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株式会社夢工房 結婚、出産後も女性が夢を育むために

株式会社夢工房

所在地 神戸市中央区御幸通4-2-20 三宮中央ピル4階
事業内容 ソフト開発・販売およびシステム構築・コンピュータに関する教育・コンサルティング
従業員数 10人
冊子掲載 情報誌 vol.1 2009年秋
公開日 2009年9月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

結婚、出産後も女性が夢を育むために

代表取締役 田中裕子さん

“夢工場"目指して、女性だけでスタート

「食と健康」に関する業務用ソフトや個人向けソフトの開発を行うのが神戸三宮に拠点を置く「夢工房」。その製品開発は、女性だけでスター卜したソフトウェア会社の特長を生かし、"主婦の視点"によるオリジナリティにあふれたものになっています。社名を『夢工房」と一新してからは、『ソフトウエア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー'93』受賞、関西ニュービジネス協議会の『ニュービジネス大賞・起業家部門賞』受賞という輝かしい経歴を重ね、今や学校・病院・官公庁・食品メーカーなどから高い評価を得ています。

「夢工房」は、「結婚、出産後も女性が働ける理想の会社」として立ち上げた経緯から、フレックスタイム制度、在宅勤務制度、ワークシェアリングの導入など、ライフスタイルに合わせた柔軟で多様な働き方を選べる仕組みを設けることにより、女性が継続して仕事に就ける働きやすい職場環境づくりに努めています。

今年、平成21年には、兵庫県経営者協会、神戸商工会議所や講演会での活動を通じて働く女性の継続就業や管理職登用を企業に働きかけるなどした田中社長の男女共同参画推進への貢献が認められ、「男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰」を企業経営者としては初めて受賞しています。

原点は、ひとりの働く女性としての実体験

今日の田中社長の原点は、大手企業の電算室に就職した頃にまでさかのぼります。「結婚退職」が女性としては当然の時代、そこでは「やめるのはいつでもできる。続けることに意味がある」、「もっと時聞が欲しい」と、男性社会の中で悪戦苦闘していた日々がありました。しかし、夫がアメリ力に留学する機会があり、自身も休職して夫とともに渡ったアメリカでは、バリアフリーの考え方に初めて接したり、夫と妻が、家事も仕事もすべて共同でこなしていることに感心するなど、異文化の中で貴重な体験をしました。そして、通算7年聞に及ぶ勤務のなかで、いつしか彼女の考えも「男性と同等に扱ってもらうためには男性以上に働かなければ」というものから、「女性としての働き方があってもいいはず」というものに変わってきたと言います。そして、帰国後、退社して友人と立ち上げたソフトウェア会社の法人化を決意した頃に、ビジネスプランコンテスト「ミセスの夢工場」に応募して見事2位に入賞。この時、自らの考えを整理していく中で、今の夢工房の経営理念がはっきりとした形を持つまでになったようです。当時の応募書類の中にもそれを垣間みることができます。「家庭か仕事かではなく、家庭も、子供も、仕事も・すべてをエンジョイしながら、共に心豊かに人間らしく暮らしながらより良いソフトを開発し、よりよい仕事をしていきたい」『女性が、いつまでも楽しく仕事が続けられるよう、それぞれの条件に合わせて、いろんな型で仕事に参加できることを試みる』と、今日の「ワーク・ライフ・バランス」や「女性の働き方の多様性」という考え方がすでに記されているのでした。

今、経営者として向き合う現実

現代に生きる女性たちのなかに「自分で、できない理由を並べてしまう」「自分で限界を設ける」、そんな姿を見ることを残念に思う彼女。後に続く者のことを常に考える姿勢は、経営者となった今でも変わりません。創業時の理念を忘れないあまり、経営者というより、いつも雇用される立場に立って考える傾向にあることを周囲から指摘されることもあるようです。そとには「企業は利潤を追求することで、社員に還元できるものがある」という普遍的原理との葛藤もあります。これまでのお話から感じる温かで真つ直ぐな人柄は、「技術者は最後まで技術者であるべき」との思いからコンピュータプログラマ、システムエンジニアとしていつまでも現場に居続けたいと願う姿と重なってきます。

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