• 文字
  • 中
  • 大

HOME > 事例紹介 > 株式会社ウエスト神姫

表彰事例紹介一覧へ戻る

女性・高齢運転士も活躍地域で愛される会社に

株式会社ウエスト神姫

所在地 相生市竜泉町394-1
事業内容 路線バス、貸切バスの運行
従業員数 201人(男性190人、女性11人)
冊子掲載 平成28年度WLBな会社ガイド 兵庫版
公開日 2017年5月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

相生市、赤穂市、宍粟市など西播磨地域を営業エリアとするバス会社、ウエスト神姫。業界全体が慢性的なバス運転士不足に直面する中で、「ドライバーも従業員も利用者も地域で生きていける会社」を目指し、女性や高齢者にとっても働きやすい環境を整備して人財を確保しています。

春名初子さんは入社20年目の女性運転士。定年後もシニア社員として働いています。

取り組みのポイント

★女性運転士の雇用および更衣室の整備
★生涯現役継続雇用および雇用環境整備
★運行管理・配車システムの導入によるバス運転士の労働時間の平準化

生涯現役実現モデル企業に認定

同社がバスを運行する相生市、赤穂市、宍粟市は兵庫県の中でも高齢化、過疎化の進展が著しいエリアで、利用者の減少が進んでいます。一方で、過疎化が進む地域で交通手段をどう確保するか、免許を返上した高齢者の足をどうカバーするかといった新たな交通需要に応えられるバスの役割が見直されつつあります。
将来を見据え、地域に密着した事業を展開していくための方向性を模索した結果、「ドライバーも従業員も利用者も地域で生きていける会社」をモットーに掲げました。そして、2014年に厚生労働省の生涯現役実現モデル企業の認定を受け、以降、誰もが働き続けられる会社づくりへの本格的な取り組みがスタートしました。

社会保険労務士を招いての「仕事と介護の両立セミナー」。管理職の意識の変化を期待して開催しています。

女性運転士が2年で5人増

そんな折、宍粟市が2015年11月に導入した新たな交通バス体系の運行を受託することになりました。市内で暮らす高齢者が誰でも利用できるよう、従来の大型バスに加え、ワゴンタイプの小型バスを10台導入し、全ての自治会にまでバスが入り込んでいます。
受託に当たり運転士を確保するため、同社では女性と高齢者をターゲットにした募集広告チラシを作成。女性2人を採用し、入社を前に、各営業所に女性更衣室の整備を図りました。このことがきっかけとなり、女性運転士の採用の取り組みがさらに進み、14年の1人から現在は6人にまで増えています。
併せて高齢者の採用にも力を入れました。従来は60歳定年制でしたが、ドライバーは70歳まで、管理的な一般業務に就く従業員については70歳以上でも延長が可能に。また、屋内車庫の照明をLEDに変更し、それまで懐中電灯を使って不自由な姿勢で行っていた修理業務を簡便にできるようにしました。その結果、65歳以上の従業員数は、この2年で18人増えたそうです。
入社した人たちに長く働き続けてもらいたいと、業務改善にも取り組んでいます。シフトを見直すとともに、毎月の累計勤務時間が分かる新配車システムを導入。特定の運転士に勤務が偏らないように配慮しています。
また、各営業所に新たにトレーニングルームを設置し、普段から運動できる環境を整えることによって病気の予防に取り組んでいます。「定年後に再雇用した従業員についても現役世代と同じ項目で健康診断を行います。いつまでも健康で働いてもらいたいですから」と須和憲和社長は話します。

相生営業所の女性更衣室。

実態を把握し介護対策にも注力

現在、特に力を入れているのが介護対策です。出産や育児と違って表に出にくく実態がつかみにくいことから、全従業員に対してアンケートを実施。その結果、「介護経験あり」が4分の1を占め、未経験者のうち半数が「今後5年以内に介護する家族を持つ可能性がある」と答えました。
介護のために家族を病院や施設に送迎しなければならないときには日中の時間が空く早出、遅出のシフト勤務を利用するように勧めています。そうした働き方が気兼ねなくできるようにするためには上司の理解が重要となるため、管理者向けの「仕事と介護の両立セミナー」も実施。これからも、誰もが長く働き続けられるような仕組みづくりに努めていきます。

運転士募集の広告チラシ。「高齢者・女性が活躍できる職場」をうたっています。

事例を検索する

下記の項目をチェックして「検索する」ボタンをクリックしてください。