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川崎重工業株式会社 きめ細かなフォローで 充実した制度を使いやすいものに

川崎重工業株式会社

所在地 神戸市中央区東川崎町1-1-3
事業内容 製造業
従業員数 15,572人
冊子掲載 平成26年度 WLBな会社ガイド-兵庫版
公開日 2015年3月11日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

航空機や鉄道、船舶、二輪車などの製造で知られる川崎重工業。「重工業」という響きから男性ばかりの職場をイメージしがちですが、実際には女性もたくさん働いています。早くからWLB(ワーク・ライフ・バランス)関連制度を整備し、その利用促進により、全ての従業員がやりがいを感じながら働ける環境の実現を目指しています。

ダイバーシティやWLB関連の情報を集約したイントラネットサイト「ひびきあうチカラ」。

5年前から本格的な取り組み

1991年の育児休業法制定以降、育児介護休業制度を順次整備してきた同社が、WLBに本格的に取り組み始めたのは2010年のことでした。同年に打ち出した長期グループビジョンには「ダイバーシティやワーク・ライフ・バランスの観点を重視し、従業員が会社や同僚に対する信頼と自己の業務に対する誇りを持ち、能力を高め最大限に発揮できる企業風土を目指す」とあります。グローバルに事業を展開し、世界中に顧客を持つ同社にとって、ダイバーシティ(多様性)は年々必要不可欠な考え方になっていたのです。
同年、人事本部内にダイバーシティ推進課(現ダイバーシティ・グローバル推進課)を新設し、以来、課長の今村弥雪さんら女性3人がダイバーシティやWLBの推進役を担っています。例えば、イントラネット内のダイバーシティ推進サイト「ひびきあうチカラ」を通じ、ダイバーシティの概要やWLB関連制度などを紹介。「制度は使いやすいものであってこそ。利用実績調査や各種アンケートの実施などでフォローしています」と今村さん。さらに、制度利用を促進するためには、本人だけでなく上司の啓発も不可欠との考えから、階層別研修を通じて管理職の啓発にも力を注いでいます。

アンケートで介護の実態把握

同社は、早くからWLB関連制度を整備してきた「制度先行型」企業。最近では総合職や生産職の女性が増え、特に育児関連の制度利用が進んでいるといいます。子どもが3歳に達するまで取得できる育児休業、小学校卒業まで1日3時間を上限に勤務時間を短縮できる短時間勤務制度、育児休業者の職場復帰を支援するプログラムの導入など、国の基準を上回る取り組みをしています。また、毎年数件レベルではあるものの、男性の育児休業取得者もおり、「期間は通常数週間から1カ月が多いです。女性に比べると、男性の利用はハードルが高いようですが、若年層を中心に家族との向き合い方に意識変化が見られます」と今村さんは話します。
「これまで、どちらかといえば育児支援に偏りがちだった」というWLB関連制度。利用が少ない介護関連の実態を把握するため、2013年に「介護に関するアンケート」を初めて実施しました。回収率は95%で、何らかの形で介護に携わっている人が全体の約10%いました。その中で、介護中であることを直属の上司に伝えている人は54%、誰にも伝えることなく介護をしている人が31%もいることが分かりました。 
「介護の場合、本人が周囲に話さない限り、なかなか周囲に分かりません。親の介護に追われる世代は、組織で重責を担う年齢層でもあり、言い出しにくいという側面があるのでしょう」と今村さんは分析します。「ただ、会社としては介護を理由に退職してほしくありませんし、介護離職すると精神的にも金銭的にも厳しくなるのは明らか。組織、従業員の両方が良い方向に進めるよう、第三者の視点で介護の現実をきちんと伝えることに力を注いでいます」。高齢者人口がますます増加する中、親の介護に直面する人が増えることは必至。育児であれ介護であれ、諸事情を抱えた従業員を複数擁しながら組織を回していくためには、皆が働き方を変え、効率的な仕事の仕方を模索するしかないとの考えで取り組みを進めています。

スムーズな職場復帰のための育休復帰者セミナーを開催しています。
出勤日となっている祝休日に事業所内の会議室等で託児を行う非常設の 事業所内託児所。

2020年に女性管理職を3倍に

政府は「女性の活躍」を経済成長の柱の一つに位置付けています。女性管理職の数を増やすことも重点目標。同社の場合、 全管理職における女性管理職比率はまだ0.5%に過ぎず、2020年までに女性管理職の人数を3倍に増やすことを目標に掲げています。その実現に向けて、さまざまな職場で働く女性従業員をネットワーク化し、講演会を開催したり、意見集約をしたりして、女性がいきいきと働ける組織づくりに取り組んでいます。「課が誕生した5年前に比べると、ワーク・ライフ・バランスに対する社内理解は随分進みました」と今村さん。「これからも、全ての従業員に中身の濃い仕事と生活をしてもらうため、職場環境を整えていきます」と意欲的です。

50代の従業員に対し、ライフプランセミナーの一環で介護についての講義を実施しています。

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