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手厚い支援で職員の意識を高め心が通う本物の医療を提供

医療法人財団姫路聖マリア会 姫路聖マリア病院

所在地 姫路市仁豊野650
事業内容 医療活動
従業員数 688人
冊子掲載 情報誌 vol.9 2011年秋
公開日 2011年9月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

姫路聖マリア病院は、キリスト教の精神に基づき、惜しみない愛をもって本物の医療・看護を提供することを目的としています。そのため、職員一人ひとりが自らの仕事に自信と誇りを持ち、安心して働ける環境を整備。職員の職場への定着を図るとともに、モチベーションを高めています。

プロを育てる独自の教育体制

姫路聖マリア病院には、毎年、専門学校や看護大学を卒業したばかりの看護師が新たに入ってきます。しかし、実際の医療現場では、勉強してきたはずのことが何一つ生かせず、自信を失うケースが少なくありません。「自分は何もできない」と落ちこんだり、退職したりする人もいます。

そこで、2007( 平成19)年度から、新卒看護師向けの独自の研修プログラムを実施しています。研修期間は5年間で、技術的なことはベテランの看護師が指導し、メンタル面は年齢の近い先輩看護師がサポートします。さらに、個人の成長過程を見ながら評価をするのは、教育担当者と呼ばれる上級者。看護師として独り立ちするまでのバックアップ体制は万全です。

「現場で一番必要とされるのは観察力や状況判断能力です。当院では、高機能患者シミュレータで緊迫の現場を忠実に再現し、刻々と状況が変化する中での看護を体験します。高機能患者シミュレータによるトレーニングを行っている病院は全国でも少ないと思います」と看護部長の山中誉子さんは言います。

研修プログラムをスタートした07(同19)年度には12%だった新採用者の中途離職率は、今年度は8.3%にまで低下しました。職務上の不安を取り除き、充実感を与える研修の成果が表れています。

医療機関である強みを生かす

同病院は2010(平成22)年、日本看護協会が開催する「看護職のワーク・ライフ・バランス推進ワークショップ」に参加しました。このワークショップは、地域においてワーク・ライフ・バランス実現推進に取り組む医療施設を支援するためのもの。参加するに当たり、ひょうご仕事と生活センターの北尾真理子主任相談員からの、企業での事例に基づく助言が、病院でも活用できることに気付き、3つの取り組み計画を発表。いずれも今年の4月からサービスを開始しました。

1つ目は、小児科病棟の空き病室を利用した病児保育サービスです。院内保育所で預かっている子どもが熱を出した場合、通常は保護者に迎えに来るよう連絡をします。しかし、保護者にすれば急に職場を離れるのは難しいはずです。そこで、保育士が直接小児病棟へ連れて行って診察を受け、その後、保護者の業務が終了するまで病棟で看護職が預かるようにしました。「対象は全職員の小学6年生までの子どもです。全員の診察券が病棟に置いてあります」と山中さん。医療機関の強みを生かし、職員が安心して働ける環境をつくっています。

小児科の空き病室で病児保育を実施。看護師が預かるので、保護者も安心です

少しでも利用しやすいシステムに

2つ目は職員用イントラネットの整備です。結婚、出産などのライフイベントごとに関係する制度がすぐに閲覧できるようにホームページをリニューアル。申請書類はパソコンの画面上で記入できるようになっており、そのままメールで事務局に送れます。

「休日に自宅からでも申請ができます。事務局まで申請書を持って出向かないといけないとなると、それだけで面倒になってしまいます。とにかく迅速に対応できるよう配慮しました」

さらに、悩みや質問がある場合に利用できるホットラインを事務局に設置。留守番電話に聞きたい内容と名前を録音しておけば、事務局が回答を用意した上でその職員に連絡するという仕組みを構築しました。4月以降、昇格や勤務制度などに関する前向きな質問が寄せられているそうです。

「職員が職場に安心感を持って、積極的に仕事に向かうことができれば、それは患者さんにも伝わります」と山中さん。同病院では、これからも職員が充実感を持ってより良い医療活動に励めるよう、さまざまな支援や環境整備を進めていきます。

職員用ホームページには就業規則と合わせ、制度を利用する場合の申請方法が明記されています
看護師の研修は全て勤務時間内に実施。テキスト代わりの「看護師職能要件書」は看護師全員が持っています

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