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クレド(行動指針)の創造を機にボトムアップ型の組織へ変革
神鋼鋼線工業株式会社
所在地 | 尼崎市中浜町10-1 |
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事業内容 | 鋼線・ワイヤロープの製造販売 |
従業員数 | 863人(男性783人、女性80人) |
冊子掲載 | 令和6年度WLBな会社ガイド |
冊子PDF | 詳細をみる |
公開日 | 2025年2月10日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
社会の変化に対応して成長し続けられる会社を目指し、クレドの創造に取り組んだ同社。自由に意見を言 える風土が醸成され、社内が活性化。従業員の声が、ワーク・ライフ・バランスに関する制度の導入につな がりました。

成長し続ける会社を目指して
橋やスタジアム、エレベーターといった大型構造物の補強材やワイヤロープなどを製造する神戸製鋼所のグループ会社。今後どうすれば、社会の変化に対応して成長を続けられるかを模索していました。
会社の課題を洗い出したところ、挙がったのは「トップダウンの社風」「行動指針の形骸化」の2点。その両方を解決するため、ボトムアップ型のプロジェクトを立ち上げて、従業員が迷ったときの判断材料や基準となるクレドを新たに設けることにしました。
手始めに2018年、全従業員の3分の1以上に当たる約300人による「語り合う場」を設定し、ありたい姿を思い描きながらさまざまなキーワードを出し合いました。次に「クレド創造プロジェクト」として選抜された103人が議論。最終的に若手を中心とする代表者23人が「まじめな人材が多い」「チャレンジ精神に欠ける」といった会社の長所や短所を抽出しながら、大切にしたい価値を定義。実践したい行動を言語化して、2020年に完成させたのが「神鋼鋼線クレド」です。
クレドは「社会が前に進むために、『なくてはならない価値』を提供し続ける」を会社のミッションとし、そのために必要な3要素を色別に掲げています。青は「意志」、黄は「団結」、赤は「挑戦」。強い「意志」を持って「団結」し、より高い目標に向けて「挑戦」を続ける会社を目指すことを示しました。さらに3要素のそれぞれに「共に、汗をかく」といった、従業員の思いがこもった文言を添えました。
クレドは会議室などに掲示したほか、ポケットサイズのカードにして全従業員に配布しました。プロジェクトに参加した松下義明さんは「自分たちで創り上げてきたクレドなので誇りや愛着を持っています。クレドは私にとっての行動指針。品質保証の業務を担っているので、立ち止まったときや迷ったときに『お客さまに喜んでもらえる品質のものを提供するにはどう行動すべきか』をクレドに照らし合わせて考えています」と話します。

クレドづくりで発言が活発に
クレドの完成後は、実際にクレドに基づいて行動した人やその結果を評価する社内表彰制度を新設したほか、クレドについて語り合う職場単位のグループ活動を通じて浸透を図っています。
「トップダウンからボトムアップに組織文化が変化し、自由な意見が言える風土が醸成されてきました。ワーク・ライフ・バランスに関する制度の多くも従業員の声から生まれています」と総務部人事室長の加藤直記さん。1カ月単位のフレックスタイム制度や在宅勤務制度、子どもが小学校卒業まで利用できる育児短時間勤務制度、専門の産業カウンセラーによる「こころの健康窓口」など、全て従業員のニーズを基に整えました。

新卒採用の応募を増やすために
また、神戸大学と共同で新卒採用の応募を増やすためのプロジェクトを実施。応募数が伸び悩んでいることから、学生の記入負担を軽減しながらも入社意欲を測れるエントリーシートに2023年度から見直しました。
「社内の改善に加えて、社外との共同プロジェクトも積極的に実施しながら、100周年さらにその先も継続できる会社を目指して改革を続けていきたい」と加藤室長。仕事や職場に対する貢献意識や信頼を表す従業員エンゲージメントスコアが2023年度は3.00(5点満点中)だった同社。2026年度は3.37になるよう、数値目標を掲げ、さらに取組を進めていきます。

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