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新たな生産管理体制で人的負担を軽減
サワダ精密株式会社
所在地 | 姫路市広畑区吾妻町1-39 |
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事業内容 | 金属部品の精密加工 |
従業員数 | 84人(男性70人、女性14人) |
冊子掲載 | 令和2年度WLBな会社ガイド |
冊子PDF | 詳細をみる |
公開日 | 2021年2月19日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
中小の製造業は人手不足などが原因で残業が多く、有給休暇が取りにくい傾向にあります。改善策としてサワダ精密では、生産性を向上させて人的負担を軽減。自信や意欲を持って仕事ができる環境を整え、その成果には表彰や報酬で応じるといった好循環が生まれ、会社の発展にもつながっています。

新たなシステム導入で効率アップ
精密機械部品などの金属加工業を中心に、機械の設計や製作も行う同社。2013年に代表取締役社長に就任した澤田洋明さんは、常態化していた長時間労働や高い離職率を重く受け止め、「みんなが明るく前向きに仕事ができないようでは会社の発展もない」と、先頭に立って働き方改革を進めてきました。
まずは、生産性を上げるために思い切った設備投資を行いました。工程設計や納期などを管理できる独自の生産管理システムを導入し、最適な生産計画を見える化。従業員はシステムに従って無理なく作業でき、割り込みの特急案件にも柔軟に対応できるようになりました。また、夜間に無人加工ができる大型機械の導入を進め、作業効率が50%もアップしました。

熱心に人を育てて成果を評価
人材育成にも熱心に取り組んでいます。定期的な異動で経験を積むジョブローテーションにより成長した社員をリーダーとして配置。例えば、営業職に現場経験者が就くことで製造知識や体験を生かした営業を推進できるようにしています。脱下請けを目指して社内に機械設計部門を新設し、会社全体で技術力向上に努めたことも功を奏しています。
残業が減った分余裕が生まれ、さまざまな活動に従業員主導で取り組めるようになりました。中心となるのは、6つの委員会活動です。「カイゼン推進委員会」はミスの防止や時間短縮などを推進。企画を考えたり報奨金を設けたりして従業員のモチベーション向上を図り、年間400件以上の改善につなげています。「3S(整理・整頓・清掃)推進委員会」はショールームのようにきれいな工場を目指して活動中。「人財育成委員会」は社内外の勉強会や社内のMVP投票を運営し、従業員が人間力や仕事力を身に付けるために支援する大事な役割を担っています。
働き手の成果には表彰や報酬で応じ、さらにやる気を引き出す澤田社長。「2020年の夏はコロナ禍にありながら、残業時間を削減した従業員の頑張りに、臨時昇給という形で応えることができました」と話します。

成長につながるユニークな環境整備
同社の働きやすい環境づくりは一味違います。「AKB200」「マリオ」「五郎丸」…。工場内を歩くと芸能人やスポーツ選手、ゲームやアニメの登場人物などから名付けたユニークな愛称が、一つ一つの機械に明示されています。きっかけは「機械に愛着を」との思いとちょっとした遊び心。自分たちが考えたニックネームが全生産設備に付けられることで、機械を大切に扱う風土が自然と根付きました。
また、2020年はコロナ禍の重たいムードを一掃しようと、原色12色のポロシャツを作成。背中に「鉄工魂」などのユニークなロゴも入り、社内行事が中止続きで沈んでいた現場の雰囲気や働き手の表情がパッと明るくなりました。
従業員の家族も大切にしています。例年の忘年会には家族も招待。夏休み恒例の「こども参観日」では、招待した家族が工場を見学し、ものづくりも体験。父や母、祖父母の働く姿に心を動かされたという家族が多く、今春には親子2代の社員も誕生するそうです。
こうしたさまざまな取組の結果、従業員数と売り上げが順調に増加。2019年の1人当たりの月平均残業時間は20時間と、6年間で3分の1に減少したのに加え、有給休暇やリフレッシュ休暇の取得率も上がりました。
「一人一人の成長を見守り可能性を引き出すことが、会社の発展につながります。これからも従業員と一緒に頑張っていきたい」と澤田社長。同社の経営理念「生活の安定 将来の夢を託せる企業を目指す」を実現するため、取組は続きます。

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