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長時間残業の解消を目指し仕事のやり方を見直す
大和美術印刷株式会社
所在地 | 姫路市網干区新在家1275 |
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事業内容 | 印刷業 |
従業員数 | 62人(男性40人、女性22人) |
冊子掲載 | 令和3年度WLBな会社ガイド |
冊子PDF | 詳細をみる |
公開日 | 2022年1月31日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
デザイン部門で長時間の残業が常態化していたことから、業務改善の取組が始まりました。チーム制を敷き、メンバー間で情報を共有するとともに、時間管理の意識を徹底。各メンバーの仕事の進み具合を毎日2回フォローしながら、残業時間の偏りの削減につなげました。

長時間残業の解消に向けて
広告マッチの印刷からスタートした同社。現在は、折り込みチラシやパンフレットなどの印刷を手掛けるほか、新たな事業としてペットボトルのオリジナル包装材の印刷に取り組むなど、進化を遂げています。
印刷業務はデザインから印刷まで、仕上がりの満足度を極めようとすれば際限のない仕事のため、ついつい業務時間が長くなりがちです。デザインを担当する女性社員の長時間残業が続いていることを問題視した篠田直宏代表取締役は、「社員が疲弊していてはお客さまに質の良い仕事を提供することはできない」と、2016年に残業の実態調査を実施しました。すると、月に90時間以上残業している社員が76人中10人を超え、特にデザイン部門に集中していることが判明しました。

全部門で改善案を考える
そこでまず、デザイン、校正、顧客とのやり取り、最終原稿の入稿などといった印刷までのそれぞれの工程でどれだけの時間を要しているのか、デザイン部門の社員一人一人の各工程にかかる時間を調べ、データを積み上げました。次に、その結果を踏まえて、どこをどのように改善すれば時間の短縮につながるのかを定期的なミーティングで話し合い、改善点を見つけ、実行に移していきました。ミーティングにはデザイン部門の社員だけでなく、総務、営業、印刷、加工など全部門から参加。「お客さま満足度を高めることはデザイン部門だけの仕事ではありません。他人事とせず、全社員で取り組むことが大事だと考えました」と業務部次長の山本明仁さんは話します。
さらに、ミーティングの場で出てきた改善案を基に、受注案件ごとに標準作業時間を設定。その実現のためには顧客の理解が欠かせないため、トップから営業担当者までが顧客としっかりコミュニケーションを取りながら、残業の削減には顧客の協力が必要なこと、ひいては質の高い仕事につながることを真摯に伝えていきました。

チームメンバー間で仕事を調整
デザイン部門においては、「隣の社員がどんな仕事をしているのか分からない」という状況を改めるべく、3、4人のチームで一つの案件を担当することに。チームの各人がどのような仕事をしているのかを洗い出し、属人化している作業については情報を共有。担当者が不在でも顧客からの問い合わせに対応できるようにしました。また、受注案件ごとに設定した標準作業時間を順守できるよう、担当者が各工程で伝票入力をする際、目標終了時間が自動的に伝票に出てくる仕組みとしました。結果、時間の意識が徹底され、仕事への集中力も付いたといいます。
一方、毎日の仕事前の朝礼と15時のミーティングでそれぞれの仕事の進捗状況を確認。残業の可能性がある場合には、他のチームに仕事の一部を振ることで、できるだけ定時内に仕事が終わるようにしています。2020年度のデザイン部門1人当たりの月平均残業時間は9時間に。16年度と比べると25時間も減りました。
プリプレス部制作課係長の石田朋華さんは、残業が多かった時代からのビフォーアフターを経験した一人です。「以前は残業が続き、家には寝に帰るだけでした。今では、仕事の質を向上させるために学びの時間も取れるようになり、余裕を持って仕事ができています。メンバーと気軽に何でも話せるようになり、休みを取りやすくなったのも大きく変わった点です」と話します。
「目指すは小・中学校の元気で仲が良いクラス」と篠田代表取締役。食堂には、社員からの改善提案で始まった、社員同士が感謝を伝え合うサンクスカードがたくさん貼ってありました。

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