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戦後すぐ65歳定年制導入 地域の暮らしを大切に

株式会社土肥富

所在地 加東市新定382-3
事業内容 釣り針製造業
従業員数 113人(男性66人、女性47人)
冊子掲載 H29年度版WLBな会社ガイド
公開日 2018年2月14日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

土肥富は、戦後間もない1951年から65歳定年制を導入するなど、地域の人がいつまでも元気に働ける環境を整えてきました。現役で活躍するベテラン職人から若手社員への技能の伝承も、しっかりと行われています。

製品の選別、梱包作業。70代から10代に技術を伝授しています。

地域に根付いて126年

 全国の釣り針のうち約9割が北播磨地域で製造されています。集積する多くの企業の中でも同社の歴史は古く、創業は1892年。明治時代の終わりごろには釣り針生産の機械化に成功し、機械製釣り針の元祖といわれています。現在、業界では唯一「日本工業規格認証工場」としての認証を受けており、高付加価値釣り針に強みを発揮。約3,000種類を生産し、このうち約8割を輸出が占め、取引する国の数は130に及んでいます。
 創業来、地域と一体となって歩んできた同社。おのずと地域やそこでの暮らし方を尊重しながら仕事をするという考え方が根付いています。「この周辺は兼業農家が多いので、農繁期には仕事の前後に農作業があります。また、自治会単位で活動している自衛消防組織に入っている社員も多いです」と総務部の岸本康兒部長。「農業や自治活動と同じように、元気で働ける間はいつまでも働いてほしい」という思いから、1951年の法人設立と同時に導入した65歳定年制は、現在も続いています。さらに定年後も、本人が希望すれば嘱託制度により75歳まで継続雇用しています。70歳代のベテラン職人も多く、製造や検査の現場で技能の指導役としても活躍しています。

社員が考案した釣り針の針先。ばらしにくく魚を傷つけない新技術は改善提案制度から生まれました。

社員の自己研さんを後押し

 早くから「日本工業規格認証工業」に認証されている同社。針を切断する工程から包装・梱包まで8段階の各工程について徹底したマニュアル化を図り、3,000種類もの製品をいつ誰が担当しても同じ品質で送り出せる体制を整えています。「顧客満足を徹底追及し、標準化と品質向上への努力を続けていきたい」と岸本部長は話します。
 また、顧客が満足する製品を提供するには人材育成が不可欠と、社員の自己研さんを後押ししています。生産管理や品質向上をテーマにした講座や公害防止管理者の資格取得のための講座の通信教育を受講する社員には、業務終了後に会議室を解放。自習している間も業務とみなし、残業手当を支給しています。そして、講座を修了した社員には社長から表彰状と記念品が授与されます。

食堂で通信教育の勉強をする社員ら。自己研さんを会社も後押ししています。

ボトムアップでの改善を

 ボトムアップで出されたアイデアを尊重するさまざまな制度も整備。広く社員から意見を募るために用意しているのが目安箱です。年間100件ほどの意見が投函され、実現したものとして、半日休暇の実施、社員全員の名前を早く覚えるための名札の配布、同社のブランドがプリントされたTシャツや帽子の希望者への配布などがあります。
 会社の業績に寄与した社員については「年間最高殊勲賞(MVP)」、「価値創生奨励賞」を授与し、表彰しています。さらに、「釣り針作りの奥義を習得した社員」に対し、新たに「卓越賞」の表彰をスタート。第1回は針の焼き入れムラを抑える工法を考えた入社40年目の社員が受賞しました。
 「地域の人たちがいつまでも地元で生き生きと働けるよう、さらにいい会社にしていきたい」と岸本部長は意気込んでいます。

目安箱には年間100件ほどが投函され、半日休暇や名札の配布などが実現しました。

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