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ゴールは採用ではなく定着長く活躍できる人材を育成
上林建設株式会社
所在地 | 宍粟市山崎町御名226-1 |
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事業内容 | 総合建設業 |
従業員数 | 38人(男性27人、女性11人) |
冊子掲載 | 令和6年度WLBな会社ガイド |
冊子PDF | 詳細をみる |
公開日 | 2025年2月10日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
宍粟市内にある同社は長年、地元高校の卒業生を中心に採用してきましたが、大学進学者の増加により人材の確保が難しくなってきました。そこで2017年から大卒者を中心とした採用に乗り出しました。同時に、定着を図るための育成プログラムを実施。その結果、毎年5人ほどの新卒採用ができるようになりました。

市内外の人々の交流イベントを開催
同社のビジョン「お客様・社員・パートナー企業とともにまちをデザインする」は2019年に策定されました。「建物を造るだけで終わるのではなく、建築を通じて豊かなまちづくりに貢献するという思いを込めました。兵庫県内に数多くの建設業者がある中、上林建設だから頼みたいと思っていただけるように、さまざまな取組を進めてき
ました」と代表取締役の上林博幸さん。
2013年から毎年5月に開催する「しそう森のバザール」は地域の雑貨店や飲食店などが出店するイベントです。市内外の人々の交流を促すことを目的に始めたところ、今では5,000人が参加するまでに育ちました。また、市外の会社から「工場で水を大量に使うので適地を探してほしい」との依頼を受け、ヒアリングを重ねて提案し、見事企業誘致につなげました。

新社屋完成で課題を解消
「まちをデザインする」という思いを集約したのが、2020年12月に完成した木造社屋です。地元産木材を使い、大きく切り取った窓からは庭園とその向こうの山並みを見渡せます。社員間のコミュニケーションを密にすべく、それまで2拠点に分かれていたオフィスを集約。管理、営業、設計・建設の各部門の間に仕切りは一切ありません。これまで懸案だった本社と現場の距離を縮める手段として、フロア中央に大型スクリーンを配置し、定点
カメラにより現場の様子を24時間映し出しています。
また、絵本からまちづくりに関する書籍までを集めた「まちライブラリー@宍粟」を開設し、子どもへの読み聞かせ、コンサート、大学生の研究発表など地域に無料で
開放しています。「本社は、当社のこだわりを見ていただくモデルルームとしての役割のほか、社員が生き生きと働く姿を見て、建築の相談をしたいと思ってもらえる場になればと考えています」と上林代表は語ります。

新卒者が働き続けられるために
大卒者の採用に乗り出した同社が、「会社が成長するためには継続的な新卒の採用が欠かせない」との思いから2018年にスタートさせたのが、「1000日プログラム」です。「従来は内定を出し、入社してもらうことがゴールと考えていましたが、この会社で働き続けたいと思ってもらうことが大事だと考え、一人一人にじっくり向き合う方針に切り替えました」と上林代表。大学3年生の夏に行われるインターンシップから入社1年目が終わるまでの3年弱、約1000日をかけることから名付けられました。
インターンシップは、同社がリノベーションした市内の古民家ホテルを使って1泊2日で行います。入社1年目の9月までは残業、休日出勤はなく、仕事に慣れるための研修期間とします。また、毎月1回研修会を開き、幹部社員が経営理念や社会人マナーなどを指導。最終回の3月に新入社員1人ずつが1年間で学んだこと、これからの抱負などを発表します。併せて、幹部社員を対象に、若手社員の不満や要望を基に指導方法を再考する目的で、外部講師による「若手を育む勉強会」も実施しています。
こうした取組が実を結び、大学新卒者の安定的な採用と定着につながっています。2015年に入社し、市内初の女性現場監督になった社員は育児休業を経て職場復帰しました。2022年に入社した広島県出身の男性社員は2023年に結婚。子どもが生まれて1カ月の育児休業を取得しました。 上林代表は、「今後は幹部社員に対する研修にも力を入れ、会社全体で若手社員を育てていく風土を根付かせたい」と、さらに人材育成に努める考えです。

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