、18歳未満の子どもがいる一人親家庭、障がいのある満20歳までの子どもがいる家庭の社員、パート、アルバイトに支給します。

緩やかな運用で使いやすく

いずれの制度も利用申請時に書類での証明などは必要なく、自己申告で認められるという緩やかさが、使いやすさにつながっています。「必要以上に周囲に知られたくないデリケートな理由もあるだろう」との配慮からです。

また、親族の介護や子どもの学校行事への参加などは、いずれ自分にも起こり得ることとして社内での理解を得やすいそう。「お互いさま」と休暇取得を温かく見守る社内の雰囲気も、制度の利用を後押ししています。

子育て支援制度によって、父親も育児にかかわりやすい環境づくりが進んでいます。同社総務部の土井康生さんは、3歳の長男淳義くんの幼稚園の保護者参観やお迎えのために休暇制度を何回か利用しました。「息子の幼稚園での様子を見ることができ、貴重な時間だった」と康生さん。元同社社員で、現在は別の会社に勤める妻の未央さんも、夫について「子どもとよく遊んでくれて、寝かしつけるのも上手」と笑顔を見せます。

同社の子育て支援制度は、社員との日ごろのコミュニケーションをもとに、経営陣からの発案で始まりました。社員の声を聞き、困っている人に手を差し伸べる姿勢は、同社が古くから力を入れる地域貢献活動が根底にあります。その社風をさらに強くしたのが、1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災の経験だったといいます。

社員参加の地域貢献活動も

同社は震災の数年前、創業の地である神戸市長田区真野地区に工場と研究所を残し、本社機能を同市中央区内に移していました。しかし、震災で大きな被害を受けた同地区住民から「地区の震災復興に力を貸してほしい」と熱心な要請を受け、2000(平成12)年、本社機能を真野地区に戻した経緯があります。

地域の人々との震災体験の共有、悲惨な状況から共に立ち直ってきた連帯感は、「地域のために何ができるか」を常に考える意識を社内に植え付けました。

「地域に育てていただいた会社。地域の住人でもある」という意識も強く、翌年には社員のボランティアによる「三ツ星ベルトふれあい協議会」を発足させ、さまざまなふれあいイベントに取り組んできました。

支援のニーズを常に探る

地区の新小学1年生を招くお祝いイベントや、七夕まつり、クリスマス会など、子どもからお年寄りまで、地域住民が心待ちにする恒例イベントは多彩です。その一方、「社員の中にも震災などで困窮している家庭があるのではないか」との経営陣の思いが、育児支援金制度、そして育児休暇制度につながったのだといいます。

これからは、「地域貢献に尽力する社の伝統を、若い世代にどう伝えていくかも課題」(同社社長室広報)。社員の子育て支援のニーズを探るためアンケートなども実施しながら、仕事と生活の両方に打ち込める社会づくりへの貢献を目指します。

「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」で事例を発表。
「お星さま休暇」の利用が、家族のきずながさらに深まるきっかけにもなっています。
「三ツ星ベルトふれあい協議会」がユニセフに寄付。

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