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家族のように支え合い 誰もが無理なく働ける環境に

カネテツデリカフーズ株式会社

所在地 神戸市東灘区向洋町西5-8
事業内容 水産練り製品・総菜の製造販売
従業員数 424人
冊子掲載 情報誌 vol.13 2012年秋
公開日 2012年9月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

かまぼこや天ぷらなど練り製品を製造・販売するカネテツデリカフーズ株式会社では、新入社員を手厚く指導し、女性従業員が働きやすい制度を整備。従業員の仲間意識を高めながら、みんなで支え合う家族のような職場環境づくりを進めています。

人事総務課で支援制度を整備する宮田さんと育児支援制度を利用する岩元さん

全従業員で新入社員をサポート

約420人の従業員を抱える同社では、月に1度、村上健代表取締役社長が全従業員の前で業績や今後の方針を開示し、社内の意識を統一する朝礼を実施。従業員全員が目標を同じにして家族のように支え合う「大家族主義」の考え方の下、職場のチームワークを高める取り組みを行っています。

その一つが「新入社員指導員訓練制度」です。設立当時からの深刻な問題に、新入社員の離職率が高いことがあり、「なんとか社員を団結させ、よりやりがいを持って働くことのできる職場にしたい」と2004(平成16)年から導入しました。

全体研修を終えて各所属先へ配属された新入社員を約半年間、指導員がマンツーマンでフォロー。指導員は勤続2、3年の従業員で、所属長の推薦によって人事総務課が任命します。「年齢が近い従業員を登用することで、日ごろの悩みを相談しやすくなれば」と管理部人事総務課長の宮田健一さんは言います。業務内容をはじめ、社会人としてのマナーや就業規則などを指導し、毎月1回、人事総務課の担当員を交えて、現状報告と今後の業務方針についての話し合いを行います。その内容を基に指導員が指導報告書を作成。報告書は所属部署で回覧され、全員で新入社員に対するサポート意識を共有しています。

これにより、近年の離職率は10%以下に下がりました。同時期に年1回の「家族参観」も始め、従業員の親族など30~40人が参加。家族を含めた仲間意識の醸成にも努めています。

「新入社員指導員研修制度」の導入で、新入社員が気軽になんでも相談できる環境に
「家族参観」ではかまぼこ作りの体験も実施。食育を兼ねてものづくりの楽しさを伝えています

女性も長く働ける制度づくり

出産や育児を控える女性従業員を支え合う環境も生まれています。

創業当時、工場ラインは手作業だったために力仕事が大半で、配属は男性従業員ばかりでした。しかし、機械化が進み体力的負担が軽減されると次第に女性の比率が増えていきました。

「登用開始直後は、妊娠を機に優秀な女性たちが退職してしまうことが多かった」と宮田さんは振り返ります。男女を問わず優秀な人材を確保するため、誰もが働きやすい環境になるように出産・育児支援制度の整備を開始。法定制度に加え、子どもが小学3年生になるまで利用できる短時間勤務など、全従業員へのアンケートにより現場の声を取り入れた独自の支援制度を確立しました。

「小学校に上がっても低学年は何かと心配。3年生まで2時間の時短勤務が適用されるのはとても助かります」と2人の子どもを抱え、育児支援制度を利用して働く管理部経理管財課主任の岩元真奈美さんは話します。

毎年平均2、3人の女性が育児休業を取得するなど、「産後は職場復帰」という考え方が定着しつつあり、2010(平成22)年には初めて男性従業員が1カ月間の育児休業を取得しました。さらなる育児支援として、六甲アイランドには保育所が少ないことから、近隣に拠点を置く企業と協力した保育施設の設置も構想しています。

工場ラインの機械化に伴い、積極的に女性を登用しています

より働きがいのある環境を目指して

個人の事情に合わせた働き方を支援する制度も見直されてきました。有給休暇については毎年の給付日数とは別に最長70日間積み立てることができ、積み立てた休暇は長期、短期を問わず本人の病気、災害療養、看護や介護に使用できます。

また、高齢者雇用のための制度づくりも検討中。「高齢でもまだまだ元気な従業員に、引き続き技術の伝承をしてもらいたい。そのためにも個人に合わせた新しい雇用形態で対応していきたい」と宮田さんは話します。

時代のニーズや従業員の声に柔軟に対応しながら、一人ひとりが生涯にわたって無理なく働くことのできる環境を今後も提供していきます。

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