• 文字
  • 中
  • 大

HOME > 事例紹介 > 株式会社ワイドソフトデザイン

表彰事例紹介一覧へ戻る

離職者ゼロを目指し残業が減る給与体系に

株式会社ワイドソフトデザイン

所在地 神戸市中央区栄町通1-1-24 栄町ビル
事業内容 情報通信業
従業員数 27人(男性16人、女性11人)
冊子掲載 H29年度版WLBな会社ガイド
公開日 2018年4月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

離職者ゼロを目標に掲げるワイドソフトデザイン。社員の残業削減の努力が損にならないように給与体系を見直し、併せて仕事の効率化を図るために、仕事上生じるさまざまな無駄を徹底的に排除する取組を実施。残業削減が短縮され顕著な効果を出しています。

作業に集中しやすいカウンターのワークスペース。仕事を効率よく進められるように社内のレイアウトを一新しました。

残業削減に向けインセンティブ導入

 「元々離職者は少ないのですが、さらに離職者ゼロを目指したい」。同社の土肥豊和社長は強い思いを吐露します。「当社は信頼できる少数精鋭の仲間で仕事をしています。技術も特殊なため、入社後社員を一からしっかり育てていく気風があるので辞めずに研さんを続けて、長く勤めてほしい」とその理由を明かします。
 同社の事業は、自社開発の3Dエンジンを使った3Dシミュレーションの開発やCG画像、VRの制作が主力。3Dシミュレーションの技術は、設計図通りに室内を再現するプレゼン用、または危険個所での現場作業の安全教育用に使われており、3D関連技術の習得には数年を要するとか。それゆえ、一人も辞めてほしくないのです。
 そんな思いを実現するため離職者ゼロに向けてさまざまな取組を行ってきた同社ですが、どのような仕組み、制度でもどこかにほころびは出てくるものです。例えば残業代の考え方もその一つでした。
 2016年度までは、残業をしてもしなくても30時間分の残業代があらかじめ給与に含まれるみなし残業を導入、超過分の残業代も払っていました。ところが、みなし残業制度が残業代の未払いに利用される可能性があると社会的に否定的な見解を受け始めたので、みなし残業の廃止を決めました。
 そこでみなし残業を廃止する一方、1日の勤務時間を従来の8時間から7.5時間に短縮した上で、従来と同額の給与を支払い、そこに残業代を加算する仕組みにしました。ポイントは、半年間のうち、ひと月の残業が10時間以内を3カ月達成した社員にはボーナスを0.5カ月分加算するというインセンティブを設けたことです。

外部カウンセラー(右)による「インタビュー制度」を創設。

無駄を省き業務を効率化

 平行して仕事が効率よく進められるよう、コミュニケーション向上を狙ったレイアウト変更と徹底的な無駄の削減に取り組みました。レイアウトは、横に長く連ねていた机の並びを、6人ずつ向き合った複数の机の固まりに変えることで社員同士の距離を縮め、土肥社長も同じ部屋に移りました。また、カウンターや芝生カーペットを置いたミーティングルームを設け、気軽にミーティングができるスペースをつくりました。
 無駄の削減では、3カ月に1度、机や引き出しにたまった書類が必要かどうかを洗いなおす整理整頓イベントを実施。書類は「要るもの」「要らないもの」「いつか使うかもしれないもの」に分け、いつか使うかもしれないものも捨てる期限を明示して残すようにしています。「ちょっと話をする場ができたことでコミュニケーションが活発になりました。ものを探す非生産的な時間も減りました」と企画・総務グループチーフスタッフの福永尚子さんは成果を語ります。

月1回行われる社内での「ランチバイキング」。コミュニケーションの場として楽しみにしている社員が多いといいます。

ひと月の残業時間を33.5時間削減

 「早く帰りたい」との思いを潜在的に抱いていた社員の気持ちを刺激したのか、効果はてきめんで2016年度の1人当たりの月平均残業時間11.1時間、就労時間163.2時間が、2017年度はこれまでに7.6時間、153.4時間に減少。しかも、みなし分を含むと残業時間は33.5時間も削減できたことになります。仕事帰りにジムに通う社員も増えたとのこと。「まだこれでいいとは思っていません。さらに満足できる仕組みはないか、常に考えていくことが大事」と土肥社長。離職者ゼロに向けた取組はさらに続きます。

要る書類と要らない書類を明確に分類。

事例を検索する

下記の項目をチェックして「検索する」ボタンをクリックしてください。