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醸造現場で女性も活躍環境改善へ労使で会合

白鶴酒造株式会社

所在地 神戸市東灘区住吉南町4-5-5
事業内容 各種日本酒の製造・販売
従業員数 428人(男性320人、女性108人)
冊子掲載 平成28年度WLBな会社ガイド 兵庫版
公開日 2017年5月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

日本酒メーカーの白鶴酒造は、かつて女人禁制といわれた生産現場に積極的に女性社員を配置。営業現場では女性が活躍しています。また、毎月1回労使会合の場を設け、協調しながらより良い働き方を実現するための現実的な解決策を見いだしています。

蒸した米をチェックする仲摩幾世さん。現在醸造部では6人の女性が働いています。

取り組みのポイント

★製造現場への女性の配置およびシャワー室等の環境整備
★出産・介護等を理由とした離職者の再雇用
★契約社員の正社員への登用

生産・営業の現場で女性が活躍

1年を通じて醸造を行う本社3号蔵の製造部員として働く女性社員は現在6人。「新卒採用者の中に生産現場での勤務を希望する女性がいたことに加え、社内にも配置転換を希望する社員がいました。会社として彼女たちの希望をかなえたいと思ったのです」と総務人事部次長の大利清隆さんは話します。
3号蔵で働く製造部員のうち2割強が女性です。2015年10月からは、男性社員と同様に宿直勤務(夜勤)をするようになり、新たに女性用宿直室とシャワールームが設けられました。また、水に浸した酒米を運び込むスペースのハッチドアが重いため、女性でも開け閉めしやすいように改良を加え、作業性を高めました。
また、同社ではすでに女性の営業職が活躍しており、6人が管理職に就いています。3年前には初の支店長も誕生しました。早くから育児休業や短時間勤務制度が整えられ、育児休業は毎年10人弱が取得しています。また、10年10月には、子どもが満3歳になるまで利用できる短時間勤務制度(1日6時間)を整備。16年4月からは、子が小学4年生になるまで利用できるようになりました。1カ月単位で短時間勤務にできるほか、事前に申請すれば、ひと月のうち何日かはフルタイムで働けるそうです。
さらに、2006年8月、出産や介護などを理由に離職した人の再雇用制度を創設し、10年11月には、夫の転勤のためにいったん退職した女性社員が神戸に戻ってきたタイミングで再び雇用されました。

新たに整備された女性用宿直室。シャワールームも併設。

御法度のマイカー通勤も解禁

同社が本格的にワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現に取り組み始めたのは2012年のことです。「2007年からの有給休暇取得率を調べたところ50%程度から向上せず、時間外労働についても月6時間程度からなかなか減らないまま。これらを改善するための取り組みが必要だと感じました」と大利さん。
まず、やりがいのある職場づくりとして、独自の酒類知識研修制度を設け、基礎、初級、中級の3コースに分けて社員のスキル向上を支援。13年からは、契約社員(有期雇用社員)から正社員への登用を強化しており、14年に1人、16年に2人が実際に登用されました。その中には樽のこも巻き職人も含まれています。
課題となっていた時間外労働時間については、新たに16パターンから選べるシフト勤務制度を導入。さらに、早朝・深夜勤務者についてはそれまで全社的に禁止していたマイカー通勤を認めました。この結果、1カ月当たりの時間外労働は、6時間台から4時間台にまで減らすことができました。

長年の課題となっている時間外労働も改善が見られます。

労使ワーキングチームが機能

WLB推進策の実践については、会社と労働組合、双方の担当者が出席するワーキングチームが議題をテーブルに乗せ、解決策を探っています。「労使交渉の場に持ち込むと話がまとまりにくいので、腹を割って話し合った結果を現場の管理職に説明し、最後は該当する社員の納得を得て実施に移しています」と大利さんは話します。
ただ、もう一つの課題である有給休暇取得率については依然改善が見られないのが現状です。そこで2016年10月から、取得が少ない社員に対して重点的に休みを取るよう呼び掛けています。今後もワーキングチームが中心となり、職場環境の改善に努めていきます。

スキルアップしたい社員のためには独自の通信教育講座を用意。

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