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子育てをする女性や外国人など幅広い人材が活躍できる場を

フルヤ工業株式会社

所在地 篠山市大沢新110
事業内容 プラスチック製品の開発・製造
従業員数 142人
冊子掲載 仕事と生活のバランス vol.36
公開日 2018年2月2日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

プラスチック製品の製造を手掛けるフルヤ工業株式会社。女性が出産後にスムーズに職場復帰できる環境を整えるとともに、外国からの実習生を受け入れるなど、幅広い人材が活躍できる職場づくりを進めています。

結婚・出産後も女性が働けるように

同社は1918年、ボタン製造業のパイオニアとして大阪市で創業。27年に本社を篠山市に移し、戦後はプラスチック業界に進出、現在は自動車や時計、カメラなど約1万5,000点もの関連部品を製造しています。
 従業員142人のうち54.9%に当たる78人が女性です。そのうちパートタイム勤務が43人で、主に製造した商品のチェックをする検査部門に携わっています。
 1990年代後半、一躍大人気となった腕時計「Gショック」の部品製造により、検査部門の仕事が激増し、雇用の確保に苦労するように。社長の降矢寿民さんは「地域の人口も年々減っていく中、どうすれば女性に結婚・出産後も辞めずに働き続けてもらえるか」を考えた2015年、敷地内に延べ床面積約100平方メートルの託児所「サボテンハウス」を開設しました。
運営は民間会社に委託、従業員は8時30分〜18時30分の時間帯に月額7,000円で利用することが可能で、現在は0〜3歳の9人が入所しています。「託児所ができたことで出産後、半年で復帰した従業員もいます。また、以前はパートの確保に苦労していたのですが、求人を出す回数も減りました」と取締役の井谷敏嗣さんは話します。
 昨年は、女性パートタイマーに対し「正社員として働きたいか」というアンケート調査を行い、女性活躍推進に向けて動き始めました。「働きやすい環境が整っているためか、女性の離職率は低いです。今後は長い目で彼女たちのキャリアアップを考え、後押しできたら」と降矢社長は話します。

製造部門を担当するベトナム人実習生たち

外国人技能実習生で人材確保

また、同社では日本で働きながら技術を学ぶ技能実習生も積極的に受け入れています。20年ほど前から人材派遣会社を利用し始めたものの、仕事を教えても覚えたころに辞めてしまって、別の人が派遣されてくるということが続き、何度も一から教え直さなければなりませんでした。
 そんな中、降矢社長は仕事で訪れたベトナムで、ベトナム人が日本人に近い感覚を持っていると感じます。帰国後、ベトナム人実習生を採用している取引先に実情をヒアリングし2003年、ベトナムから2人の女性実習生を受け入れました。採用した2人が優秀だったため、受け入れ人数の追加を繰り返し、現在ではエンジニアの男性正社員4人を含む約30人のベトナム人が働いています。
 「来日前に日本語はある程度勉強して来てもらうのですが、やはり言葉の壁には苦労しました。総務のメンバーが空いた時間に日本語を個人指導し、さらに週1回、定時後に日本語教室を継続して開いています」と降矢社長。
現在も定期的にベトナムに赴いて面接を行い、実習生の受け入れを継続。採用を担当する井谷取締役は、「ベトナム人は手先が器用な人が多いので、うちの仕事に向いていると思います。協調性があり、日本人とも協力しながら業務に取り組めています」と評価します。現在では、日本人の男性社員と結婚し、同社での仕事を続けている女性もいます。また、帰国後にベトナムで起業した実習生もおり、その人たちとの人脈も大切に交流を続けています。
 2018年、創業100周年を迎えた同社。地域にしっかり根を下ろしながら、グローバルな視野で幅広い人材が活躍できる職場づくりを進めています。

代表取締役社長の降矢さん(左)と取締役の井谷さん

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