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若手女性社員の特命チームが中心となり働きやすい職場づくり

株式会社籠谷

所在地 高砂市荒井町御旅2-1-17
事業内容 鶏卵の生産および加工販売
従業員数 390人(男性124人、女性266人)
冊子掲載 令和6年度WLBな会社ガイド
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公開日 2025年2月10日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

鶏卵の生産・加工販売を行う同社。代表取締役社長の小畑成久さんの特命により結成された若手女性社員のチームが中心となって、女性が働きやすく、活躍できる職場づくりに取り組んだ結果、男性も働きやすい職場へと改善が進みました。

創業100周年プロジェクトとして発足した「籠谷なでしこチャレンジ(KNC)」のメンバーたち。女性社員の率直な意見が会社運営に生かされています。

若手女性社員の特命チーム

 同社は2021年に創業100周年を迎えました。その節目の年にオーナー経営者からバトンを引き継いだのが、生え抜きの小畑社長です。社員アンケートを実施したところ「コミュニケーション不足」「男性は社員、女性はパート従業員というすみ分けがある」「パート従業員の定着率が低い」といった課題が浮き彫りになったことから、次の100年を見据えてワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進に向けた取組を始めることにしました。
 まずは2021年7月、100周年プロジェクトとして、さまざまな部署の若手女性社員6人によるチーム「籠谷なでしこチャレンジ(KNC)」が小畑社長の特命で結成されました。KNCは、女性が働きやすい職場環境や女性管理職比率の向上を目指し、月1回ペースで会議を実施。安心して出産を迎えるための3日間の「妊婦特別休暇」など有給の特別休暇を新設し、育児や介護の支援制度を充実させたほか、各種制度を周知するためのガイドブックも作成しました。
 また、新入社員を年齢の近い先輩社員が支援するメンター制度や、1対1の社長・部長面談を導入。パート従業員からの意見ボックスを設置するなどして、全社的に課題となっていたコミュニケーション不足の解消にも取
り組みました。
 「KNCの活動を通じてパート従業員の意見が吸い上げられるようになり、徐々に働きやすい職場環境が整っていきました」と小畑社長。2021年以前と比較すると有休取得率が14.4%上昇し、一方で離職率は13.4%減少しました。女性管理職も1人増えて、管理職の女性比率は11.1%になりました。2031年までにはその割合を25%に引き上げることを目指しています。

KNCのメンバーと社長(中央)との話し合い。全社的な課題であったコミュニケーション不足の解消に力を入れています。

多様な取組が功を奏す

 KNCの活動以外にも、さまざまな取組を進めています。月1回、社長と各部門の社員が全工場を視察する「工場巡回」、年1回、各部署から選ばれた社員による食品安全チームが行う「内部監査」、2カ月に1回、テーマを設定して一般社員から管理職まで製造部の社員全員が意見交換する「ブレーンストーミング会議」などを通じて明らかになった課題を改善につなげています。例えば、クレーム対策を目的にしたブレーンストーミング会議を通じて、クレームを防ぐだけでなくパート従業員の働く環境も改善されました。

ブレーンストーミング会議の様子。一般社員から管理職までが積極的に意見交換、業務改善につなげています。

陸上競技部設置で社内に活気

 「籠谷杯」として野球や柔道の大会を長年行うなどスポーツに理解のある同社。100周年を機に社内に陸上競技部を創部し、わずか2年後に全日本実業団対抗陸上競技選手権大会で団体初優勝を飾りました。大会での活躍にとどまらず、陸上競技部の社員はアスリート向けカステラを企画開発したり、地域で陸上教室を開いたりと活発に活動。アスリート社員の存在は社内の士気を高揚させるとともに、新卒採用に好影響を及ぼしています。
 創業100周年を契機に取り組んださまざまな施策が成果を上げている同社。KNCのメンバーで総務部の木下亜友美さんは「以前は黙々と仕事をしている印象が強かったのですが、最近は課題を解決しながら和気あいあいと働ける会社に変わってきました」と手応えを口に
します。今後もKNCを中心に、女性管理職候補の育成、残業時間の削減などを課題として、引き続きWLBに取り組んでいきます。

育児・介護に関する制度を周知するため、ガイドブックを作成

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