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支援制度の周知により子育てへの関心が男女とも向上

金井重要工業株式会社

所在地 伊丹市奥畑4-1
事業内容 繊維機器や不織布の製造・販売
従業員数 245人(男性190人、女性55人)
冊子掲載 令和6年度WLBな会社ガイド
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公開日 2025年2月10日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

メーカーとして、海外との競争激化や人手不足などの課題を抱えている同社。将来の活路を若手社員の採用に求め、福利厚生の充実や育児休業を取りやすい環境整備に注力。ダイバーシティの向上により、社内に活力が生まれています。

商品検査を行う女性技術者。社員寮も一部、女性フロアとして改装しました。

女性技術者を積極的に採用

 繊維機器部品で国内有数の規模を誇り、不織布製品でも業界の先発4社の一角を占める同社。130年の長きにわたり安定経営を続けてきましたが、近年は海外企業との競争激化や若者の製造業離れなどによる人手不足に苦しむようになりました。
 創業家出身で2013年に商社から転職した副社長の金井宏輔さんは、入社当時を振り返り、「社員はみんな真面目なコツコツ型で、それはいい。一方で、多様性がないとも感じました」と話します。
 厳しい環境を乗り越えるにはダイバーシティが鍵になると、まずは新卒採用の改革から着手しました。海外留学や商社勤務の経験から、社員構成に多様性があることで活気が生まれると分かっていたからです。
 「採用活動をしない採用活動」を掲げ、求人サイトなどを通じた募集活動は控える一方、役員らが直接学校に出向いたりPRイベントを開いたりと、独自の方法で学生にアピール。特に女性技術者の獲得に力を入れました。
 また、入社後の女性の定着率を上げるため不履行性も強化し、男性専用だった社員寮の4階フロアを女性専用に改装しました。

1on1面談での意見交換を積極的に行っています。

子育て支援制度や体験談を周知

 同社では、女性社員の大半が結婚や出産で退職していました。育児休業の制度はあっても社員のほとんどが詳しい内容を知らず、若手社員の中には将来に漠然とした不安を持つ人も少なくありませんでした。
 そこで、人事担当者だけでなく若手社員らも含めたプロジェクトチームを結成し、「産休・育休あんしんサポートブック」を作成。制度の詳細だけでなく、実際に子育てを
経験した先輩社員の体験談も掲載するなど親しみが持てる内容とし、幹部を含めた社員全員が閲覧できるように社内ネットワークで公開、役職者に向けた説明会も実施しました。
 ガイドブック作成後に長男が誕生した金井副社長も、1週間の育児休業を取得。その2年後に長女が生まれた際には1カ月間の休みを取りました。加えて、自らの体験を社内ブログで公開。「悩みや葛藤を抱えながらの育休期間でしたが、素晴らしい経験だったことを社員全員に伝えたかった」と力を込めます。
 地道な取組は功を奏し、直近7年間に新卒採用した37人中、女性は13人と35.1%を占めています。また、2023年度の育児休業の実績では、取得した9人のうち8人が男性でした。子育てへの関心は男女ともに広がりを見せ、家庭と仕事の両立が当然のこととして全社的に浸透しています。

「産休・育休あんしんサポートブック」の制作・社内周知は、プロジェクトチームの若手社員が携わりました。

社員の声を生かして改善

 会社の風土改革として、社内コミュニケーションの充実も図っています。社員から直接、職場環境の改善案を出してもらおうと、社内に数人単位のチームをつくり、定期的に意見を出し合っています。チームでまとまった意見は役員向けにプレゼンテーションしており、毎年、20〜25チームが提案します。
 さらにDX推進の一環で、業務の課題や改善策を集める「目安箱」も設け、スタート1年で約100件が集まりました。また、経営幹部と中間管理職が1対1で意見交換をする1on1面談も年間30回以上を数えます。
 金井副社長は「働きやすい会社を目指して取組を進めた結果、社内に活気が出てきたと実感しています。今後も社員と一緒にイノベーションを起こし、業績の改善につなげていきたい」と話しています。

インターンシップでのブレスト会議の様子。

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