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業務負担や不安の軽減で利用者とより向き合う
有限会社ウェルビー
所在地 | 加西市鎮岩町482-1 |
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事業内容 | 小規模多機能型居宅介護施設の運営 |
従業員数 | 40人(男性7人、女性33人) |
冊子掲載 | 令和4年度WLBな会社ガイド |
冊子PDF | 詳細をみる |
公開日 | 2023年1月31日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
小規模多機能型居宅介護施設を運営する同社。業務に占める書類作成の負担が大きく、利用者と向き合う時間を奪っていました。書き物を減らすためにソフトウエアを導入したほか、夜勤時の不安解消のため、利用者の体調をモニタリングできるシステムも導入しました。

「手で書く」から「入力する」へ
2004年に介護のリフォーム事業でスタートした同社は、その後福祉用具貸与事業を加え、14年から小規模多機能型居宅介護施設の運営に参入しました。地域密着型の介護サービスを掲げ、通い、泊まり、訪問のサービスを自由に組み合わせ、24時間365日必要な時に必要な時間利用できることから、利用者やその家族に重宝されています。
一方で働く職員はあらゆるサービスにいつでも応える必要があり、介護職に対する「きつい仕事」というイメージを払しょくしきれないでいました。「どうすれば業務の負担を軽くできるかを考え、日々の仕事を改めて振り返ってみたところ、大きな負担となっていたのがいわゆる書き物でした」と代表取締役の三船由香さんは話します。
1日に通いで最大18人、泊まりで9人を受け入れています。一人一人の利用者について血圧や体温などのバイタル、食事量、服薬などの情報のほか、会話内容や体調の変化などを都度記録、自宅へ送り届けるまでにそれらを一つにまとめておく作業があり、長い時には1日2時間を要していたといいます。「書き物は必要ですが、利用者さまと関わる時間が減り、なんのために働いているのかという疑問も湧いてきました」
そこで、まずは職員全員にタブレット端末を用意しました。持ち運べることから随時記入でき、入力した情報はその都度サーバーに送られてまとめられるので、後で転記する必要がなくなりました。また、利用者のサービスの利用状況や急なサービスの変更は瞬時に入力して職員で共有。請求業務も自動化され、大幅な業務効率化につながりました。

容体変化を知らせるシステムを導入
同社では毎日1人の夜勤勤務者を配置しています。夜勤時に問題となっていたのが、利用者の急な体調変化への対応でした。1時間置きに各部屋を巡回しますが、巡回以外の時間に容体が急変することもあります。そこで、就寝中の呼吸や心拍数などのバイタル情報を測定し、寝返りや起床の様子をリアルタイムでモニタリングできるシステムを導入しました。ベッドの下にセンサーを置くだけで測定でき、各種数値に異変が生じた時にはアラームで知らせてくれるので、救急対応も迅速にできるようになり、医療機関への情報提供もスムーズになりました。これに伴い、夜勤業務の負担が大幅に軽減され、現在ではアルバイトも対応できるようになりました。

馬と触れ合い気分転換
生真面目なスタッフが多く、有給休暇を取得する職員が少ないのが悩みの種でした。ひょうご仕事と生活センターから外部専門家を招き、意識啓発を進めたことで、現在では取得率100%に。職員の家庭の事情に合わせて1時間単位での有休も取得できるようにしています。
また、介護福祉士や介護支援専門員などの資格取得については通信講座の費用を全額補助。職員は積極的にスキルアップに努めており、介護福祉士が6人に増えました。「自信がついて、やりがいにもつながっているようです」
かつて施設で実施していた運動会や1泊旅行などの行事がコロナ禍でできなくなり、「職員、利用者共にストレスがたまっていることを感じていた」という三船代表取締役。そこで2022年7月、ポニーやサラブレッドなど6頭の馬と触れ合える牧場を夢前町に開設。毎月希望する利用者に開放しています。動物との触れ合いは、利用者だけでなく職員にとってもよい気分転換になっているとのこと。「利用者としっかり向き合えるよう、職員がより快適に働ける環境を整備していきたい」と話しています。

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