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従業員の声を反映した新工場 待遇改善で働く意欲が向上

エム・シーシー食品株式会社

所在地 神戸市東灘区深江浜町32
事業内容 食品製造業
従業員数 312人(男性210人、女性102人)
冊子掲載 令和5年度WLBな会社ガイド
公開日 2024年2月5日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

2022年春に操業を始めた同社新工場の建設に当たり、「働きやすさ」を追求しようとタスクチームをつくって現場の意見を反映。動線が良く室温も適切な新しい職場では、作業効率が飛躍的に向上しました。一方、同時期に高卒者の待遇を改善し、離職者の抑制に成功。社内には明るい笑顔が広がっています。

木材をふんだんに取り入れた社員食堂。デザインや設備も従業員の要望が数多く採用されています。

タスクチームで職場環境改善

 スープ、カレー、パスタソースなどのレトルト食品や冷凍食品、缶詰を製造する同社は大正時代の創業で、神戸を代表する老舗企業の一つです。業績は好調で、2023年の創業100周年を前にして神戸・ポートアイランドに新工場を建設することが決まりました。
 「人に優しい工場にしよう」。経営陣の方針を受け、すぐに取り組んだのが現場で働く人へのアンケートとヒアリングの実施、タスクチームを発足させることでした。肩書、世代、性別を超えて結成し、幅広い要望が反映されるようにしました。
 タスクチームは月2回ほど会合を重ね、まず従業員アンケートを実施。「動線が長く効率が悪い」「暑すぎて疲れる」といった旧工場の問題点が浮き彫りになりました。さらにヒアリングなどを行いながら、快適に働けるためのアイデアを出し合いました。建設会社とレイアウトを話し合い、調理設備の選定にも参加。他社工場などへの視察も重ねました。
 22年春に操業を始めた新工場は、努力のかいあって作業現場の動線が劇的に改善しました。さらに最新の空調管理システムを導入して室温管理を徹底したことで、工場内は適度な温度を維持できるようになりました。結果、作業効率が良くなり、生産性は飛躍的に向上。残業の削減にもつながりました。ベテラン従業員から「新工場は、作業チームの連携がすごく良くなった。環境が変わると働き方もすっかり変わった」と驚きの声が上がるほどでした。

休憩コーナーは要望の多かった畳敷きに。体を横にしてくつろぎたいという従業員の声から生まれました(畳は異物混入を防ぐため、丈夫な競技タイプを使用)。

カフェ風食堂でくつろぎのひととき

 新工場では、従業員が休憩時間を快適に過ごすための工夫も随所に取り入れました。食堂はカフェ風で、リラックスできる内装に。木材をふんだんに取り入れ、落ち着ける雰囲気となっています。窓から外を眺められるカウンター席、数人で向かい合うテーブル席、ミーティングもできる大テーブル席など気分や目的によって使い分けが可能です。「設計は飲食店専門のデザイナーに依頼しました」と、業務管理部長の小嶋拓さんは話します。
 この他、更衣室に併設した休憩コーナーは要望の多かった畳敷きにしました。貴重な休憩時間、従業員は横になったり談笑したりと、くつろぎのひとときを過ごしています。

高卒入社の従業員の待遇を改善。入社4年後には大卒の新人と賃金が並ぶようにしました

待遇改善でモチベーション向上

 設備の改善だけでなく、待遇や働き方の改革も怠りません。2年前には高卒入社の従業員の待遇改善に踏み切りました。入社から4年間の経験を踏まえ、大卒の新人と賃金などが並ぶようにし、学歴での差を解消。結果、高卒者の離職率は25%から9%に劇的に低下しました。もともと工場長や職場リーダーには多くの高卒者がおり、今後はさらに活躍する人材が出てくると期待しています。
 女性の登用にも積極的です。主任・係長級の女性比率は2017年時点で16%でしたが、23年には25%まで増えています。
 さらなる働き方改革や職場の改善を進めるため、毎月、従業員10人ほどの選抜グループによるワークショップを開催しています。グループ名はきらっと光るエム・シーシーの略で「キラッシー」。テーマは従業員からの要望で決めており、社内イベント、有給休暇取得の促進策、業務の効率化などさまざまです。メンバーがアイデアを出し合い会社に提案し、社内全体で具体化を検討する流れができています。小嶋さんは「働く現場が生き生きとしていることが何より大事。設備、制度ともに絶えず見直していきたい」と、どこまでも前向きです。

親子が楽しむ「ファミリーデイ」の様子。

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