• 文字
  • 中
  • 大

HOME > 事例紹介 > 医療法人社団淡路平成会東浦平成病院

事例紹介一覧へ戻る

働きやすさが医療現場にもたらすもの

医療法人社団淡路平成会東浦平成病院

所在地 淡路市久留麻1867
事業内容 内科、外科、小児科、放射線科、整形外科、脳神経外科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、循環器科、消化器科、呼吸器科、心療内科、リハビリテーション科
従業員数 429名
冊子掲載 情報誌 vol.2 2009年冬
公開日 2009年12月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

働きやすさが医療現場にもたらすもの

県内で最初に認定された『働きやすい病院』

海と空の色を映すかのような淡いブルーの瀟酒な雰囲気の外観に、明るく清潔感あふれる院内。淡路島というのどかな立地でありながら、明石海峡大橋を渡れば神戸からも30分と交通の便がよく、阪神間から通う医師や職員も多いのが、ここ東浦平成病院です。院長をはじめ3人の女性医師が勤務し、幹部職員も半数以上が女性、全体では7割となるほど女性が多い職場です。

設立から10年の病院ですが、設立当初から、医師をはじめほぼ全女性職員が育児休業を取得してきた実績がありあす。短時間勤務、夜勤免除などの制度もあり、子ども連れで参加できる家族旅行などイベントも豊富。院内託児所は24時間・年中無休で年齢制限もなく、小学生でも夏休みなど、いつでも預かれる体制を整えています。小児科専門医の常駐という院内託児所ならではのメリットもあり、一般企業ではうらやましい限りではないでしょうか。NPO法人「ejnet・イージェイネット」による「働きやすい病院」評価・認証事業が始まってまもなくの2007年(平成19年)3月に、県内で初めて認定第5号として認定を受けたのもうなずけます。

開院10年目の今年、初めて夏祭りイベントを開催。

その羽を繕いながら、女性たちが今日まで伝えてきたもの

「制度を気兼ねなく利用できる雰囲気がある」「6人目を生む介護福祉士もいる。周囲も、もう免疫ができている」(「神戸新聞」2007年6月8日付)とは院長である伊豆敦子氏の言葉。「働きやすい病院」としての外からの評価も、この病院に従事する者にとってはもう普通で当たり前のことなのかもしれません。

当たり前でなかったことで、子育てと仕事との両立に苦労した経験を持っているのが病院長です。そんな自らの経験から、若い職員に同じ様な苦労はさせたくないとの思いで、設立からこれまでのわずかな間に院内に「当たり前」と感じさせる風土をつくりだしたのです。

図らずも、「働きやすい病院」評価・認証事業を行うNPO法人イージェイネットの瀧野敏子代表理事も現役の医師。さらには彼女の母も医師でした。ただ、彼女の母は、夫を支え、育児のために、医師であることをあきらめ、母親と主婦であることに専念。そんな母の姿には特別な思いがあったのでしょう。イージェイネット設立の原点を『キャリアの羽をエプロンに変えた母へのオマージュ』(月刊「新医療」2007年2月号)であると語る彼女の言葉が印象的です。

「働きやすい病院」が目指す地域中核病院の姿

このNPO法人による評価・認定事業の最終的な目標は、病院職員全体の就労環境を改善することで、国民のための豊かな医療現場に寄与することとなっています。現に、従業員の満足度を評価していくという事業は、患者にも好ましい循環をもたらす可能性があります。

「働きやすい病院」認定をきっかけに、各種メディアからの取材も。
NPO法人「女性医師のキャリア形成・維持・向上をめざす会(ejnet)」による認定証。

患者にとっては、優秀な人材が集まる病院であるという目安になり、よりよい医療サービスを受けることが期待できるでしょう。家族の健康を守る家庭の主婦の立場からも、同じ母親として共感の持てる優秀な女性医師がいる病院は、健康・予防医療の相談先としても信頼されるに違いありません。

もちろん、これからの病院勤務を目指す医療従事者にとっては、選択の大きな判断基準となるはずです。現在、勤務している職員にとってはより働きやすい病院としての認識を持つことができ、より前向きに働くことができます。

病院見学で訪れた地域の方に、手作りの焼きそば、たこ焼きを振る舞った開院式から10年。その食堂や老人介護病棟がボランティアのコーラスや日本舞踊、フラダンスの発表の場にもなる今、東浦平成病院の地域中核病院としての歩みは着実だと言えそうです。

伊豆敦子 病院長。

事例を検索する

下記の項目をチェックして「検索する」ボタンをクリックしてください。