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若手社員の提案を採用し フレックスタイム制を導入

株式会社ソーイング竹内

所在地 多可町中区糀屋90
事業内容 繊維製品製造加工・卸売業
従業員数 26人(男性8人、女性18人)
冊子掲載 令和5年度WLBな会社ガイド
公開日 2024年2月5日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

播州織の産地、多可町で地域伝統の織りのノウハウを生かした繊維製品の製造販売を行う同社。2018年に事業拡大のため従業員を増やし、社屋も一新。フレックスタイム制の導入や固定残業制の廃止など、働きやすい環境の整備を進めています。

縫製業務を担うミシン場。ガラス張りの開放的な作業部屋、最新機械の導入などで働きやすい環境を整備しました。

事業拡大を目指し社屋を一新

 設立は1982年。以前は平屋建ての小さな社屋に十数人の従業員が働くアットホームな雰囲気の〝個人商店〟的な会社でした。周辺の地域は農業と繊維関係に携わる人が多く、同社も、農業の合間にミシンを踏む〝内職さん〟に縫製を依頼していました。しかし、繊維産業の衰退や内職さんの高齢化などが進み、事業を継続していくためには、自社内での縫製要員の育成や最先端機械の導入など、企業としての成長が必要となっていました。
 事業拡大を掲げ、2018年に従業員を13人から22人に増員。それまで暗くて狭かった社屋は、ガラス張りの開放的な作業部屋を新設するなど、広くおしゃれな空間に改築しました。そして、社屋の一新とともに取り組んだのが、ワーク・ライフ・バランスの推進です。
「以前から社員やパートさんと社長の距離が近く、風通しのいい会社でした。この雰囲気は守りつつ、事業継続のためにも従業員が働きやすい企業へと成長させなければならない。そこで課題を抽出し、解決するための取組に着手しました」と、営業部課長の笹倉清明さんは話します。

ダンスの練習に励む総務経理課長の稲田さん。フレックスタイム制の活用で希望のレッスンに行きやすくなりました。

若手社員が課題解決策を提案

 まず課題として挙がったのが、固定残業制による残業の常態化です。1人20時間程度の残業手当が給料として定額支給されていたため、時間を有効に使う意識が低く、意味もなく会社に残る風潮があったといいます。そこで固定残業制を廃止し、残業時間に応じた時間外手当をつけることにしました。すると作業効率が次第にアップ。コロナ禍によるステイホームの時期と重なったこともあり、ライフスタイルを見直して働き方を変えようという機運が高まってきました。
 さらに2020年、若手社員5人をメンバーに、社内の改善策を提案する「会社を良くしよう会」を立ち上げました。ここから生まれたのが22年に導入したフレックスタイム制です。「あきらめていた時間帯のダンスのお稽古に合わせて出退勤の時間を調整できるようになりました」と、総務経理課長の稲田陽子さんは笑顔を見せます。
 これらの取組の結果、1人当たりの月平均残業時間は徐々に減少。有給休暇取得率は、28.6%から52.6%へとほぼ倍増しました。
 また、社員とパート従業員、営業部門と生産部門といった普段の関わりが少ない人たちの情報共有を図るため、「会社を良くしよう会」の提案で「ニュースレター」を作成。従業員の間で小さな感謝を伝え合う「1カ月間のHappyエピソード」を掲載しました。その他、産休・育休中のパート従業員も一緒に楽しむクリスマス会や毎月の「ケーキの日」、昼食会などを設定し、コミュニケーションを促進する仕掛けづくりに注力しました。

若手社員をメンバーとする「会社を良くしよう会」。勤務態度の改善提案のほか、自治体への布製マスクの寄贈など、さまざまなアイデアを実行しています。

従業員参加で会社のビジョン作り

 2022年に創業40周年を迎えた同社。今後の会社のビジョンづくりを従業員参加で進めました。「従業員全員が653時間を費やして練り上げました。ワーク・ライフ・バランスを重視する会社であり続けるため、従業員がどう考えているかを改めて知り、その思いをビジョンに取り入れることができました」
 誕生したビジョンは「New Nū Company〜人と想いを縫い合わせ新たな価値を創造する〜」。「縫う(Nū)」をテーマに、生地だけでなく人と心も縫い合わせる企業、という意味です。「今後も表面化していない課題を抽出し、より良い職場環境を目指したいと考えています」と笹倉さんは話しています。

毎月楽しみな「ケーキの日」。社内イベントは産休・育休中のパート従業員も参加できます。

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