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時差勤務制度の導入で生産増と残業削減を実現

タジマ食品工業株式会社

所在地 豊岡市日高町東芝435
事業内容 食品原料、医薬品原料の製造
従業員数 83人(男性55人、女性28人)
冊子掲載 令和5年度WLBな会社ガイド
公開日 2024年2月5日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

同社は2020年に時差勤務制度を導入し、生産性が向上。同時期に従業員の資格取得を支援する制度もスタートさせ、働きやすい風土が醸成されました。22年には「仕事と生活のバランスを取りつつ一人ひとりがいきいきと働こう」というワーク・ライフ・バランス(WLB)ビジョンを策定し、取組をさらに深化させています。

2022年9月に発足した女性活躍推進グループ。6人で自由に意見交換しています。

残業削減に向け時差勤務を開始

 日本新薬株式会社のグループ会社として、食感を良くするための各種粉末タンパクや日持ちを向上させるための食品添加物、サプリメントなどを製造する同社。未就学の子どもがいる従業員を対象に有給休暇とは別に年間5日間取得できる「育児目的休暇制度」や、ライフスタイルに合わせた働き方を実現するためのテレワークなど、これまでも働きやすい仕組みづくりに取り組んできました。さらに、生産性向上と働きやすさを両立する取組を3年前から本格化させています。
 きっかけとなったのは、食品添加物の製造部門の受注が増加し、時間外労働が増えたことでした。そこで導入したのが時差勤務制度。通常の8時半〜17時勤務に加え、始業・終業時間を1時間前にずらす早出と、1時間または2時間後ろにずらす遅出の3パターンを2020年4月から試験的に取り入れました。2年間の試行期間に現場の従業員から出された声を反映し、結果的には前後に1時間ずらす早出、遅出の2パターンを導入。また、従業員を新たに補充し、これまで全員が同じ時間帯に取得していた昼休みを3チームに分け、ずらして取るようにしました。
 従来の通常勤務に比べ、製造時間が前後に計2時間増えたこと、昼休みの3交代制によりこれまで機械を止めていた昼の時間も稼働させられることで、製造量の増加に対応できるようになりました。さらに、日曜に行っていた機械の清掃を月曜の早出の時間に済ませるように。その結果、全従業員の総残業時間は時差勤務開始時から2年間で6割減少。逆に製造量は増え、生産性を向上させることができました。

従業員の業務遂行能力を見える化することで属人化の防止、業務効率化を図っています。

資格取得の支援で多能工化

 時を同じくして、従業員のモチベーションを高めることを目的にスタートしたのが資格取得支援制度です。それまで資格を取得するための受講料は従業員が自己負担していましたが、会社が認める資格については全額補助することにしました。
 従業員からの反応は上々で、2020年度は13種類の資格に16人が、21年度は17種類に29人が、22年度は18種類に20人が利用しました。「製造部門の女性2人がフォークリフトの資格を取得しました。現場でできる仕事が増えたことで多能工化が進み、休みを取りやすい風土の醸成にもつながっています」と、代表取締役社長の田村幸一さんはその効果を話します。

外部講師を招いて開催するワーク・ライフ・バランス研修。他に管理者研修や階層別研修などを多彩に実施しています。

他社の取組を自社に生かす

 こうした取組をさらに充実させるため、2022年4月、ライフステージが変化しても働き続けられる会社を目指し、「仕事と生活のバランスを取りつつ一人ひとりがいきいきと働こう」というWLBビジョンを策定。WLB推進室も新たに設けました。
 取組の一つとして同年9月に発足したのが、各部署から選ばれた6人をメンバーとする女性活躍推進グループです。キャリア向上をテーマに社外で開催される研修やリーダーシップ研修などに参加し、それぞれが得た情報を会社に持ち帰りメンバーで共有。11月には、外部研修で接点ができた同じ豊岡市に本社を持つ企業と交流会を実施しました。同社が導入している時差勤務制度の情報と、その企業が実施している介護休暇制度に関する情報を交換することで、お互いの制度の充実につなげようとしています。
 「今後も多様なライフスタイルに対応できる制度の導入に取り組むとともに、部署間、個人間で開きのある有給休暇取得の偏りをなくしていきたい」と田村社長。全従業員がWLBを実現できるように取組を続けていきます。

同じ豊岡市に本社を持つ企業と交流会を開催し、それぞれが導入する制度について情報交換。

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