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株式会社工ス・アイ 自由出勤が生む 『雇用と経営』の好循環

株式会社工ス・アイ

所在地 姫路市石倉26番地の3
事業内容 顧客管理からDM発送回収集計まで一括したアウトソーシング業務、データ入力集計、 コールセンターの開設等
従業員数 約70人
冊子掲載 情報誌 vol.1 2009年秋
公開日 2009年9月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

創業以来の「残業なし』の決まりを守るために

兵庫県姫路市のデータ入力加工、アウトソーシングを主要業務とする株式会社「工ス・アイ」は、ワークシェアリングの効果的な実践で多様な働き方や企業の成長を実現している企業。会社設立当初からの「残業をしない」方針を貫き通し、社長を改革のキーパーソンとして、多様就業型ワークシェアリングを実践してきました。その結果、「自由出勤」というユニークな制度を生み出し、従業員の仕事と家庭との両立が図られています。きっかけは「残業は家庭を乱す」との今本社長自らの経験から、設立3年後の仕事が忙しくなったのを機に、正社員の残業を回避する目的でパートを採用したことから始まります。その後、パートと正社員の業務レベルの逆転が起こったことで、パートも正社員も同一賃金、同一労働の実施に踏み切り、全従業員による自由出動制度を採用しました。

ワーク・ライフ・バランスの取り組みにも通じるスローガン「今を見つめて未来を創る」(会社案内)。

優秀な人材の流出を防ぎ、さらに新しい人材を獲得

「同じ給料体系にしたことで、優秀なパートに残ってもらうことができました」と今本社長。さらには、「自由出動にしたことで、結婚や出産を機に退職してその後仕事に就けなかった優れた人材がここに集まるようになりました」。さまざまな業務に就いていた経験豊富な人材を獲得したことで、引き受ける仕事に幅ができ事業内容も広がりました。データ入力はもとより、アンケート集計や企業リクルート向けの面接会場の設営や運営、コールセンター代行などその業務は多岐にわたり、現在では48業務に70名ほどが従事しています。個人情報保護マネジメントシステム適合事業者としてプライバシー・マーク制度の認定を受けた際も、それらの専門的な知識や経験を持つ従業員が居たことが大きかったといいます。まさにワークシェアリングが好循環を生み出した例といえそうです。

仕事への真剣なまなざしと家庭的な温もりが共存

同社の始業は午前8時、終業は午後6時で残業はなし。その間の休息や45分間の昼休みは従業員個々の判断で自由な時間帯にとります。

午後になると、駐車場から車の出入りが多くなります。従業員の外出目的は、子どものお迎えや学校行事にPTA活動、家事など。そのまま帰宅する社員もあれば仕事に戻る社員までさまざま。同業他社以外なら他での就業など副業も可能で、実際に2名が複数の仕事に就いています。

出動管理は1ヶ月前に勤務の予定表を提出することとなっていますが、その後の従業員の都合により、出動日・時聞を自由に変更することができます。なお、当日になって、急に休んだり、勤務時聞を変更することも可能です。ただし、事故にあってはいけないので、休む場合のみ電話連絡をすることとしています。従業員の出退勤や労働時聞は、離着席時に使用する端末機からIDを入力することで厳密に管理されていて、データ入力量と処理時間、ミスタッチ数などから生産性とともに集計管理されています。

「3人分の仕事も6人で取り組めば、残業はないし、急に仕事が増えても対応できる。従業員が意欲的に仕事に取り組み、時間を大切にすることから生産効率が上がるし、残業がないから私も早く帰ることができる。ワークシェアリングには利点が多く、何より社長の私が楽できて一番喜んでいます」。

働きやすい職場づくりへの懸命な取り組みを伝える賞状や協定書、修了書の数々。

ワークシェアリング導入以前の会社設立時より障害者を雇用していた同社ですが、さらに子育て中の母親や高齢者への雇用の機会としての門戸を広げることとなり、今本社長の「不況対策ではなく、家庭と仕事の両立という視点でワークシェアを考えるべき」との言葉も自然と説得力を持ちます。

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